唐 夫 人 の は な し
唐の時代、唐夫人と呼ばれた人がおりました。
彼女は毎朝早起きしては、御殿へと走って行き、自分の乳房を取り出して、病床の姑、長孫太夫人(太宗皇帝の后)に母乳を飲ませておりました。というのも、この長孫太夫人という方が、乳を好んで飲んだからです。
その長孫太夫人は、嫁の乳のおかげで、ご飯を食べなくても、元気になることができました。
のちに、臨終に際して、親戚を集め、
「私は嫁のおかげでこうして永らえることができました。末代まで、このように私につくしてくれたような嫁が来るとよいと思います。」
と、いいました。