帝 舜 の は な し
盧朝(ろちょう)の皇帝、舜(しゅん)の父は、盲目でした。
生母は早死にし、幼い頃から父の後妻によって、父の目が見えないことを良いことに、あらゆる虐待を受けて育ちました。
後妻の産んだ弟も、兄である舜を尊敬しようとしません。それでも、舜は何一つ不満をもらさず、父母を敬い、弟をかわいがりました。
歴山(れきざん)というところに田畑を持っていたので、そこで舜は畑仕事に精を出しました。すると、あらゆる動物たちがやってきて、彼の仕事を助けたのだそうです。これは彼の孝行心が鳥や獣に感動を与えたからです。
舜が成人になったとき、その親孝行の実績が国中の人に認められ、この人ならばすべてまかせてもよいということになり、ついに堯帝(ぎょうてい)から王位をゆずられ、天子の位にのぼりました。