朱 寿 昌 の は な し
宋の時代、楊州(ようしゅう)に朱寿昌(しゅじゅしょう)という人がおりました。
7歳の時に母と生き別れ、50年が経ちました。
神宗皇帝の時代に、彼は官吏となりましたが、その間も心の中で母に再会できる日を夢見ていました。
そのため、ついに官吏を退職し、わざわざ故郷の楊州に探しに行きました。その旅路はとても険しく、とうとう道ばたに倒れてしまいました。
ある旅人がそれを見つけて介抱し、その訳を尋ねました。朱寿昌は理由を語りました。
すると突然、彼を取り囲んだ群衆の中から、70才くらいの白髪の老婆がかけよりました。その老婆が、長年たずね求めていた母親だったのです。母子は抱き合って泣きました。周りにいた人々も、感動して泣いたということです。