「ねこ」って、昔話の中ではあんまりいい扱いがされてないみたいですネ。 お釈迦さまが亡くなったのは薬を取ろうとしたネズミを食べちゃったから。 お釈迦さまが亡くなったときに、ネコだけが笑ってたから・・・。 |
でも、「ねこ」って、お寺とは切っても切れない仲なんです。 私たちがいつも目にしているネコたち。 このネコたち(ツシマヤマネコ・イリオモテヤマネコといったヤマネコを除いて)は、もともと日本にいたわけじゃないんです。 このネコたちが日本に登場するのは、奈良時代。 中国から日本に仏教が伝わってきたとき、船の中の大切な経典がネズミにかじられないようにと、いっしょに連れて来られ、そのまま居着いてしまったんだそうです。 江戸時代に田中仲宣の書いた『愚雑俎』の中にも、 大船には鼠多くあるものなり。往古仏教の舶来せし時、船中の鼠を防がん為に猫を乗せてくることあり。と記されています。 また、鎌倉時代には、金沢文庫の本を守るため、中国から良いネコを輸入したんだそうです。(そのネコたちは、近世まで「金沢猫」とよばれていたとか。) |
それから、「まねきねこ」のはなし。
それ以来、お寺を立派にしたたまにあやかって、福を招く、客を招くと「招き猫」が置かれるようになったわけです。 |
【参考】
『イヌ・ネコ・ネズミ』
戸川幸夫著
中公新書
2000/02/15