蓮 ふたたび

7月25日(月)

今朝は久しぶりに雨。
雷もゴロゴロと。

昨日久々に開いた蓮の花、『黄陽(きよう)』。

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昨日はピンクの花を咲かせたが、今日は・・・。

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昨日の花と同じものとは思えないほど、まったく違った姿に。

昼からは花が閉じ、また明日。
ホンの短い花のいのち。

そこから何か気づかせていただきましょう。

今年も8月が近づいてきた。

8月といえば、昭和20(1945)年8月6日と9日、広島・長崎に原爆が落とされた日。
そして、15日の終戦記念日。

専徳寺では毎年8月6日、広島に原爆の落ちた午前8時15分に合わせて梵鐘を鳴らし、本堂で勤行。
そして15日の終戦記念日には、長浜の戦没者追悼法要が夜に行われる。

追悼法要では御遺族の参列者も年々減っていく。
戦争を知らなくても、この過去を忘れてはならない。
忘れてしまったら、また再び繰り返してしまうのが世の常。

伝えていくことの大切さ。

そんななか、ヒロシマアーカイブというサイトを知った。

Hiroshima被爆された方の証言、そして当時の写真。
記憶を記録し、後世に。

今年の8月6日は、専徳寺で煎茶会。
寺の主催でなく、御門徒さんからの発案で。

初めての試みではあるが、これも伝える一つのかたち。

ヒロシマ以外に、ナガサキ、東日本大震災のアーカイブも。

ナガサキアーカイブ
東日本大震災アーカイブ

伝え方にもいろんなかたちがあるが、こころは一つ。

 

蓮 ~黄花蓮~

7月2日(土)

今朝、3種類目の蓮、黄花蓮という蓮の花が開いた。

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黄色というよりオフホワイト。
明日の朝が、一番美しい姿になるでしょう。

黄陽は昨日、大賀ハスは今日花びらがすべて散り落ちた。

何とも短い花のいのち。
そう思うと、この美しく咲いた姿を見れることはありがたい。

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夏の法座に掛かる打敷。
暑いなか、涼しげな浄土の相(すがた)に映る。

金子みすゞさんは、『蓮と鶏』という詩を残している。

蓮と鶏

泥のなかから
蓮が咲く。

それをするのは
蓮じゃない。

卵のなかから
鶏が出る。

それをするのは
鶏じゃない。

それに私は気がついた。

それも私のせいじゃない。

蓮が美しい花を咲かせるのは、蓮の力だけでは咲かない。
太陽の光、水、空気、土・・・。いろんな環境、いろんなご縁が整って、こんな美しい花が咲く。

私たちのいのちも同じこと。
それに私は気がついた。それも私のせいじゃない。

ご縁である。

可愛らしいサイトがあったので、ご紹介。

6月30日(木)

昨日開いた大賀ハスと黄陽。
今朝は全開。

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特に黄陽は、昨日よりも白が際立って。

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明日から天気が下り坂。
明日には散ってしまうだろうか。

実は、次男の名前は「蓮(れん)」。

一昨日の6月28日が3歳の誕生日。
でも、その前日から熱が出て、今日やっと平熱に。

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今朝は水を蓮鉢に足すのをお手伝い。

誕生日の翌日に蓮が二輪咲いた。
でも、蓮は2歳から3歳に。

そんなこともあって、昨日注文した蓮がもう一種類届く。

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今度の蓮は黄花ハス。

大きな葉っぱに大きな蕾。
どんな花を咲かせてくれるでしょう。

息子の蓮は、今は何色か分からないけど、『阿弥陀経』の「青色青光、黄色黄光、赤色赤光、白色白光、微妙香潔」のように、自分の持って生まれた色で、そのままの光を放って欲しい。それが親としての願いでしょうか。

「蓮」といえば、

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実はこれ、アルザス地方のワイン、JOSMEYERの「蓮」。

アルザスワイン特有の花のような香、フルーティな味わいの白ワイン。
今日のような暑い時、キリッと冷やして飲むのに最適。
オリエンタルな印象を与えるということで、「蓮」と名づけられたのだそう。

そういえば、何となくライチを感じさせる。

ライチといえば、蓮の鉢に泳いでいるメダカの名前の由来となった「楊貴妃」が好んだと言われる果物。
いろんなことでつながった。ホントにご縁である。

『家庭画報』5月号に本願寺

4月17日(日)

昨日、妻が美容院でたまたま婦人雑誌『家庭画報』(世界文化社)を見たら、本願寺の書院が載っていて、写真がすごく綺麗だったと聞き、さっそくAmazonに注文。

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それが今朝届いた。

「荘厳の華 西本願寺」と題し、本願寺の書院(国宝)が99~111頁にわたって紹介されている。

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得度式の翌日、雪の舞うなか鴻の間でお斎をいただいたこと、本願寺の学階を取るための試験「殿試(でんし)」を受けた東狭屋の間など、ふとその時のことを思い出す。

家庭画報サロン会員向けに、書院特別拝観と「菊乃井」本店での昼食プランもあるそうだ。

この『家庭画報』も売上の一部が日本赤十字社を通じて義援金となるそう。

願 ともにがんばろう

4月13日(水)

今日、発注していた缶バッジが届いた。

1ヶ月前の東日本大震災。
お寺で義援金は募っているものの、ほかにお寺としてできること。
それをいろいろ考えて・・・、たどり着いたのは伝えること。

お寺は伝道の道場、そして聞法の道場である。

それを形に示すため、缶バッジを制作してみた。

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」の一字。
そして、「ともにがんばろう」のメッセージ。

この「願」の字は、親鸞聖人の真筆聖教よりいただいた。

「願」の右側には読み方を表す「クワン(がん)」、左側には意味を表す「子カフナリ(ねがうなり)」と書かれている。

この「願」は、私たちの願いではなく、阿弥陀仏の願い。

阿弥陀仏の願いをこころにいただく。
それが信心であり、それを形にしたのが念仏「南無阿弥陀仏」である。

親鸞聖人は、まず信心をいただいて念仏を称え、「世のなか安穏なれ 仏法ひろまれ」と願うのがよいでしょうと手紙のなかに記された。

阿弥陀仏の願いをこころにいただいたら、このたび被災された方々の心に寄り添い、ともにがんばろう。そんな思いからこの缶バッジが生まれた。

「その気持ちをカタチに」

この言葉が話題になっているということは、今カタチにすることが求められているということ。

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このバッジ。

近々総代・世話係の方にまずお配りしよう。

そして、このバッジをつけたいと思われる方に永代経法要等でお配りしよう。

それから6月に親鸞聖人750回大遠忌法要にお参りするとき、これをつけて参拝しよう。

4月9日から本願寺では大遠忌法要がはじまった。

このたびの法要は、

すべての被災された方々の悲しみに寄り添い思いを分かち合いたいとの願いを持って、4月9日より親鸞聖人750回大遠忌法要をお勤めいたします。

と、御門主様の言葉に示されるように、願いをいただき、願いをもってあうご縁である。

親鸞の歩き方

3月25日(金)

本日発売の「親鸞の歩き方」

Amazonで予約していたのが届いた。

この本を出版したのはダイヤモンド社。
地球の歩き方シリーズで知られる出版社である。

親鸞聖人の御旧跡を中心とした京都のガイド、そのほか津本陽・吉本隆明・三國連太郎が親鸞聖人のことを語っているので、関心のある方はどうぞ。

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涅槃会

2月15日は涅槃会(ねはんえ)

お釈迦様がお亡くなりになった日だが、旧暦であるため、3月15日にするところもある。
京都の禅宗の寺院で、大きな涅槃図を掲げているのをよく見に行ったものだ。また、嵯峨野にある浄土宗の清涼寺では、大きなたいまつを燃やすお松明式が3月15日に行われる。

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これはお釈迦様を荼毘に付す様子を表しているそうだが、古来よりその燃え方でその年の稲の吉凶を占っていたのだそう。五山の送り火、鞍馬の火祭と並び、京都の三大火祭に数えられている。

浄土真宗では、特別涅槃会をつとめないが、蓮如上人は『御文章』二帖第四通の結びに、

文明六、二月十五日の夜、大聖世尊(釈尊)入滅の昔をおもひいでて、灯の下において老眼を拭ひ筆を染めをはりぬ。

と記している。
得度して法名に「釋」の一字をいただいた者として、この日は釈尊入滅をしのぶ大切なご縁である。

0819                  インド アジャンタ石窟寺院

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                                     伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)
                                    『果蔬涅槃図
(かそうねはんず)
                                             (京都国立博物館蔵)

ダーナの日

今日はダーナの日

昭和40(1965)年5月、ニューヨークで開かれた第2回世界仏教婦人会大会で、「よろこんでほどこしをしましょう」と、浄土真宗本願寺派世界仏教婦人会連盟が、毎年2月の第2日曜日をダーナの日と定め、全国の仏教婦人会が足並みをそろえ、ほどこし(募金活動)をすることになった。
専徳寺も仏教婦人会の皆さんのご協力で、毎年募金活動を行っている。

ダーナとは古代インドの言葉で、「布施」を意味する。

昨年2月、呉東組の若婦人仏教連続研修会で、グループディスカッションを担当した。
「仏教婦人会会員として何ができるか」と題し、ダーナのこと、「無財の七施」(何もなくてもできる施し)のことを簡単に説明し、それをもとにディスカッションしていただいた。Muzai_1

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最初に無地のハガキ用紙両面に印刷した資料を配る。
実は、この資料がそのままグループ分け、司会、まとめの発表者を決めるものとなっている。
ダーナのタイトル部分を緑・青・赤・黄に色分けしたもの作り、それを裏返したまま配る。そして、それぞれ自分のもらった紙の色で4班に分けた。

のあと、グループごとに自由に座ってもらったところで、「実は、各色のタイトルのところに1枚だけ仏さまの絵が入ってます」と、その方に手を挙げてもら
う。その方は渋々手を挙げるが、その仏さまの左に座っている人が司会、右に座っている人が発表者というと、一気に場が盛り上がる。

なかなか、この方法は評判が良かった。そのせいかどうかは定かでないが、熱心にディスカッションが行われた。
そして、最後に班ごとにまとめの発表をしていただいたが、一番印象に残っているのは、

無財の七施をみんなで一つ一つこんなことを言うのかなぁと確認をしていると、日頃出来ていないということに気づかされました。

こんな答えが返ってきた。「気づかされる」、これは大切なことだと思う。

親鸞聖人は、自らの信心をいただいたら、今度は「世のなか安穏なれ、仏法ひろまれ」と願うばかりだと手紙の中でおっしゃられた。
自らが如来の大悲にいだかれたら、今度は世のなかのことに目を向けさせていただこう。できることからさせていただこうというのが、「ダーナの日」である。

願以此功徳 平等施一切 同発菩提心 往生安楽国
(願うことなら、この仏さまの功徳をもって、平等にみんなに施され、同じように浄土に生まれたいとの心をもち、浄土へ一緒に往生させていただきましょう。)

MILK (乳)

先日、大阪在住の学友塚田氏から1冊の冊子が送られてきた。

法蔵館の「ひとりふたり・・」という施本(小冊子)で、そのなかの「真宗をめぐる人々」に寄稿している。

「カルピス」誕生物語

乳酸飲料の「カルピス」について書かれてあった。
カルピスは、三島海雲(みしまかいうん)という人が生み出したもので、三島海雲は大阪府箕面市「教学寺」の出身。塚田氏のお寺である。

カルピスの語源は、「カルシウム」の「カル」と、古代インドのサンスクリット語「サルピス」の「ピス」を合わせた造語だそうだ。
サルピスとは、熟酥味(じゅくそみ)
『涅槃経』に、乳のたとえが用いられ、牛乳を精製する過程を(にゅう)(らく)生酥(しょうそ)熟酥(じゅくそ)醍醐(だいご)の五味(ごみ)に分け、牛からしぼられた牛乳は、次第に熟成されて最高の美味、「醍醐味(だいごみ)」となる。お釈迦さまの説かれた教えも熟成され、お釈迦さまが最後に説かれた『涅槃経』は最上の教えであると説かれているところに由来する。

三島海雲は、最初「醍醐味」という乳製品を製造販売するが、採算が合わず断念した。その「醍醐味」の製造過程に残ってしまう脱脂乳から、カルピスが生まれたのだそうだ。

《参考》カルピス

乳製品では、めいらくグループの「褐色の恋人スジャータ」も、お釈迦さまに乳粥をさしあげた女性スジャータに由来するのは有名な話だ。

そして、この広島にはチチヤスという乳業会社がある。

このチチヤスは、明治時代に安芸門徒 野村保氏等が、仏法をひろめるために作った闡教部(せんきょうぶ)という組織がある。その闡教部が光道館私立小学校(現在の光道会館)を設立し、その事業資金のために作った広島ミルク会社がその始まりだそうだ。

《参考》チチヤス

また、広島で初めて作られた銀行、広島商業銀行(のち芸備銀行)も、闡教部の活動資金を確保するために作られた。

《参考》芸備銀行塚本町支店

チチヤスの話は以前聞かせていただいたことがあるが、カルピスのことを知り、改めていろいろ知る機会をえた。なにごともご縁である。感謝[E:confident]