浄土の蝶

8月3日(日)

暑い暑い8月の土日を終えた。

昨日は安芸高田市で40℃。
広島で観測史上最高の気温だとか。

蓮如上人の『御文章』2帖目第2通に、

それ、人間の五十年をかんがへみるに、四王天といへる天の一日一夜にあひあたれり。またこの四王天の五十年をもつて、等活地獄の一日一夜とするなり。これによりて、みなひとの地獄におちて苦を受けんことをばなにともおもはず、また浄土へまゐりて無上の楽を受けんことをも分別せずして、いたづらにあかし、むなしく月日を送りて、さらにわが身の一心をも決定する分もしかしかともなく、また一巻の聖教をまなこにあててみることもなく、一句の法門をいひて門徒を勧化する義もなし。ただ朝夕は、ひまをねらひて、枕をともとして眠り臥せらんこと、まことにもつてあさましき次第にあらずや。しづかに思案をめぐらすべきものなり。このゆゑに今日今時よりして、不法懈怠にあらんひとびとは、いよいよ信心を決定して真実報土の往生をとげんとおもはんひとこそ、まことにその身の徳ともなるべし。これまた自行化他の道理にかなへりとおもふべきものなり。あなかしこ、あなかしこ。
  時に文明第六、六月中の二日、あまりの炎天の暑さに、これを筆にまかせて書きしるしをはりぬ。

「あまりの炎天の暑さに」と、御文章をお書きになっている。
人間の50年は四天王の天の一日一夜。この四天王の50年が等活地獄の一日一夜だそう。

地獄に墜ちたら、今の何倍もこの炎天の暑さを味わうことになるのに、いまをむなしく過ごしていていいのかと。

 

暑くなると、これは現実だろうか?幻だろうか?と思うようなことも。

午後4時からの今日最後の御法事。
本堂の温度計は31℃超え。
お内陣は扇風機を回しても、それよりもっと暑く感じる。

汗をかきながらおつとめをしていると、お内陣の中をクロアゲハが舞っている!!

これは幻覚?

後からお内陣の映像を見返すと、確かにクロアゲハが。

 

お浄土の六鳥は『阿弥陀経』で知られるけれど、蝶はお浄土に?

そう思って調べたら、京都国立博物館のWebに『極楽浄土と蝶』という読物が。

『極楽浄土と蝶』よみものWeb(https://www.kyohaku.go.jp/jp/learn/home/yomimono_data/0125/)

舞楽の蝶鳥の舞手らは、法会において衆生を仏の浄土へと繋ぐ伝供の役割を担う。日本においては蝶も仏の世界へと導いてくれるはずなのである。

地獄・餓鬼・畜生のない世界、お浄土。

お盆をご縁に、蝶が導いてくれた。

 

昨日つぼみが膨らんでいた風蘭が一つ花咲く。

 
 
 
 
 
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ちょうどNHKの大河ドラマで『べらぼう』を放送中だが、ちょうどその時代、富貴蘭としてもてはやされた花。

ほんのりと香も。

明日あたり、他のつぼみも開けば、香ももっと感じるかな。

香に誘われ、導かれ。