石泉文庫虫干し法座 4日目

7月15日(水)

心配された天気も、今日は青天。

朝席で今年の石泉文庫虫干し法座も御満座。

 

朝席は、苦しみの原因は煩悩とのお話より。

阿弥陀さまは、そのまんまを救うと願われた。

煩悩をきれいに除いてからではなく、そのまんまで。

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朝席が終わると、みんなで石泉文庫まで本を運ぶ。

人数が少ないため、何度も往復して。。。

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この細い道を。。。

 

「無理のないように運んでください」とはいったものの、先日手伝ってくれた小学生の7倍も8倍も歳を重ねたみなさん。

少々無理をしなければ、この道程は歩けない。

杖をつきながら、息を荒げながら。

それでも、「今年も運ばせていただいた」と、よろこんで。

 

念仏を称えよ。念仏を中心とした報恩の営み(生活)を。

石泉和上の教えが残っている。

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先日の研修会で、「□に子と書いて、何と読むと思いますか」との話を聞かせていただいた。

□に子と書いて「母(はは)」と読むんです。親鸞聖人はこの字を書いています。

人間の母親のお腹で育てられ、生まれてくるから人の子が生まれるんです。

仏さまにお育ていただいて、生まれるから仏にならせていただくんです。

 

その話をふと思い出し、御本典を開いたら、ホントだ。

ちゃんと母の字に「子」が書いてある。

Haha

お育ていただいて、みんな仏とならせていただくんだな。

 

ようこそのお参りでした。

台風が近づいているようなので、どうぞお気をつけて。

石泉文庫虫干し法座 3日目

7月14日(火)

広島市では大雨・雷警報が発令されたそうだが、このあたりは青空のひろがる天気。

今日も朝席が終わると、昨日石泉文庫から運んだ経典の残り半分を虫干し。

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昨日は広南小学校6年生も手伝ってくれたので、たくさんの賑わいだったけど。。。

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こんなにたくさんあるけれど、今日干したので石泉文庫蔵書の約4分の1。。。

 

よく乾いた本を、4時からみなさん集まって片付け、そして夜席を迎える。

ロープがなくなって広々と。

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このたびのご縁では、なぜ人は苦しむかということを、いろいろお聞かせいただいた。

 

PEACEおりがみの折り鶴も、次々と折って持ってきてくださった。

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みんな、平和を願ってる。

ようこそのお参りでした。

石泉文庫虫干し法座 2日目

7月13日(月)

今朝3時前、大分県南部を震源地とする地震があり、呉市(安浦)は震度4だったそう。

まったく気づくことなく、起きて呉市防災情報メールで初めて知る。。。

 

心配された雨も降らず、朝席が終わると、石泉文庫から専徳寺へと蔵書を運ぶ。

今年も広南小学校の6年生が地域学習の一環としてお手伝い。

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そのあと、干された経典の下で石泉文庫の話を。

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石泉僧叡和上も、宇都宮黙霖も、このたくさんの本に恵まれた。

そして、この本を200年以上、虫干しを続けてきたたくさんの人がいるから、今もこうしてきれいなまんま。

今日はその一人にみんなも仲間入り。

 

午後から雨がパラパラと。

午後4時から、干した本を片付けて、目録と照合作業。

 

夜席では、何故仏教を求めるかというお話より。

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ふと思い出したのが、昨夜の『情熱大陸』という番組のなでしこジャパン特集。

FWの大儀見選手が、「自分を単語一語で表現してください」と、辞書を手渡された。

そして、答えたのが「植物」。

「植物って結局太陽の光だったり、水だったり、酸素だったり、二酸化炭素だったり、そういういろんなものがないと生きられないじゃないですか。

それと一緒で、自分も誰かに助けられないと生きていけない」

と。

続いて、今回のチームを単語一語で表現してくださいと問われた答えが、「万華鏡」。

「1試合、1試合、見え方ってずいぶん変わっていたと思うし、その中に個人個人の彩りが必ず輝きを放っていたし、見る人によって輝きが見え隠れする魅力的なチームだった」

と。

勝ったり負けたり、いろんなご縁がととのって。

 

小学校6年生もPEACEおりがみを持ち帰って、休憩時間に一生懸命折り鶴を作ってくれたそう。

でも、折り鶴の完成品は。。。

どうやら、折り鶴の折り方を今の子どもたちは知らないらしい。

それでも、一生懸命チャレンジしたあとがいっぱい残っていたので、それがとっても嬉しい。

少し手直ししたら、ちゃんと折り鶴に。

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ようこそのお参りでした。

明日もお誘いあわせてお参りを。

石泉文庫虫干し法座 1日目

7月12日(日)

今日も蒸し暑い一日。

昼間はセミの声、夜はカエルの声。

 

今夜から石泉文庫の虫干し法座。

昼から総代のみなさんが集まって、虫干し用のロープ張り。

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本堂の端から端へ、ロープを張っていく。

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張りすぎてもダメ、緩すぎてもダメ。ちょうどよい張りに。

 

このたびの御講師は、呉市本通法眼寺の黒田順真師。

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今年は大忙しの広島雅楽会での話から。

緊張して、不安で眠れない時はどうしたらよいか。

それは、「あきらめる」ことだそう。

 

「あきらめる」とは、漢字で書くと「諦める」。

仏教で、「諦」とは真理。

「あきらめる」とは、あんまり良い意味で使われないけれど、ピーンと張り詰めた紐をフッと力を抜くと、不安で戸惑う我が身に気づくかな。。。

 

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本堂にPEACEおりがみを。

平和への願い。折ってみませんか。

 

明朝、石泉文庫から本の搬出。

今年も広南小学校6年生がお手伝い。

雨が降らなければ良いけれど。

 

ようこそのお参りでした。

仏教婦人会法座 3日目

6月24日(水)

今朝、仏教婦人会法座が御満座。

親鸞聖人像の前の蓮、“桃一重蓮”の花が少し開いた。

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蓮が咲くと、金子みすゞさんの『蓮と鶏』を思い出す。

 蓮と鶏

泥のなかから
蓮が咲く

それをするのは
蓮じゃない

卵のなかから
鶏が出る

それをするのは
鶏じゃない

それに私は気がついた
それも私のせいじゃない

 

今朝の席では、“私”はつながりのなかで存在しているという話から。

 

阿弥陀さまは、「普放無量無辺光」(正信偈より)。

境目なく願いをかけてくださっている。

でも、私たちの世界は、どこにでも境目を作ってしまう。

それが、当たり前、そうあっても仕方がない、そんな世のなかにしてしまっている。

阿弥陀さまのようにはなれなくても、その願いのなかで少しでもその心をいただいたら、世のなかが少しくらい変わるかな。。。

 

ようこそのお参りでした。

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明日にはもっと開くでしょう。

2015年6月24日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku

仏教婦人会法座 2日目

6月23日(火)

昨日に続いて、朝席・昼席・夜席と仏教婦人会法座。

「いま遇う」ご縁をいろいろと。

 

昼席では、相田みつを氏の『そのうち』を紹介してくださって、ほんとだねぇ。。。と。

そのうち

そのうち お金がたまったら
そのうち 家でも建てたら
そのうち 子どもから手が放れたら
そのうち 仕事が落ちついたら
そのうち 時間のゆとりができたら

そのうち・・・・・・・・・
そのうち・・・・・・・・・
そのうち・・・・・・・・・ と

できない理由を
くりかえしているうちに
結局何もやらなかった
空しい人生の幕がおりて
顔の上に 淋しい墓標が立つ

そのうち そのうち
日が暮れる
いまきたこの道
かえれない

 

ほんとだねぇと思いながらも、すぐに「そのうち そのうち」って。。。

それでも、こうしてご縁に遇い、そんな自分に気づかせていただいていることに、ただただお念仏。

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これまでのいっぱいのおはたらきがこの今に届いてる。

ようこそのお参りでした。

2015年6月23日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku

仏教婦人会法座 1日目

6月22日(月)

夜席から仏教婦人会法座。

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夏用の蓮の柄の打敷を掛け、境内にも蓮を。

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こちらは火花。

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そして、桃一重蓮。

週末あたりに咲くかな。。。

 

このたびの御講師は、

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安浦 信楽寺の広幡康祐師。

 

「法をよりどころとした歩みを」とのお話。

歴史に学ぶことも大切ではあるけれど、立ち位置によって良くも悪くもなることは、どの世界にもよくある話。

来週末に行われる法要を前に、いま一度。

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ようこそのお参りでした。

明日もお誘いあわせてお参りを。

2015年6月22日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku

永代経法要 3日目

5月27日(水)

朝席で御満座。

永代経と併せて、前住職の三回忌と前々住職の五十回忌をみなさんと一緒にご縁にあいたい。

いつもは午前7時30分から始まるのを、午前10時からに変更して。

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昨日の夜席が終わった後、御講師部屋で昨日の『蚊が0プロジェクト』の話をしたら、大変興味深く聞いてくださって、今朝のご縁で早速『長浜郷土誌』の巻頭あいさつに触れてくださった。

 山の中腹にある母の墓に詣でるごとに、私はじっと長浜の町を見下ろします。青い静かな港、2つのお寺を中心に波のようにひろがった屋根の光、こんな美しい町が自分の郷土かと思うと、私はしばしうっとりさせられるのです。そして墓地の上がり下がりの狭い急坂と石段の道、家と家が重なり合い、右に左にいくつも分かれ、映画「ペペ・ル・モコ」に出るモロッコの町に似た、怪奇な美しい坂道を、私は、またこよなく愛します。
 この町に黙霖が生まれ、石泉が法を説いた必然性が、この美しさと怪奇さのうちに含まれているかどうか、私にはわかりません。しかし、心の美しい変わり者が生まれ出る必然性は充分ありそうです。そして後に生を受けた私どもが、この二人の美しい変わり者を、あの迷路のような坂道と同じに愛するのも、また不自然ではないと思われます。いや、この二人だけでなく、私ども長浜の子のすべてが美しい変わり者であり、それ故に慈しみあっているのかもしれません。(中略)すぐれた味覚は、著名な料理店でのみ得られるのではなく、至る所の家庭の台所で生み出されているように、すぐれた生命も、有名人のうちにのみ生きていないで、無名の民衆の生命によってつくられているのです。
 つい最近の数ヶ月に、長浜の民衆は全国に先駆けて、「蚊とハエのいない町」をつくりあげました。民衆の英知と努力のうんだ立派な文化であり、郷土史の上に輝く1ページであります。有名人や権力者を何人出したことよりも、私はこのような民衆の見事な仕事の上に、郷土の誇りを感じます。それは何よりも町の人々全体が美しい変わり者であることを如実に物語っているからです。

これは、当時の松本賢一呉市長の寄せたことば。

「美しい変わり者」

長浜の中にいると、それが「当たり前」になっていることが、実は外から見ると、とっても「有り難い」ことであったりするのだそう。

「土徳」

突然降って湧いたものでなく、昔々から受け継がれてきたご縁がととのったもの。

 

今席では笑いの中に、癌で亡くなられたお子さんと両親の話を聞かせていただき、「幸せ」の意味を改めて。

 

後片付けとか、今日一日のすべてが終わり、夕方、この市長の歩いた坂道を登ってみた。

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久しぶりに登ると、登ってる間は、何とも細くてきつい坂道だなとつくづく思う。

でも、登って振り返り、この長浜の眺めを見た時、この眺めがあるから、ここに墓を建てて登ってきたのだろうな・・・と。

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そして、帰りの下り坂。

この道をこれまでどれだけの人がいろんなことを思い、往来されたのだろう・・・と。

 

誰もが、こんな険しい坂道のない方がいい。面倒なこともなく、楽な方がいい。と、思うだろう。

でも、そこに何の「よころび」を味わうご縁もないかも・・・。

 

永代経法要 と 前住職と前々住職の法事。

暑い中、たくさんのお参り、ありがとうございました。

 

 

5月29日(金) 広南中学校で、科学部(蚊が0PROJECTチーム)発足記念講演が開かれる。

講題『蚊の研究をすすめる君たちへ』

蚊の研究の第一人者 池庄司敏明先生(元東京大学農学部教授)をお招きしての講演。

何と、この方も長浜出身。

興味のある方は14時から15時まで、どうぞご来校を。

 

2015年5月27日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku

永代経法要 2日目

5月26日(火)

昨日に引き続き、永代経法要。

今日も笑顔、笑顔のご法話。

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「一切の生きとし生けるものは、幸福であれ、安穏であれ、安楽であれ」

               (中村元 訳『ブッダのことば』)

笑顔は人間と一部の霊長類のみが持つのだそう。

犬や猫が笑っているように見えたりすることもあるけれど、それは笑顔ではない。

それから、人間は共感できる。

でも、最近は笑顔が消え、共感できない時代に・・・。

笑顔とお念仏。伝えていきたいなとのご縁。

 

今日は夕方、広南中学校へ。

科学部(蚊が0(くう)研究プロジェクトチーム)発足式があり、科学部の生徒と科学部顧問の先生、そして3名の地域顧問が参加。

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その地域顧問の一人として出席。

昨年、学園内で始められた蚊が0研究。

今年は地域にもその輪を拡げていこうと。

 

戦後、「蚊やハエのいないまちづくり」に取り組んで、専徳寺前々々坊守の大洲昌子会長のもと、衛生協力会が中心となって行い、成果を上げ、厚生大臣賞をはじめ、いろんな表彰を受け、全国各地より視察に来られた。

その表彰式の前に、蠅供養として法要が営まれている。

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その時の弔辞、

 地上に生存するありとあらゆる生物で、我らに益するものならば、共に生を楽しみたいのは、やまやまなれど、残念ながら君たちハエ族は、ことごとく我らを苦しめ、うるさくたかって不快を与えるばかりでなく、チフス菌、赤痢菌などなどあまたの伝染病を配布して困らせ、危険におとしいれるなど誠に許すべからざる行いをしている。
 どうか、ハエ族よ、我々人間を恨むことなく、ハエ族としてこの世に生を受けたる因果を自覚していただきたい。今後は尊い仏縁に恵まれて、人間に愛されるものに生まれ変わり、再び、相まみえんことを衷心より祈念する。
 きみら二百万のハエ族は、最初の犠牲者だが、我らは今後もハエ族を絶滅させねばならない。願わくばハエ族の霊魂よ。この理由を聞き分け、今日の供養に歓喜して、もって瞑目せよ。
        (長浜郷土誌〈長浜小80周年記念誌〉より)

表現としてはいろいろ思うところもあるけれど、人間、そして蚊やハエ、「いのち」「いきる」ってことを考えさせられる。

 

その時の法要の導師をしているのが、

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前々住職。

明日はその前々住職五〇回忌と、前住職の三回忌を併せておつとめ。

 

どうぞ、お誘いあわせてお参りを。

2015年5月26日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku

春季彼岸会 3日目

4月1日(水)

少し雨のぱらつく朝。

今朝で彼岸会も御満座。

 

今朝の法話の中で、ハシノク王とマツリカ妃の話を聞かせていただいた。

コーサラ国のハシノク王がマツリカ妃に、「世のなかで何が一番いとおしいか」と尋ねたら、「自分が一番いとおしいです」と答えた。また、妃も王に同じことを尋ねると、「自分だ」と答えた。

そこで、その答えでいいのだろうかと、お釈迦さまに尋ねると、「その通りである。いのちあるもの、すべて自分が一番いとおしい。だから、人もまた自分と同じように自分をいとおしいと思っていることに気づかなければならない」とおっしゃられた話。

 

法座が終わり、本堂のカレンダーが4月になっていないことに気づいてめくると、

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「それは私自身」と。

 

今遇っているご縁は、一般論、他人事でなく、私自身のこと。

遠い遠い昔から私を・・・と。

 

ようこそのお参りでした。

2015年4月1日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku