春季彼岸会 3日目

3月26日(火)

今日の朝席で春季彼岸会も御満座。

今日は『歎異抄』の踊躍歓喜のこころが起きないという唯円房の問いの話。

そのなかで、「死に方」についてのお話を聞かせていただいた。

 

今はあんまりこんな表現を用いないかも知れないが、「畳の上で死にたい」ということばをよく聞いた。
それから、「あんな人、ろくな死に方をしない!」ということばも。

「死に方」というのがよく問われるが、浄土真宗では死に方は問わない。
臨終が大切なのではなく、今(平生)。

仙厓和尚の辞世のことばは「死にとうない」であったと。

『歎異抄』に、

なごりをしく おもへども、娑婆の縁尽きて、ちからなくしてをはるときに、かの土へはまゐるべきなり。

この“いのち”が愛おしいと思う気持ちがあるから、「名残惜しく」いそぎ浄土に参りたいという気持ちが湧いてこない。

 

ただ、浄土があるからこそ、いつ、どこで、どんなかたちで“いのち”尽きたとしても、この“いのち”を生き抜くことができるのではなかろうか。

彼岸とは遠い彼方ではなく、今を生きて向かっている方向に。
生きているいのちを大切に。

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ようこそのお参りでした。

2013年3月26日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku

春季彼岸会 2日目

3月25日(月)

ソメイヨシノもチラホラと咲き始めた。

今日も昨日に引き続き、彼岸会2日目。

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朝席と昼席は慈悲の話を聞かせていただく。

凡夫の慈悲は小さな慈悲。

小慈小悲もなき身にて
有情利益はおもふまじ
如来の願船いまさずは
苦海をいかでかわたるべき

でも、親鸞聖人はご和讃のなかで、その小さな慈悲さえも持てない私であると。

 

 

広南小学校の送別式があったので、朝席が終わったら早速学校へ。

長男がお世話になった担任の先生が郷原小学校へ転任。
「ありがとうソング」でお別れ。

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それが終わると、山口から龍谷大学と山口県立大学の先生が石泉文庫に。

宇都宮黙霖をはじめ、同時代の勤王僧月性、大洲鉄然等を調べているとのこと。

 

また、昼席の後は、石泉文庫を教育委員会から視察。
建物の傷みがひどくなったが、県の史跡のため、どこまで補修が出来るか、総代さんを交えて見ていただく。

 

そして、夜席。

バタバタした一日だったが、夜席は丸の内で開かれた寺カフェに生け花で参加した時の話を聞かせていただいた。

そこで、評判だった法話が十牛禅図だったということで、その話。

何とも謎解きのような宿題のような、でも考えさせられる話。

 

明朝が御満座。
ようこそのお参りでした。

2013年3月25日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku

春季彼岸会 1日目

3月24日(日)

今日の夜席より、春季彼岸会。

御講師は、和庄の明法寺 熊谷普門 師。

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初めてのご縁をいただいた。

今晩は「二僧巻簾」という禅僧の話から、「諸法実相」について聞かせていただく。

また、聴聞の心得は、「虚往実帰」だと。

 

私たちは先入観をもってしてしまうことが多い。
また、優劣を付けて物事を見てしまう。

そこが、凡夫の眼と仏の眼の違いという話。

 

『専徳寺報 念佛日和』を世話係の方に配っていただいて、早速その礼状が届いた。
そこに、

寺に参れぬ母も喜んで何度も見ております。

と記されているのを見て、ハッとする。

寺報を出すとき、こちらは寺に参ってご縁にあっていただきたいという思いをもって法座のご案内をしたのが、事情があって参りたくとも参れぬ方もいる。

凡夫の眼。

仏さまの眼には到底なれないだろうが、そのことに気づくことが大切なことかな。

ようこそのお参りでした。

 

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2013年3月24日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku

御正忌報恩講 3日目

1月16日(水)

晴れてはいるが、冷たい朝。

今日の朝席で、当山専徳寺の御正忌報恩講も御満座。

親鸞聖人のご命日。
何とか声も持ちこたえ、終えることが出来た。
これで、秋のお彼岸明けから1年の3分の1を費やして続いてきた報恩講が、おかげさまで一段落。

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ホッと一息つきたいところだが、そんなときに襲ったのが阪神淡路大震災(1995)。

御正忌明けの1月17日の朝を思い出す。

 

明日は石泉文庫の防災訓練。

1月26日が第59回文化財防火デー

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それに先だって、呉市では一番最初に開かれる防火訓練。

今回、初めて広南小学校の3年生が参加。

ちょうど社会科で、昭和46年(1971)4月27日に発生した呉市山林火災(大張矢山林火災)のことを勉強中。

長浜の方を含む18名の消防士が亡くなられた、戦後史上もっとも痛ましい山林火災。

 

そのことを学んでいる児童たちが、明日の訓練に参加される消防士の方々の姿をどのように感じるのだろう。

ご用心、ご用心。何ごともご用心。

2013年1月16日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku

御正忌報恩講 2日目

1月15日(火)

今日はおたんや。

「おたんや」とは、「大逮夜(おおたいや)」が訛ったことば。

「逮夜」とは、もともと亡くなった日(命日)の前夜を指すようだが、親鸞聖人の月命日(毎月16日)の前夜を「逮夜」、祥月命日(1月16日)の前夜を「大逮夜」と呼ぶようになったところから、「おたんや」と呼ばれるように。

 

夜席には、大晦日に使った蓮のキャンドルを親鸞聖人像の前にお供え。

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このたびのご縁で拝読している『御俗姓』に説かれている

かの御恩徳のふかきことは、迷盧八万の頂、蒼溟三千の底にこえすぎたり

「迷廬八万(めいろはちまんの頂」とは、とても高い山の山頂。「蒼溟三千(そうこうさんぜん)の底とは、とても深い海底。

それだけのご恩に報いていく「報恩」、その意味をうかがっていく。

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夜席は中休みをいただいてぜんざいを。

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そして、『御伝鈔』を拝読。

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すべてを拝読することは出来ないので、上下巻より2段ずつ。

このたびは先日の住蓮寺でのご縁、『弁円のなみだ』にあやかり、読ませていただいた。

 

その後、後席をつとめる。

今日は朝から法座・葬式・法座・還骨・通夜・法座と声を出しっぱなし。
終わる頃には喉がパンパンに。

明日の朝席で御満座。

お寒いなか、ようこそのお参りでした。

2013年1月15日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku

御正忌報恩講 1日目

1月14日(月)

今夜から当山専徳寺の御正忌報恩講。

成人の日で世のなかは祝日。
長浜から広へ向けての峠から見えるのは雪化粧した灰ヶ峰。

朝から法事、葬式、御正忌の準備、通夜と終えて、慌ただしく報恩講に。

通夜へ行く途中、いつもの場所で久しぶりにタヌキとにらめっこ。
病気なのか、地肌が見えるくらい毛が抜けていた。
これからますます冷えそうなので、大丈夫かな。

 

今夜は寒いなか、たくさんのお参りをいただいた。
『御俗姓』を拝読してのご縁。

明後日の朝席まで、お誘いあわせてお参りを。

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2013年1月14日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku

仏教壮年会法座 3日目

11月22日(木)

今日の朝席で今年最後の法座、仏教壮年会法座が御満座。

このたびのご縁は、今年の宗門のポスターに書かれていたスローガン、『本願に遇えた喜びを行動に』より。

願以此功徳 平等施一切 同発菩提心 往生安楽国

行動に移すことは、“みんな一緒に”というこころ。
ひとり喜ぶだけでなく、ともに・・・。
そんな世のなかとなりますように。

ようこそのお参りでした。

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法座が終わり、今日は胡子地区の報恩講。
下から寺の黄色く色づいたイチョウが見える。

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昔のイチョウを知る方によると、このイチョウはもっともっと高さのある木だったと。

 

このイチョウの葉。
調べてみると、認知症などの脳障害の予防、アトピー性皮膚炎の改善、糖尿病予防、高血圧予防などなど、大変な効能があるのだそう。

石泉文庫の蔵書を虫干しするとき、茶色くなったイチョウの葉がヒラヒラと本から舞い落ちることがある。
イチョウの葉を挟むことで、防虫効果も?

来月2日が仏教壮年会の境内清掃。
それまでに全部散ることはないかな・・・。

2012年11月21日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku

仏教壮年会法座 2日目

11月20日(火)

仏教壮年会法座、2日目。

昨夜は清誓寺前住職 土肥煌峰師、今朝から現住職 土肥泉州師が御講師。

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朝席が終わり、西光寺前々住職の葬儀に。
呉東組法中、色衣・七条袈裟の礼装で。

お天気の良いなかでの葬儀で何より。

法座では、昨夜の前住職は「必」というキーワード。
そして、今夜の現住職は「即」。

親子でのお取り次ぎをいただくことはそうないので、お互いの味わいを興味深く聴聞させていただいた。

 

明日の朝席で御満座。
お誘いあわせてお参りを。

 

それから、今日ご案内をいただいた。

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広地区自治会連合会・地域に根ざす健康づくり事業の「ウォーキング大会」のお知らせ。

このたびは“長浜史跡めぐり”。

2012年11月20日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku

報恩講法要 第3日目

10月16日(火)

今朝は早くからお斎の準備。

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昨日作ったお煮染めのパック詰め。
そして、おむすび。

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用意されたのはおむすび3個と煮染めが約1000パック。

法要にお参りできない方も、この日はこのお斎をいただく。

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そして、広南小学校2年生のみなさんが、長浜の郷土料理“うどん豆腐”作りの見学に。

初めて見る地元の光景にどんなことを感じただろう。

 

昼席で御満座。

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善通寺住職を導師に迎え、住蓮寺・広真光寺・呉専徳寺の御法中とともに法要が勤まる。

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ご法話のなかで、昔は学校で解剖をしたあと、その生きものを校庭の片隅に埋め、花を供え、御講師はお経をとなえたと聞かせていただいた。
そういうことから“いのち”の大切さを身につけたのだと。

今はどうだろう。ビニール袋に入れられ、ゴミと一緒に・・・?

それはどうかわからないが、今日長男 碧流が学校へ行くと、友だちからお経を唱えて!といわれたのだそう。
理由を聞くと、朝タヌキが死んでいたからだと。

まだまだ、今の子どもたちも“いのち”を大切に感じてる。

 

いのちのつながり、人と人のつながり、いろんなことに気づかせていただくご縁。

“おみがき”からはじまり、今日のお斎。
御満座までたくさんの方にお手伝いをいただいた。
多くの方に感謝、そしてずっと受け継いで伝えてくださった方へも感謝。

ようこそのお参りでした。

2012年10月16日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku

報恩講法要 第2日目

10月15日(月)

報恩講法要2日目。

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朝席が終わると、明日のお斎(とき)のための準備。
煮染めがどんどん作られる。

昼間は暖かいが、夜になると冷え込んできた。


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今夜は逮夜。

200年前の550回大遠忌の時にお迎えした御絵伝を前に『御伝鈔』も拝読。

 

今日は、親鸞聖人の御生涯を通して、いろんなお話を聞かせていただいたが、最後に出てきたのが七仏通誡偈の話。

諸悪莫作 (もろもろの悪を作すことなく)
衆善奉行 (もろもろの善を行い)
自浄其意 (自らそのこころを浄くす)
是諸仏教 (これがもろもろの仏の教えなり)

お釈迦さまを含む過去の七仏が、共通の教えとして説かれたのがこの偈文。

悪いことはせず、良い行いをし、自分のこころを清く保つ。

それを唐の時代の白楽天が、「こんなことは3歳の子供でもわかるではないか!」というと、禅僧 道林が「3歳の子供でもわかるが、80歳の老人でもできないであろう」とたしなめられた故事を聞かせていただいた。

 

わかっちゃいるけど やめられない (スーダラ節

植木等さんが真宗大谷派の住職であった父から、「親鸞聖人の教えに通じている」といわれ、歌う決心をした話を思い出した。

 

明日の昼席で御満座。
ようこそのお参りでした。

2012年10月15日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku