広南小学校読み聞かせ(44)

3月9日(月)

雨。

今朝は広南小学校読み聞かせ。

担当は、1、2年生合同。

 

今日読んだ本は、『じごくのそうべえ』。

2年生教室へ向かい、「1年生の教室へ移動してください」と。

みんなが揃ったところで、カバンの中から本を取り出して見せたところ。

「はんたい!」と。

 

本を逆さまに取り出したよう・・・。

それも、今日の本のご愛敬・・・。

 

みんな、この本はよく知っているよう。

 

絵本の冒頭に、桂米朝さんの

〈じごくのそうべえ〉によせて

 上方落語〈地獄八景亡者戯〉―古来、東西で千に近い落語がありますが、これはそのスケールの大きさといい、奇想天外な発想といい、まずあまり類のない大型落語です。
 これを絵本に・・・・・・・という企画を聞いた時、これは楽しいものになると思いましたが、えんま大王、赤鬼青鬼、脱衣婆、亡者・・・・いずれも予想に違わぬおもしろさです。
 むかしは、地獄極楽のおはなしは老人が孫に説いてきかせたものでしたが、今日では、もはや断絶・・・・・・・という状態ですね。
 えんまが舌をぬいたり、三途の川や針の山の知識が消滅してしまったら、落語もやりにくくなります。この絵本がその穴埋めをしてくれたら・・・・と念願している次第です。

のことば。

 

嘘をついたら閻魔さまに舌を抜かれる、悪いことをしたら地獄に堕ちる。

知識の消滅だけでない。

小さい頃に聞いたこうした話が、少しでも残っていれば・・・と思うような事件を聞くこともなくなるのかな・・・。

 

今日の絵本は、先日読み聞かせにといただいた本の中の一冊。

好きな絵本は、何度でも良いみたい。

 

ただ、昨日は朝から夜まで、目一杯声を使っての月曜の朝。

関西弁での読み聞かせは、たまにでよいかな・・・。

 

2015年3月9日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(43)

3月2日(月)

雨上がり、青空の広がる寒い朝。

 

今朝は広南小学校の読み聞かせ。

担当は5年生。

読んだ絵本は、

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『綱渡りの男』  (モーディカイ・ガースティン作・川本三郎訳)。

 

舞台はニューヨークの世界貿易センタービル。

2003年生まれの5年生が生まれる前、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロが起こった。

その事件によって今は存在しない高層ビルで、1974年に起こった出来事。

 

フランス生まれの大道芸人、フィリップ・プディ。

世界貿易センタービルに忍び込み、地上400メートルの高さに綱を張り、綱渡りを行った。

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やり遂げた後、逮捕。

してはならないことだけど、自分の夢を叶えた姿にみんな何を思っただろう。

2015年3月2日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(42)

2月23日(月)

雨上がりの何とも暖かい朝。

今朝は広南小学校の読み聞かせ。

担当は4年生。

読んだ本は、『アナグマさんはごきげんななめ』。

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ハーウィン・オラム作  スーザン・バーレイ絵。

 

いつもみんなに頼られているアナグマさんが、ある日ふさぎこんでしまった。

「つかれて、なにもかもうんざり」なんだと・・・。

みんなはどうにか元気になってもらおうと、あの手この手を考えるけれどダメ。

 

そこで、モグラくんが良いことを思いついて・・・。

 

「ひとはときどき、知りたくなるんだ・・・・・・・。」

「どんなに、あいされているかを、だろう?」と、モグラ。

「それに、どんなに、ひつようとされているかをね」と、アナグマ。

 

みんな、静かに聞き入って、感想も。

 

そういえば、先日の広南中学校での東ちづるさんの講演で、「自分のことが好きな人!」と聞かれ、たっった1人しか手を挙げなかった。

もちろん、恥ずかしさもあったのだろうけど。

 

モグラくんのような、思いやりのある素敵な友だちがいれば良いけれど、「人はときどき、知りたくなるんだ」と迷ったとき、何がよりどころとなるのだろう。

2015年2月23日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(41)

2月16日(月)

一時の氷が張るほどの冷え込みはなくなったが、それでも寒い朝。

今朝は、広南小学校読み聞かせ。

担当は6年生。

 

読んだ本は、『およげラッコぼうや』。

先日、名誉総代さんより、手持ちの絵本を何冊かいただいた。

その中の一冊。

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絵がほのぼのとして印象的で選んだら、新美南吉の『ごんぎつね』や『手袋を買いに』の絵本を描いた黒井健さんの絵本。

作者は、アメリカのナンシー・ホワイト・カールストローム。訳者は工藤直子さん。

 

誰かと遊びたくてたまらない、ラッコのジョシー・オッター。

お母さんが「きょうは おとなしくしていなさいね」と言っているのに、知らん顔してどんどん友だちを探しに。

アザラシ、セイウチ、ツノメドリ、ミツユビカモメ、ウミガラスにホッキョクギツネ。

誰も遊んでくれない。

そうこうしているうちに、ラッコのジョシーは迷子になってしまった。

すると、はるか波の向こうから、ラッコ坊やの名前を呼びつづける歌声が・・・。

 

その歌声に導かれ、ジョシーはお母さんのもとへと。

 

訳者のくどうなおこさんが、本の袖に、

ジョシーといっしょに あそんでね。

この絵本をながめているうちに

わたしも ちいさいころに

「じぶんの名前入りの歌」を

つくってもらったのを 思いだしました

それをきくと わくわくして

どんなに むずかっていても

にこにこしたものです

 

どうか この絵本で ラッコのジョシーと

あそんでやってください

そして 世界に たったひとつの

「じぶんの名前入りの歌」を

お子さんに うたってあげてくださいな

と記している。

 

以前、『阿弥陀経』の「舎利弗」を自分の名前に置き換えて読むと・・・と、聞かせていただいたことを、ふと思い出す。

 

お母さんのよびごえ。

ほんわかとしたお話。

 

「図書室にその本があったら、また読んでみたいと思いました」との感想にニコっと。

2015年2月16日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(40)

2月9日(月)

小雪がぱらつく寒い朝。

今朝は広南小学校読み聞かせ。

3年生を担当。風邪が流行っているようで、空席が目立つ。。。

 

こんな寒い日は、ほのぼのとあたたかい絵本かな。

今日の本は、『アナグマのもちよりパーティ』。

ハーウィン・オラム文・スーザン・バーレイ絵。

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以前読み聞かせでも読んだことのある『わすれられない おくりもの』のシリーズ。

 

アナグマくんがもちよりパーティーを開くことに。

みんなが何かを持ち寄ってパーティーを開くのだが、モグラくんは持ち寄るものが何もない。

アナグマくんに相談すると、「きみさえよかったら、きみじしんをもってくるってかんがえてよ」と。

 

普段着で何も持たずにやってきたモグラくん。

案の定、他の子たちから白い目で見られ・・・。

 

そのとき、アナグマがそっときて、

「ねえ、モグラくん。たしかにぼくは、なにももってこなくてもかまわないっていったよ。きみじしんだけでって。でも、それはそんなすみっこで、いじけてかなしそうにしているきみのことじゃない。いつもどおりのきみ、いつものゆかいなきみのことだったんだ」

そこで、モグラくんは、いつものゆかいな姿でみんなを楽しませて・・・。

 

ほっとするような話だったけど、最後まで静かに聞いてくれていた3年生にはどんなふうに映ったかな。

2015年2月9日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(39)

2月2日(月)

ひんやりとしながらも、青空のひろがる朝。

今朝は広南小学校の読み聞かせ。

今日の担当は5年生。

 

何にしようか迷ってしまい、2冊カバンに入れて、手の伸びた方を選ぶ。

今日の本は『赤いおおかみ』。

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「おおかみ」と言っても、表紙の通り赤毛の犬の物語。

幼い頃に暖かい馬車から、凍りついた冷たい道へと転がり落ち、オオカミに拾われ、オオカミの中で育ち、誇り高いオオカミに育った「赤いおおかみ」。

その「赤いおおかみ」の荘厳な死までを描いた物語。

 

見方によっては大変な一生で、恵まれない一生だったかも。

でも、最後の言葉、

ぼくは ぼくの長い

すばらしい

そして豊かな一生を振り返って、

嬉しかった

の言葉に、いろんなことを感じることができる。

 

もうすぐ小学校最上級生。

最後、振り返った時、自分の過ごした時間をそんなふうに思えるといいな。

2015年2月2日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(38)

1月26日(月)

ごきげんよう。

 

今朝は広南小学校読み聞かせ。

今日の担当は4年生。

読んだ本は、NHK連続テレビ小説『花子とアン』の主人公、村岡花子訳、『ごきげんならいおん』。

ロジャー・デュボアザン(絵)・ルイーズ・ファティオ(文)夫妻の第一作目の絵本。

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パリの動物園にいる一匹のごきげんなライオンに、みんな、「おはよう、ごきげんなライオンさん」と毎日あいさつしてくれる。

ある日、檻の戸の鍵をかけ忘れていたことで、ライオンはいつも来てくれるみんなの所へあいさつに行こうと出かける。

ライオンにあいさつされた人はみんな驚き、悲鳴をあげ、逃げ去っていく。挙げ句の果ては消防車がやってきて・・・。

そんななか、飼育係のこども、フランソワが学校帰りにライオンを見かけて、「やあ、ごきげんな ライオンくん」と声をかけ、近づいてきて、2人は・・・。

 

とってもほのぼのとしたお話。

読み終わって、感想を尋ねると、「・・・」。

先生が男子と女子を1人ずつ指名。

 

男子は素直な感想。女子はちょっと困った感じで・・・。

そこで、「ライオンが近づいてきたら、逃げますか?あいさつをしますか?」と尋ねると、「逃げます!」と。

そうでしょう。ライオンが近づいてきたら、みんな逃げるに違いない。

 

ただ、垣根があってもなくても関係ない。そんな大切な友だちがいるといいね。

 

帰る頃に雨がポツポツと。

2015年1月26日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(37)

1月19日(月)

平成27年、今年初めての読み聞かせ。

担当は6年生。

 

読んだ本は、『おとうさんのちず』。

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ポーランド出身のユル・シュルヴィッツ作。

小さい頃の体験を絵本に。

 

第二次世界大戦中、幼かった作者は家を爆撃で失った。

祖国を追われ、その後、転々と。

 

あるとき、お父さんが市場へパンを買いに出かけた。

なかなか帰ってこないお父さん。

帰ってきたと思ったら、パンを買わずに何と世界地図を買ってきた。

 

パンさえ食べれないのに、地図を買ってくるなんて・・・。

次の日、お父さんはその地図を壁に貼った。

 

暗い部屋に色があふれ、ぼくはうっとりと何時間でも地図を眺め、世界中を旅して、魔法の時間を過ごした・・・。

 

そんなお話。

読み終わり、感想を聞くと、パンが買えなかったけど、お父さんの買った地図で世界中を旅することが出来たのでよかったと。

 

そう。

この話は、素直に読むと、「よかった」と感想が出るのだろうが、でも、忘れてはいけない。

 

「せんそう」

パンさえ食べれなくなってしまうのが戦争なんだということを。

戦後70年。この年の初めの読み聞かせ。

 

2015年1月19日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(36)

12月15日(月)

今朝も冷え込んだ。

今年最後の読み聞かせ。

 

今日の担当は2年生。

読んだ本は、

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真珠まりこ作、『もったいないばあさん』と、

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『もったいないばあさんの てんごくとじごくのはなし』の2冊。

 

まず最初に、「この本(もったいないばあさん)、知ってますか?」と尋ねると、「知ってる!」と答える子がチラホラ。

「知らない人もいるだろ・・・」と、ぼそっとつぶやく子も。

 

そう。

知らない人もいるだろうから、『てんごくとじごくのはなし』をいきなり読んでも、分からないかな?と思って、10年くらい前に買った『もったいないばあさん』を引っぱり出してきた。

 

2冊読み終わって、「何か感想ありますか?」と尋ねると、予想以上に手があがる。

せっかくだから、ひとりひとり順番に感想を。

 

印象に残っている場面が、それぞれ違っていて面白い。

 

何だか、心地よく今年最後の読み聞かせ。 

2014年12月15日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(35)

12月8日(月)

今朝は広南小学校読み聞かせ。

担当は5年生。

 

久しぶりの高学年で、今日読んだのは、

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『からすたろう』。

第二次世界大戦中、反戦活動による投獄。

そして、日本を去り、アメリカへ渡ったこの本の作者やしまたろうは、アメリカで日本人に向けて反戦ビラを作っていたそう。

 

そのやしまたろうの、何ともいえない画風の絵本。

 

学校ではみんなから無視され続けていた“ちび”。

6年生になって、担任のいそべ先生との出会いによって、この子の持っている才能が認められ、やがては“からすたろう”と呼ばれるように・・・。

 

しーんと静まりかえった教室で、この本を読む。

「よき先生」との出会い、「よきひと」との出会い。

 

本当に出会いって大切だなとしみじみ。

 

2014年12月8日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku