被爆樹木

2月11日(木)

先日、広島別院で被爆樹木のソテツに初めて気がついた。

帰っていろいろ被爆樹木のことを調べていたら、いいことをいっぱい見つけることが出来た。

その一つが、この絵本。

-被爆樹木の絵本-
きっと きこえるよ

広島市内の小学校で読み聞かせボランティアをしている主婦の方2人が手がけた絵本。

以前、自費出版で地元の図書館や学校、幼稚園などに寄付をすると言うような記事を見たのはかすかに記憶が。。。(中国新聞 平和メディアセンターHP

その絵本が手に入るホームページを見つけたので、すぐ発注。(きっと きこえるよ購入サイトHP

すると、あっという間に本日届いた。

立派な絵本。

しかも見開いてすぐに、見開きにいろんな色が散りばめられた紙。
すぐに平和公園の折り鶴から作られた再生紙だと気づく。

読み聞かせには、あっという間に終わってしまうかもと思うような感じだけど、伝わってくるものはしっかりと。

また、後半には被爆樹木のいろいろな紹介。
そこに、認識番号の見方が。

被爆樹木のプレートに書かれている番号。

広島別院のソテツは、N11b20-01

Nは、爆心地から見た所在地の方向。(爆心地から北側)
11は、爆心地から所在地までの距離。(1150m。1100m台と言うことで11)
bは、aが移植されていない。bは移植されている。(別院のソテツは移植されているのでb。)
01は、同じ所在地での通し番号。

と、そんな認識番号がついているらしい。

被爆樹木は、何と!爆心地に向かっているのだそう。

その声を聞く。

聞きたいな

と、思って。

被爆樹木、これから。

 

 

 

2021年2月11日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(181)

12月14日(月)

今朝は今年最後の広南小学校読み聞かせ。

新型コロナ感染者が県内で増えてきて、この読み聞かせもいつ中止になるやらと心配しながら、気をつけながら。

今日の担当は3年生。

読んだ絵本は、

『もみの木』 (せなけいこ 絵・石井睦美 文・アンデルセン 原作)

今年、コロナ禍の中、何とか観に行くことの出来た特別展『せなけいこ展』(ひろしま美術館)。

その特別展に合わせて、絵本作家デビューの前夜に出来た原画が、何と50年以上も経って昨年絵本化された。

アンデルセン原作のちょうど今の時期にふさわしい絵本なので、がんばっていつもよりも長いけど。。。

今、この瞬間の幸せを大切に。(帯・関根麻里)

今年はコロナで今を幸せと感じられないかも知れない。

コロナが終わったら、あれしよう、これしよう。何をしようかと、ついそればかり考えてしまう。

でも、考えてみたら、ステイホームが長く続き、いつもと違った生活をする中で、いろんなことを感じることが出来たような気はする。

それを幸せと思えないかも知れないけれど、これも大切な《ご縁》なのかな。

 

15分ほどかけて読み終わり、感想を聞かせてもらおうと思ったら、

「言いたいことがあったんだけど、長すぎて忘れちゃった」

申し訳ない。。。
でも、長い話をみんな静かに最後まで聞き入ってくれたので、何かしら感じてくれたかな。

今を大切に、今を楽しんで。

 

 

 

2020年12月14日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(180)

11月16日(月)

今朝は穏やか。
今年度は、月に一度となった広南小学校読み聞かせ。

担当は、初めての1年生。
今年度はコロナの影響もあって、ようやく3回目の読み聞かせ。

初めてなので、とりあえず自己紹介をして、学習発表会が今週末に近づいてきたので、

「学習発表会で1年生は何をするんだっけ?」
「スイミー!」
「スイミーの作者は?」
「・・・」
「レオ・レオニです。今日はそのレオ・レオニの絵本を最初に読みます。」
と。

『じぶんだけの いろ いろいろ さがした カメレオンの はなし(レオ・レオニ 作・谷川俊太郎 訳)

ほかの動物たちには、それぞれ色がある。
でも、カメレオンはまわりの色に合わせて変わるため、自分の色がないことに嘆いていた。
葉っぱの上にずっといれば、自分の色は緑になる!と思って葉っぱに乗ったけど、秋になると黄色に変わり、赤に変わり、風が吹いて落ちてしまった。。。
諦めかけてるところに、年上のかしこいカメレオンがこう言った。

「でも,ぼくら いっしょに いて みないか?
 いく さきざきで やっぱり いろは かわるだろう,
 だけど きみと ぼくは いつもおんなじ。」

 

そして、次に読んだのは、

『ともだちや』 (内田麟太郎 作・降矢なな 絵)

表紙を見せるなり、ちょっとざわッとなったので、「知ってる人!」と聞くと、全員が手を挙げた。
「教頭先生に読んでもらいました。」
「じゃぁ、もう一回聞いてください。」
と。

森一番のさびしんぼうきつねが、

「えー、ともだちやです。
 ともだちは いりませんか。
 さびしい ひとは いませんか。
 ともだち いちじかん ひゃくえん。
 ともだち にじかん にひゃくえん。」

「ともだちや」となって、ウズラやクマやオオカミと。。。

  

読み終わって、どっちが好きか聞くと、『じぶんのいろ』にはパラパラと手が挙がっただけで、圧倒的に『ともだちや』。

何人か感想を言ってくれ、それぞれ好きなシーンが違ってて面白い。

学習発表会は、コロナ対策で自分の子どもの出番しか見ることができないので、1年生のスイミーは見れないけれど、初めての発表会、がんばって!

 

 

2020年11月16日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(179)

10月19日(月)

今朝は今月一度の広南小学校読み聞かせ。

コロナ禍の中、どっちの本にしようかと迷ったけど、せっかく与えられた貴重な時間なので、欲張って2冊読むことに。

担当は4年生。

1冊目に読んだのは、

比較的読むところの少ない『がまんのケーキ』(かがくいひろし)

みんないろんなガマンをして生活してるはず。

そこで「ガマン」をちょっと考える絵本。

こいたろうくん かめぞうさんは けろこさんを まつことが できるのか!? はたして3にんの ゆうじょうは!?
かがくいひろしが贈る、人情・ユーモア てんこもり! 絵本。(帯より)

このコロナ禍で、〈我慢〉と〈辛抱〉は違うといろんなところで見かけたけれど、どちらも仏教用語から。

《我慢》は、現在の〈辛いことを耐え忍ぶ〉とは反対の〈私の慢心〉という言葉から生まれ、《辛抱》は〈心法(自分の心をコントロールする)〉という言葉から生まれたとか。

それはそれとして、ちょっと楽しくガマンを考えてくれたらなと思いながら。

そして、2冊目は、

『だいぶつさま おまつりですよ』(文 苅田澄子 絵 中川 学)

以前読んだ『だいぶつさまのうんどうかい』の続編。

いろんな仏さまがたくさん出てくる中、大仏さまは大きすぎてなかなかお祭りを楽しめない。でも、その大仏さまだからこそのお祭りが。

今年は祭どころではなくなったので、お祭気分を楽しんで。

 

読み終わって、どっちが好きか尋ねると、『がまんのケーキ』が一人だけ、そのほかの子たちはすべて『だいぶつさま おまつりですよ』に手を挙げてくれた。

 

終わった後、読み聞かせをしてくださった方から、娘がSDGsのバッジを欲しがっていて、「大洲君のお父さんが付けてたよ」と教えてくれたとか。
輪袈裟の左側には東日本大震災の時の〈願〉バッジ、右側には実践運動の流れでSDGsのピンバッジをいつもつけている。

些細な事でも、見てくれる人は見てくれるんだな。

帰宅してすぐに通り報恩講。
今日は読み聞かせがあったおかげで、一軒目から声の調子良く。

 

 

 

2020年10月19日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(178)

9月14日(月)

コロナ禍で今年の2月を最後に、ずっと無くなっていた広南小学校の読み聞かせがようやく再開。

朝から久しぶりの絵本読み聞かせ。
これまでと違うのはマスクをしたまま。

何の絵本にしようか迷ったけれど、先日からのアナグマつながりで、手持ちのスーザン・バーレイの絵本にしようと選んだ絵本は、

『わたしのおとうと、へん・・・かなあ』
 (スーザン・バーレイ 絵・マリ=エレーヌ・ドルバル 作)

このお話は、フランスの〈幼年期と染色体異常を考える21世紀の会〉の提唱で創られました。

うさぎのリリは、弟のドードが大好き。
でも、リリは心配。だってみんなとちがうんだもの…。

生まれつきの障碍をもった弟と姉のリリの物語。

 

最初、本を取り出すと、

何か長そう。。。

とつぶやきが。。。

でも、みんな静かに聞き入って、読み終わると。

え?もう終わった?

と。
長さを感じさせなかったかな?

障碍のことについては、今はそれほど理解出来てなくても、こういう絵本を通して、いろんなことに触れていくことも大事かなと思いながら。

 

このスーザン・バーレイさんのあなぐまシリーズには、アナグマがとってもやさしく誰からも愛されるキャラクターとして描かれている。

何故だろうと思って調べてみたら、バーレイさんの母国イギリスでは、アナグマは人気者みたい。
でも、アナグマに結核菌が見つかったことから、間引き計画が起こり、それをクイーンのギタリスト、ブライアン・メイ氏が中心となり、反対運動を繰り広げることに。

《参考》ブライアン・メイとアナグマ

先日アナグマが見つからなかったら、スーザン・バーレイさんの本を思い出すこともなかっただろうし、イギリスでそんな問題が起こっていたことも知ることはなかったかも知れない。

大坂なおみさんがテニスの全米オープン女子シングルスに出場し、2度目の優勝を遂げた。
7試合すべてに着用していた黒いマスクには、人種差別に抗議して、事件などで巻き込まれて亡くなった7名の黒人男性や女性の名前が記されていた。
その行動の理由を、
「みんなの考えるきっかけにしたかった。(略)皆が話をしているのがわかってうれしかった」
と答えたそう。

今日の絵本、考えるきっかけになればいいな。

 

2020年9月14日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

夏の終わりに

8月16日(日)

今朝は昨日の花手水の後片付け。

 
 
 
 
 
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後片付けをしている間に、螺山の上に太陽が昇る。
庭に水撒きをすると、きれいな虹が出来たり、光の線が現れたり。

後片付けはしたけれど、花はまだまだ元気なので、玄関に。

 
今日は午前中1件だけの御法事。

この火曜日から長男、木曜日から次男の学校が始まるので、久しぶりに外出。

こんな時期、人混みを避けてウッドワン美術館。

特別展『~カミワザ立体切り絵~ SouMaの美しき世界展』

一枚の紙からこんな作品?
新しくも面白い作品がいっぱい。

 

そして、閉館間際のひろしま美術館。

特別展『せなけいこ展』

子どもたちが小さい頃よく読んだ「めがねうさぎ」シリーズ。
以前、東広島美術館で「おばけのてんぷら」の原作を観て以来の原画展。

改めて観ると、お母さんの願いが込められた作品だったのだなぁと。
こちらはちぎり絵での絵本。
 
 

常設展はいつもサラッと通過してしまうけど、暑いのと人がいないのでゆっくり常設展も。

ふと立ち止まって観てしまった作品がこれ。

パブロ・ピカソ
仔羊を連れたポール、画家の息子、二歳 (1923)

こちらはお父さんとしての作品。

息子に対する思いをふと。

今年は短い夏休みとなったので、科学研究も統計グラフも図画工作の作品提出もなく、夏休みの最期に大変な作業もなく終わってしまいそう。

そんな中、今日はいろんなことを。

 

コロナでずっと行けなかった美術館。
どこもコロナ対策をしながら。

秋には小学校での絵本の読み聞かせ、再開できるといいな。

 

 

 

 

 

2020年8月16日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(177)

2月10日(月)

今朝は寒けれどちょっぴり春めいた感じ。

広南小学校の読み聞かせ。
読み聞かせボランティアの人数がなかなか集まらないようで、高校生の長男が今日は代休なので誘ったら、すんなりと。
今日は住職・坊守・長男と3人参加。

担当は1年生。

2月3日は何の日だったでしょう?

せつぶん!

豆まきした人!

はーい!

ほとんどの子が豆まきをしたそう。

今日は鬼にまつわる2冊の絵本。

1冊目は、日本の昔話より

『だいくとおにろく』 (松居 直 再話・赤羽末吉 絵)

「この本、知ってる人!」と尋ねたら、一人だけ手を挙げてくれた。

流された橋の掛け替えを頼まれた大工。
引き受けたものの、どうしたものかと思案していたら、川の中から鬼が現れた。
「おまえの目玉をよこせば、橋を架けてやってもいいぞ」と。
大工は「おれはどうでもいい」と気のない返事をすると、翌日橋が半分出来、その翌日には完成。
「目玉をよこせ」と迫る鬼に、「ちょっと待ってくれ」と断る大工。
「それなら、オレの名前を当ててみろ」と。

昔ながらの鬼の出てくる話。

 

そして、次に読んだ絵本は、

『おにはうち!』 (中川ひろたか 文・村上康成 絵)

「この本、知ってる人!」と尋ねたら、こちらは何人か手を挙げてくれた。

幼稚園の園庭に、見かけない子が。
名前は、「にお」。
にお君は、野球が上手。
でも、先生が「豆まきを始めるから」と言った途端、どこかへ言ってしまった。

「きょうはせつぶんです。まめまきをしましょう」
「でも、なんで おにに まめ ぶつけるの?」
「おに、なんか わるいことしたの?」
「そう、むかしのひとは、よくないことがおきると、
 それを、おにのせいにしたのね。
 みんな、しあわせにくらしたいでしょ。
 それのじゃまをするのが、おにだとおもってたの。
 おには、まめがきらいらしい。
 そこで、まめをまいて、おにがこないようにしたのね」

鬼がこわい人!

読み終わって尋ねると、一人だけ手を挙げてくれた。

「鬼」に対する考え方も、昔と今では違って。

おにもうち!

2020年2月10日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(176)

1月20日(月)

今朝は広南小学校、令和2年初めての読み聞かせ。

担当は4年生。

今日読んだ絵本は、久しぶりにくすのきしげのりさんの作品。

『メロディ』 (くすのきしげのり 作 森谷明子 絵)

「ピアノを習っている人!」

と尋ねたら、3名の女子が手を挙げてくれた。

この絵本は、何と!あのYAMAHAより。

 

6歳の誕生日。
プレゼントにピアノを。
来る日も来る日も、女の子はそのピアノ“メロディ”を弾いていたのに、中学生、高校生となるにつれて、だんだんとメロディと過ごすことがなくなっていった。そして、遠くの大学に行くようになると、忘れられたように。。。

それからしばらくして、作業服を着た人たちが部屋に入ってきて、ピアノを運んでいった。メロディは壊されて捨てられてしまうのだと思って眠りについた。
でも、目が覚めたら。。。。

「メロディを読んでもらって、毎日ピアノを弾きたいと思いました」

と感想を。

ピアノだけでなく、それぞれに“大切なもの”を大切に。

来月、二分の一成人式を迎える4年生へ。

 

 

2020年1月20日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(175)

12月16日(月)

今朝は令和元年最後の広南小学校読み聞かせ。

担当は2年生。

2年生教室の前の廊下で、チャイムが鳴るのを待っていると、一人の男子がやってきて、

今日は何年生ですか?

今日は2年生です。

教室に入って、

今日は大洲くんが読み聞かせしてくれるって!

・・・

今日はクリスマスの絵本ですか?

クリスマスじゃないけど、おもしろい絵本です!

今日はあっという間に終わるような絵本だったので、2冊の絵本を。

1冊目は、

『うえきばちです』 (川畑 誠)

あまりのこわさに笑わずにはいられない

最後なので、最初はただただ笑える絵本を。
みんな大笑いして聞いてくれた。
特に男子。

そして、2冊目は、

『ぼくからみると』 (高木仁三郎 文 片山 健 絵)

なつやすみの あるひ。
ひるすぎの ひょうたんいけ。

ひょうたん池で、同じ時間に、そこにいるいろんな生きものの目線が淡々と。

読み終わって、最後の「だれかさんから みると・・・・」の「だれかさんって誰だか分かる人!」と尋ねたら、クマ!タヌキ!といろんな答えが出て来た。

この絵本の作者、高木仁三郎さんは2000年にお亡くなりになっているが、原子力発電に対する危険、不安を早くから主張し、警鐘を鳴らしていた方。
もっと、その声に耳を傾けていたら。。。

この絵本は、最後にトビの勇ましい姿が出てくる。
先日のトビのことを思って選んだ絵本に、思わぬご縁を。

2019年12月16日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(174)

12月9日(月)

今朝は久々に広南小学校読み聞かせ。

担当は3年生。

読んだ絵本は、

『いのちの木』 (ブリッタ・テッケントラップ作 絵・森山 京 訳)

もりに すむ
ひとりひとりにとって、
キツネは
とくべつでした。

やがて キツネは たびだち、
みんなにとっての
とくべつな そんざいに
なったのです。

いてくれたら
あったかい。
いなくなっても
あったかい。

キツネは
ここに います。
ずっと。

亡くなってしまったキツネを偲んで、友だちみんなが想い出を語るたびに成長していくキツネの木。それがみんなのいのちの力、生きる支えとなっていく。

みんな静かに最後まで聞き入ってくれた。

そして、感想に、「キツネの木がどんどん大きくなっていくので、キツネはやさしかったんだなと思いました。」と。

寒いときに、ちょっとあったかく感じるお話。

 

 

2019年12月9日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku