ぶろぐ

専徳寺のぶろぐです。

お寺のこと、地域のことを綴ります。


 

ブログ一覧

広南小学校読み聞かせ(52)

6月1日(月)

今日から6月。

今朝は広南小学校読み聞かせ。

担当は5年生。

Img095_r 

アメリカの動物研究家 アラン・ラビノヴィッツの絵本、『ジャガーとのやくそく』。

アランは、吃音(きつおん)。
緊張するとことばが出ず、うまく思いを伝えることが難しい少年だった。

 

「吃音」といわれても、恐らく子どもたちには分からないと思って、始まる前に「吃音」っていうのは・・・と説明をしてから始める。

「吃音」とは、いわゆる「どもり」。
ただ、この「どもり」ということばは、差別用語に当たると、今では放送禁止用語になっているそう。

先日、NHKで市原悦子さんが差別用語を連発したと、少し話題になっていたけれど・・・、「吃る(どもる)」がダメで、「吃音(きつおん)」って読み方に変えると良いというのも、何とも不思議な。。。

 

小学校では障がいを持った子のクラスに入れられ、ダメなやつと思われているんじゃないか、ぼくはこわれているのだろうか?と思い悩む少年アラン・・・。

でも、詰まることなく、話ができることもあった。
それは、歌を歌う時と、動物に話しかける時。

 

ぼくには、わかる。動物たちには、ぼくの きもちが ちゃんと つたわっている。

でも 動物は、ことばをはなせない。ぼくのことばが でてこないのと おんなじように。

だから、人間は、動物たちのきもちがわからずに、かってに きめつけて、いじめたり、ころしたりする。

ぼくをむしして、ごかいして、きずつけるとの おんなじだ。

ぼくはペットたちと やくそくした。

「じぶんの 声を みつけられたら、ぼくが かわりに きみたちの 声を つたえるよ。そして、動物をきずつけるのを やめさせる。」

 

うまくことばが出なくても、何とかそれを誤魔化しながら成長していく術を身につけた。

そして、大学に入ると、話し方を学ぶプログラムに参加して、どもらずに話せるように。

 

アランは、動物の研究者になった。

そして、ベリーズという国で、ジャガーの保護区を作ってもらうよう、首相にたったの15分与えてもらい、自分のことばを伝え、世界で初めてのジャガー保護区が誕生することとなった・・・。

 

みんな、静かに聞き入った。

誰かのため、何かのため、そんな思いがあれば、人は世界を動かすこともできるのだということを感じてもらえたら。

また、最後のページの「ありがとう」の意味を。

 

 

 

 

2015年6月1日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

呉東組法中会

5月31日(日)

5月最後の日曜日。

明日、衣替え。
少しは涼しく感じるようになるだろうか・・・。

 

昨日の呉東組総代会に続いて、今夜は呉東組の法中会が法謙寺にて。

今日の議題の中心は、

Img094_r

7月3日、4日とご門主さまご親修で行われる法要に関すること。

大切なご縁となりますよう。

2015年5月31日 | カテゴリー : 呉東組 | 投稿者 : sentoku

呉東組総代会総会

5月30日(土)

今日は時折パラパラと。

そろそろ梅雨入りかな・・・。

境内の親鸞聖人像の前に咲くアジサイ。

Img_1518_r

アジサイは、カラッとした天気でなく、こうして雨に濡れてるのが何となく良いな。

朝から法務が一日続き、そんなことをふと感じることでちょっとした息抜き。

 

今日は午後4時30分より、広ステーションホテルにて呉東組総代会の総会。

何とかギリギリ間に合った・・・。

 

総代会では、昨年度の決算ならびに今年の予算と行事予定の審議。

その後、総代会担当の安登浄念寺御住職より、「グローバル化と仏教」と題してお話を。

イスラム、キリスト、いろいろなお話を聞いては、へ~っと。

 

その後の懇親会では、長浜の総代さんと昨日の蚊の話。

「同級生で行きたいと思ったけど、昨日は病院の検査だったからな・・・」とか、「私ら、ちょうどその活動の真っ最中。ここ(食事中)では、言えないことも・・・」とか、「当時は、ホントにいなくなった。絶対無理。できたら素っ裸で逆立ちして歩いてやるわっていってた大人がいたのも何人か知ってる」と。

こうした話を伝え聞かせていただく機会って、こうした席だから聞かせていただくのだなぁと。

それもこれもご縁。

2015年5月30日 | カテゴリー : 呉東組 | 投稿者 : sentoku

広南中学校 蚊が0研究PROJECT

5月29日(金)

今朝の中国新聞朝刊、呉・東広島版に、広南中学校の科学部発足のことが紹介され、私も住民顧問3人の一人として・・・。

20150529
午後から、その科学部発足記念講演。

元東京大学農学部教授で、蚊の研究第一人者 池庄司敏明先生の講演を聞きに。

Img_1512_r

その出会いは、『蚊』という専門書。

Img093

昨年からはじまった「蚊が0研究」の資料として、東京大学出版会から出ているこの本に出会ったことが今日のはじまりだそう。

この本の著者略歴に「広島県呉市に生まれる」とある。

それが、長浜であったと知り、親戚を通じて先生にお願いしたら、今日の講演をこころよく引き受けてくださったとか。

 

中学校の生徒たちは、去年1年蚊を見てきて、蚊の種類を判別できるくらいになっているのだそう。

へ~、こんなに蚊って種類があるのか。
とか、
蚊という種にはたくさんの種類があって、害虫といわれてる蚊はその極・極一部。

しかも、蚊が人の血を吸うのは、交尾をした後のメスが卵を産むためで、それ以外は花の蜜を吸っているのだと・・・。

ホントに知らないことだらけ。

 

何でも、知ることから始まるのだそう。

先生のことばで印象に残っていることは、今ではパソコンに結果を入れればグラフにでも何でもできる。それをデモンストレーションして、伝えることの大切さを、と話された時には「なるほど」と。

 

1時間の講演で、その後1時間、今度は科学部の生徒たちと先生を交え、いろいろと。

 

蚊は視覚・聴覚・嗅覚と、感覚を使って生きている。

でも、昼間活動する蚊と、夜活動する蚊は違う。

夜活動する蚊は、色が必要ない。黒と白の識別で良いのだそう。

それに対して昼間活動する蚊は、色の識別ができる。

 

また、聴覚は、交尾をするためにオスが蚊柱にいるメスの羽音を聞きとるだけに利用。それ以外は耳をふさいでいる蚊もいるそう。

すべては子孫繁栄、種の保存のため。

 

知らないことをいっぱい学ぶ。

俳人小林一茶は、蚊やハエなどの句をたくさん残している。

インターネットでそのことを調べてみると、

「小動物はもちろん、可憐な女の子、純な少年、弱い角力取などなど、一茶にとっては自分の分身のように感じられていたのである。生き
ものの命が、じかに、自分の命に伝わるといってもよい。
生きものの命に精霊を感じて、徒や疎かに扱えない気持ちになる、といってよい。古代人が、山川草木、鳥獣魚類のすべてを、生きものとおもい、それに精霊を感じ、 カミとおもっていた、かのアニミズムといわれている感応の世界が、一茶のなかに(身体の芯に)、人一倍濃く宿っていた」と、一茶にとって小動物というのは自分の分身であり、命のある生き物の精霊であるとみている。 

とのを見つける・・・。

浄土真宗の教えに生きた一茶。

恐らく、精霊とかカミ、アニミズムの世界ではないと思うのだけれど・・・。

 

何はともあれ、顧問とは名ばかりで、何にも知らないのでは・・・と、ただいま池庄司先生の『蚊』を取り寄せ、少しずつ。

 

蚊帳も知らない中学生たちが、ひょっとしたらアフリカ大陸で苦しんでいる人たちの助けとなるような、そんなすごいことを発見するかも知れない。

 

たくさんの「いのち」を感じながら。

永代経法要 3日目

5月27日(水)

朝席で御満座。

永代経と併せて、前住職の三回忌と前々住職の五十回忌をみなさんと一緒にご縁にあいたい。

いつもは午前7時30分から始まるのを、午前10時からに変更して。

Img_1463_r

昨日の夜席が終わった後、御講師部屋で昨日の『蚊が0プロジェクト』の話をしたら、大変興味深く聞いてくださって、今朝のご縁で早速『長浜郷土誌』の巻頭あいさつに触れてくださった。

 山の中腹にある母の墓に詣でるごとに、私はじっと長浜の町を見下ろします。青い静かな港、2つのお寺を中心に波のようにひろがった屋根の光、こんな美しい町が自分の郷土かと思うと、私はしばしうっとりさせられるのです。そして墓地の上がり下がりの狭い急坂と石段の道、家と家が重なり合い、右に左にいくつも分かれ、映画「ペペ・ル・モコ」に出るモロッコの町に似た、怪奇な美しい坂道を、私は、またこよなく愛します。
 この町に黙霖が生まれ、石泉が法を説いた必然性が、この美しさと怪奇さのうちに含まれているかどうか、私にはわかりません。しかし、心の美しい変わり者が生まれ出る必然性は充分ありそうです。そして後に生を受けた私どもが、この二人の美しい変わり者を、あの迷路のような坂道と同じに愛するのも、また不自然ではないと思われます。いや、この二人だけでなく、私ども長浜の子のすべてが美しい変わり者であり、それ故に慈しみあっているのかもしれません。(中略)すぐれた味覚は、著名な料理店でのみ得られるのではなく、至る所の家庭の台所で生み出されているように、すぐれた生命も、有名人のうちにのみ生きていないで、無名の民衆の生命によってつくられているのです。
 つい最近の数ヶ月に、長浜の民衆は全国に先駆けて、「蚊とハエのいない町」をつくりあげました。民衆の英知と努力のうんだ立派な文化であり、郷土史の上に輝く1ページであります。有名人や権力者を何人出したことよりも、私はこのような民衆の見事な仕事の上に、郷土の誇りを感じます。それは何よりも町の人々全体が美しい変わり者であることを如実に物語っているからです。

これは、当時の松本賢一呉市長の寄せたことば。

「美しい変わり者」

長浜の中にいると、それが「当たり前」になっていることが、実は外から見ると、とっても「有り難い」ことであったりするのだそう。

「土徳」

突然降って湧いたものでなく、昔々から受け継がれてきたご縁がととのったもの。

 

今席では笑いの中に、癌で亡くなられたお子さんと両親の話を聞かせていただき、「幸せ」の意味を改めて。

 

後片付けとか、今日一日のすべてが終わり、夕方、この市長の歩いた坂道を登ってみた。

Img_1488_r

久しぶりに登ると、登ってる間は、何とも細くてきつい坂道だなとつくづく思う。

でも、登って振り返り、この長浜の眺めを見た時、この眺めがあるから、ここに墓を建てて登ってきたのだろうな・・・と。

Img_1490_r

そして、帰りの下り坂。

この道をこれまでどれだけの人がいろんなことを思い、往来されたのだろう・・・と。

 

誰もが、こんな険しい坂道のない方がいい。面倒なこともなく、楽な方がいい。と、思うだろう。

でも、そこに何の「よころび」を味わうご縁もないかも・・・。

 

永代経法要 と 前住職と前々住職の法事。

暑い中、たくさんのお参り、ありがとうございました。

 

 

5月29日(金) 広南中学校で、科学部(蚊が0PROJECTチーム)発足記念講演が開かれる。

講題『蚊の研究をすすめる君たちへ』

蚊の研究の第一人者 池庄司敏明先生(元東京大学農学部教授)をお招きしての講演。

何と、この方も長浜出身。

興味のある方は14時から15時まで、どうぞご来校を。

 

2015年5月27日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku