蒲公英

6月2日(木)

朝と晩、水撒きをし、箒を引きずって端から端に兎に角歩いている。

朝は本堂正面に太陽が当たる。
夕方は本堂の裏、正面から見ると逆光になる。

でも、逆光になると、箒で掃いたその跡がくっきりと浮かび上がって見えてくる。

光と影って、面白いなぁ。

 

そのあとで、草木を見てまわるのだけれど、いろいろ見て回っていて、あっ!!

うっかりと踏みそうになった。。。

 

タンポポがこんなところに。

「蒲公英」と書いて「たんぽぽ」。

「たんぽぽ」を漢字で書きなさいと言われたら、なかなかこれは難しい。

その「たんぽぽ」と言えば、金子みすゞさんの詩をふと思い浮かべ、

星とたんぽぽ

青いお空の底ふかく、
海の小石のそのやうに、
夜がくるまで沈んでる。
晝のお星は眼にみえぬ。
  見えぬけれどもあるんだよ。
  見えぬものでもあるんだよ。

散ってすがれたたんぽぽの、
瓦のすきに、だァまって、
春のくるまでかくれてる、
つよいその根は眼にみえぬ。
  見えぬけれでもあるんだよ。
  見えぬものでもあるんだよ。

 (『金子みすゞ全集Ⅱ・空のかあさま』より)

20年ほど前に買った全集を引っ張り出して。

 

見えてるようで見ていないなぁ。。。

ちなみに、「たんぽぽ」を英語ではユーミンの歌でも知られる「ダンデライオン」。

ずっと、黄色い花がライオンのたてがみのように見えていたのかなぁと思っていたけど、たんぽぽの葉っぱがライオンの歯のようにギザギザだからと言う意味らしい。

見えてるようで見ていない。

 

でも、 

見えぬけれどもあるんだよ。
見えぬものでもあるんだよ。

見えた時はうれしいし、
見えた時はありがたし。