節分

2月3日(木)

今日は節分、明日が立春。

暦の上ではもう春。

まだまだ寒いけれど、光が春めいて。

一昨年、鐘楼の南に植えた薄墨桜。
今年もつぼみが付いていないので、この春も恐らく葉桜スタート。
それでも去年倍くらい大きく育ったので、今年はどれくらい?と楽しみに。

昨年このまわりにいろいろと植えてみたものの、冬場は落葉して何とも寂しい限り。。。

一昨年はスナゴケを桜の根元に植えてみたけど、ネコに荒らされたり、日当たりも良すぎて、ここでは無理なのかなと。

そこで、日当たりの良いところでも育つ植物をいろいろと調べて、たどり着いたのが

サギゴケ(ムラサキサギゴケ)

名前はコケだけど、コケの仲間ではなく、地を這うように広がっていくのでコケの名が付いているとか。

日本にも自生する丈夫な植物なので、グランドカバーとしてもおすすめだそう。

 

グランドカバーとして地面を緑で覆うことで、少しくらい違ってくるかな?


13.気候変動に具体的な対策を
15.陸の豊かさも守ろう

このスペースでは微々たることかも知れないけれど、とりあえず小さなことから。

 

先日、植物のまわりに〈まくだけで蘇る〉という土を撒いてみた。

そして、本日届いたサギゴケを桜のまわりやあちこちに。

これが這うように広がっていくのだそう。

乾いた場所に緑が加わると、やっぱりいいな。

 

今日は午後、職人さんに本堂のお内陣を見ていただいた。

御本尊の阿弥陀如来、足下の蓮台のまわりにさらに花があるのは、なかなか珍しいお姿なのだそう。

また、衣に絵が施され、よく見ると

蓮の花が。

この角度から仏さまの姿をしげしげと見ることがないので、聞いてびっくり。

 

専徳寺の阿弥陀さまは蓮が描かれた衣を着け、蓮台には蓮と牡丹?

今年も花を楽しんで。

最後のご縁

1月13日(木)

呉市も広島県内でも新型コロナウィルスの新規感染者が過去最高だと。

そんな中、今日は午前中御自宅での17回忌の御法事に。

御主人の17回忌のご縁。
法話中ずっと肩を震わせ、よっぽど仲がよかったのかなぁと思っていたら、法事が終わると息子さんから「母が明日、〇〇(老人ホーム)に入所するんです。この家は誰もいなくなるので、今すぐではないけれど、近いうちに取り壊しになると思いますので、その時にはまた相談させてください」と。

それで、自分の隣に亡くなられた御両親の写真を並べ、ここでの最後の御法事をみんな揃ってお迎えになられたのか。

 

おりん

お佛だんかえたけど
おりんは どうしても
かえ難かった

このおりんは ご先祖さまも
母も 祖父母も ならされて
お別れにも ならした
おりんだ

(『樹にきく 花にきく』宇野正一 柏樹社)

 

このお仏壇で迎えた最後の御法事。

この詩のように、このおりんの音色で、いろんな方のご縁に遇ってこられたのだなぁと思うと、何だか尊く。

コロナで法事の延期・中止、自宅から本堂への変更の連絡がチラホラと。
でも、今日は御自宅でお参りできて、何だか有り難く。

※1月20日(木)に予定されていた呉東組聞名講例会(法謙寺)は中止になりました。

 

聞くとは

1月9日(日)

まんぼう(まん延防止等重点措置)がいよいよ本日より31日まで。

御法事を延期したいというお電話をいただいたり、法事をもっと先に考えていたけれど、先が見えないから今日にでもお願いできますか?とお電話をいただいたり。

 

そんな中、今日の御法事で〈蓮〉の法話をしたら、大変喜んでくださって、「亡くなった母も喜んでると思います。花が好きだったから」と。

今日のご縁に導いてくださったお母さんも一緒にここでお聴聞してくださったんだぁと思うと、何ともありがたい。

 

「聞くとは」

今朝の朝日新聞朝刊、〈折々のことば〉より。

 

御正忌に向けて、いろいろと本を取り寄せたのだけれど、11日・12日と予定されていた小坪説教所の御正忌も中止の連絡があり、しばらく出番がなさそうな。。。

その中の1冊、本願寺出版社の『出遇えてよかったね』(宮崎幸枝)に、

「その脳の中にない話を聞いているのです! 私の側には、仏さまのお覚りの中身の持ち合わせは点数を付けたら零点。偏差値の高い大学出の賢い人も零点。ノーベル賞受賞者も零点。零点の人間からすれば、仏さまの百点満点のお覚りの中は不明。脳が解釈をつけて、まとめようとすると聞き間違うだけ。だからただ聞こえてくるお説教とお念仏の声を聞くだけ。それが身に滲みお育てに遇うのです。ただ念仏。お前の口にナマンダブツと出て救う・・・・・・と言われ、ありがとうございます、ナモアミダブツとお礼をするばかり。みんな零点同士。聴聞の点数は、こっちが零点のままで満点」

と。
そのまんまをそのまんま聞く。

親鸞聖人も「聴聞」の左訓に、〈ユルサレテキク シンジテキク〉と。

 

今日から本願寺では御正忌報恩講。

インターネット中継もあるのでそちらでどうぞ。

https://www.hongwanji.or.jp/

10月

10月1日(金)

今日から10月。

一昔前なら“衣替え”。

“暑さ寒さも彼岸まで”、朝晩は秋の気配を感じるようになったけど、日中はまだまだ。。。

でも、今日は白岳地区での報恩講お参り中に、モズの声を聞いた。

コスモスも咲き、稲穂も。 続きを読む

彼岸の入り

9月20日(月)

3連休の最終日、今日は敬老の日。
そして、彼岸の入り。

日中はまだまだ30度近くまで気温は上がるけど、朝晩は秋らしく。

 

夕方、もう車の出入りもないだろうと、境内に水を撒き、清掃。

やっと終えて、後は落ち葉をかき集めて棄てるだけと思っていたところに、車が一台。。。

しかもきれいにしたところに奥まで。。。。

全部終わった後で入ってくると、それはそれで仕方ないと割り切れたかも知れないけれど、「あともう少しで」と思うと、これが複雑。

でも、せっかくここまでしたのだからもう一度。

そう思って轍を消すように箒で掃いていくのだけれど、気のせいか荒々しく。
心の中で「落ち着いて落ち着いて」と言い聞かせながら。
いつも笑って「おでかけですか?」と言えるレレレのおじさん、またそのモデルと言われるお釈迦さまのお弟子さん、周梨槃特しゅりはんどく周利槃陀伽しゅりはんだか)のようにと思いながら。

 

明日からいよいよ報恩講参りが小坪地区よりスタート。

 

懸魚

9月17日(金)

台風14号が接近中。

 

植物や昆虫の名前、その由来を調べてみると、なかなか面白い。

その延長でお寺の中にもいろいろな動植物の彫刻があるので、それを調べてみると、これもなかなか奥深い。

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鈴虫

9月15日(水)

雨が午前中に上がったけれど、ずっと曇り空のせいか、庭から虫たちの声がよく聞こえてくる。

草むらに近づくと、バッタがピョンと。

鮮やかな黄緑色のバッタ。

トノサマバッタ?と思ったけれど、ツチイナゴの幼虫らしい。

涙のように目から流れる黒い帯が付いているのが特徴。

イナゴといえば茶色をイメージしていたのだけれど、このツチイナゴ、成虫になると茶褐色に。

ツチイナゴは、冬を越す虫だそうで、幼虫で過ごす夏はまわりが緑。成虫になる秋から冬は、まわりが枯れた色。

季節に応じて色が変わる。

 

 
 
 
 
 
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夜、聞こえてくる虫の声が、今日は昼間からよく聞こえる。

まだ、ツクツクボウシが鳴いている。

そして、姿は見えないけれど、鈴虫の声も。

 

鈴虫といえば、法然聖人・親鸞聖人が流罪となった承元の法難。

その発端となったのが、後鳥羽上皇が熊野詣の間に、法然聖人門下の住蓮・安楽が開いた六時礼讃念仏会に宮中の女官たちが密かに参加し、そのまま出家するものもいた。
そのことを後で知った上皇は激怒し、住蓮・安楽は死罪、法然聖人・親鸞聖人は流罪となった。

その時に出家した女官に鈴虫、松虫がいたという。

 

先日、ご門徒さんより、

鈴虫・松虫のお墓に行ってきました。
広島にあるんですねぇ。
今度、みなさんに鈴虫・松虫の話も聞かせてくださいね。

と言われ、??と思って調べたらすぐに出て来た。

生口島にある光明坊という真言宗泉涌寺派のお寺。

【参考】光明坊|日本伝承大鑑

ここで鈴虫・松虫は亡くなったと伝えられ、法然聖人も立ち寄られたとか。

 

コロナが落ち着いたら、しまなみ海道を通って、一度お参りしてみたい。

 

 

 

閻魔蟋蟀

9月10日(金)

朝、「廊下に虫が!」

との声を聞いて、廊下に出てみると、

すぐにコオロギとは分かったけれど、何コオロギ?
と、とりあえず写真に撮って、そっと手のひらに入れて庭に離す。

調べてみたら、エンマコオロギ?

エンマコオロギ

漢字で書くと、〈閻魔蟋蟀えんまこおろぎ〉。

何と、学名も〈Teleogryllus emma〉、英名も〈emma field cricket〉、「閻魔」が付くそう。

こんな小さな虫がなぜ閻魔?と思ったら、

眉のように見える帯が、閻魔大王の忿怒の顔を思い浮かべるから、そう名づけられたとか。

 

閻魔

お聖教の中で「閻魔」はあまり聞いたことないなぁと思って調べてみたら、源信僧都の『往生要集』には出てくるけれど、七高僧の他の六祖には見られない。

親鸞聖人は、息子善鸞義絶のことを性信坊へ知らせたお手紙の中に、

もしこのこと、慈信(善鸞)に申しながら そらごとをも申しかくして、人にもしらせずしてをしへたること候はゞ、三宝を本として三界の諸天善神・四海の竜神八部・閻魔王界の神祇冥道の罰を、親鸞が身にことごとくかぶり候ふべし。
自今じこん以後は、慈信におきては、子の儀おもひきりて候ふなり。(『親鸞聖人御消息』註釈版聖典753~754頁)

と、一箇所だけ〈閻魔〉の言葉を使用。

 

広島県では、9月12日までの緊急事態宣言が、9月30日まで延長決定。

それを受けて、9月27日から予定していた石泉文庫虫干し法座は中止

ただし、虫干しだけはしておきたいので、10月末に虫干し作業だけ行うことでただいま調整中。

 

秋季彼岸会は、当初の予定どおり9月23日(木)朝9時よりおつとめだけして、法話はなく、法話の代わりに『念佛日和』特別号を配布予定。

昨年のお彼岸は1週間、和傘を使ってライトアップをしたけれど、今年はなし。

先日お参り先で、昨年のライトアップを見に来てくださった方が、「虫の声がすごかった」との感想を。

 

こちらは毎晩聞いてるので、それほどにも思わなかったけれど、秋の虫の声、大合唱。

360度サラウンド。

360度閻魔さま。。。

 

 

正信偈 2

9月8日(水)

昨日、1冊の絵本を贈っていただいた。

先月、出版されると知って、すぐにAmazonで予約。

お届けは9月末。

ただ、出版元では販売が始まってると後から知ったけど、しばらく楽しみに待とうと思っていた矢先のこと。

『絵ものがたり 正信偈 2』。

 

前作『絵ものがたり 正信偈』。

 

この絵本を読んだことをご縁に浅野執持師に御講師として来ていただき、そこでこの続編の話をお聞きして、ずっと楽しみにしていた。

それがこのたび。

 

前作と違い、今作はALL僧侶の作品。

絵を3名の浄土真宗本願寺派の僧侶が描く。

切り絵、水彩画、消しゴムハンコ。

それぞれ素敵な絵に、正信偈の御文をやさしく。

 

今作は、七高僧のうち、龍樹菩薩・天親菩薩・曇鸞大師についての絵本。

と言うことは、また続編もあるのかなと期待しながら。

 

 

 

 

秋明菊

9月7日(火)

春に女郎花おみなえしの側に鉢植えから地植えした秋明菊しゅうめいぎくが咲き始めた。

切り戻しした桔梗がまた少し咲き出したけど、ずっと咲いていた女郎花は少し色がくすんできた。

そこへ白い秋明菊。

菊と名前は付いていても、菊の仲間ではなく、キンポウゲ科、アネモネの仲間。

中国原産の植物で、古い時代に持ち込まれた帰化植物だそう。

 

中国では「秋冥菊しゅうめいぎく」。

日本の「明」とは反対の「冥」。

日本では、「冥途(冥土)」と結びつき、良い意味ではないからと、「秋明菊」と名づけられたそうだけど、「冥」には、〈暗い〉という意味の他に〈奥深い〉という意味があるそう。

本来は、秋に咲く奥深く幻想的な菊、そんな意味だったのかなぁ。

 

〈冥途〉とは、地獄・餓鬼・畜生の三悪道の世界。

設我得仏 国有地獄餓鬼畜生者 不取正覚

阿弥陀さまの四十八の願いの一番最初に出てくるのが、お浄土に地獄・餓鬼・畜生の三悪道のない世界を。

設我得仏 国中人天 寿終之後 復更三悪道者 不取正覚

そして、その次に、お浄土に生まれたものは、その後三悪道に生まれることはないことを誓われた。

 

〈冥〉でなく、〈明〉の世界に。

お彼岸が近づいてきた頃に咲く花に、そんな勝手な思いを。

 

このコロナがなければ、例年9月8日に仏教壮年会・仏教婦人会共催で、『ビデオと講演の夕べ』を開いていたけれど、今年も昨年に続いて中止。

そこで、このたびは『お彼岸 秋』(本願寺出版社)をお届けするよう、袋詰めが完了したので、近々会員の皆さまのお手元に。