4月6日(水)
新年度、新学期が始まった。
境内のソテツ、2年前にどんどん重みで枝が下がってきたので、枝ごと切ってもらった。
その切り口に、何だか今。。。。
どう見ても、木耳にしか見えないのだけれど。。。
木耳とは、木に生えるクラゲ、とか、木に生えた耳と言う意味から来ているそうで、英名では“Jew’s Ear Fungus”(ユダヤ人の耳 菌類)と言う意味だそう。
何を聞くのか、何が聞こえてくるのか。
聞く耳は世界共通。
TEL.0823-71-7926
〒737-0136 広島県呉市広長浜3-13-21
3月30日(水)
薄墨桜が15個の花をほぼ開花。
小さな花だけど、初めてここで咲いた薄墨桜。
昨日縮景園で見たソメイヨシノのように咲くのは、まだまだ先のことかな。
ただいま庫裏の玄関先に可愛らしいピンクのハート型の花が咲き出した。
華鬘草という花で、鯛釣草とも呼ばれる。
今月5日に苗を買って鉢に植えたら、
あれよあれよと成長し、あっという間に花が咲いた。
中国・朝鮮半島に分布する花で、仏具の華鬘に似ているところから華鬘草と呼ばれるのだそう。
仏具の華鬘と言っても、専徳寺の本堂にあるのは房の付いた紐華鬘と呼ばれる華鬘。
だから、華鬘と言ってもピンと来ないのだけれど、奈良国立博物館で見た牛皮華鬘とか中尊寺の金剛華鬘とかいろいろ。
ただ、毒があるそうなので、お供えとしては向かないみたい。
このハートがもっと連なってくるそうなので、それはそれで楽しみに。
2月24日(木)
今日も呉市に低温注意報。
でも、日ざしは暖かく。
朝、裏の螺山からウグイスの声が聞こえてきた。
昨年と同じくらい早い。
今、ヒヨドリがクロガネモチの実を食べにやって来る。
手水鉢のまわりに最近糞が落ちていて、何だろうと思っていたら、どうやらヒヨドリがクロガネモチの実を食べ、ハナミズキで一休み。
そして、手水鉢で水を飲んでいくようだ。
また、大洲順道を讃えた頌徳碑の前に、ピンク色の花が咲いている。
何の花かな?と思ってアプリで調べたら、「ヒマラヤユキノシタ」というそう。
原産はヒマラヤ山脈周辺(アフガニスタンから中国にかけて)。
シルクロードを渡ってきたのか、それとも違ったルートを辿ってきたのか。
いずれにしても、シルクロードを旅して天竺へ向かった三蔵法師たちは、この花を見かけただろうか。
2月23日(水)
呉市に低温注意報が出ている中、昨年植えた宿根草の内、フジバカマが新芽第1号!!
昨年5月に植えたフジバカマ。
アサギマダラが旅の途中に飛んで来たらいいなと植えたのに、そこには来ないでツワブキに一度だけやってきた。(11/2)
今年ここで新芽が出たということは、ちゃんと根付いてくれるのかなと期待しつつ。
そして、今年はゆっくりアサギマダラを見ることが出来るかなと期待しつつ。
やどりせし 人のかたみか 藤袴 わすられがたき 香ににほひつつ
『古今和歌集』に紀貫之の詠んだフジバカマ。
去年咲いたフジバカマは、そんなに香がしなかったけど。。。
ひとはいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける
こちらは『百人一首』に詠まれている紀貫之の歌。
紀貫之は、花の香をいろいろと楽しんでいたのだろうか。
紀貫之と言えば、三十六歌仙。
三十六歌仙と言えば、本願寺飛雲閣。
飛雲閣が聚楽第から移設されたという前提で、当時の飛雲閣を想像で3D再現したブログを見つけた。↓
3D京都(聚楽第に在った頃の飛雲閣を想像してみた 内部編)
歌仙の間にいたら、三十六歌仙のような歌が詠めるようになるのだろうか。
花のそばにいるから、花の香を感じる。
何もないところでは、それを感じることもない。
そう思うと、感じるご縁を大切に。
2月7日(月)
今日、2月7日は聖徳太子の誕生日。
〈聖徳太子〉か〈厩戸王〉かで一時期教科書問題ともなった聖徳太子。
親鸞聖人は〈和国の教主〉と大変大切にされ、多くの和讃をお作りになった。
『皇太子聖徳奉讃』には、
大慈救世聖徳皇
父のごとくにおはします
大悲救世観世音
母のごとくにおはします
と、聖徳太子を親のようにお慕いに。
昨年4月、聖徳太子1400回忌が本願寺でも営まれたが、コロナ禍でひっそりと。
各地でさまざまな聖徳太子展が催されたようだけど、ひとつも観れず。。。
京都にいた頃、お彼岸に奈良法隆寺聖霊院のお会式にお参りさせていただいたことがある。
お供物がとにかく凄かったということと、普段はお目にかかれない聖徳太子摂政像(国宝)を間近に観ることが出来たことを今でも思い出す。
専徳寺には、本堂内陣の左余間(外陣より向かって右側)、御厨子のなかに聖徳太子孝養像が。
父である用明天皇の病気平癒を願い、柄香炉を持って仏さまに香を献げる16歳の時のお姿だそう。
孝養
専徳寺には中国の親孝行の物語を集めた二十四孝の彫刻があったり、この本堂を建立した時の住職、大洲順道の想いがそこにあったのかなぁと、ふと。
2月3日(木)
今日は節分、明日が立春。
暦の上ではもう春。
まだまだ寒いけれど、光が春めいて。
一昨年、鐘楼の南に植えた薄墨桜。
今年もつぼみが付いていないので、この春も恐らく葉桜スタート。
それでも去年倍くらい大きく育ったので、今年はどれくらい?と楽しみに。
昨年このまわりにいろいろと植えてみたものの、冬場は落葉して何とも寂しい限り。。。
一昨年はスナゴケを桜の根元に植えてみたけど、ネコに荒らされたり、日当たりも良すぎて、ここでは無理なのかなと。
そこで、日当たりの良いところでも育つ植物をいろいろと調べて、たどり着いたのが
サギゴケ(ムラサキサギゴケ)
名前はコケだけど、コケの仲間ではなく、地を這うように広がっていくのでコケの名が付いているとか。
日本にも自生する丈夫な植物なので、グランドカバーとしてもおすすめだそう。
グランドカバーとして地面を緑で覆うことで、少しくらい違ってくるかな?
このスペースでは微々たることかも知れないけれど、とりあえず小さなことから。
先日、植物のまわりに〈まくだけで蘇る〉という土を撒いてみた。
そして、本日届いたサギゴケを桜のまわりやあちこちに。
これが這うように広がっていくのだそう。
乾いた場所に緑が加わると、やっぱりいいな。
今日は午後、職人さんに本堂のお内陣を見ていただいた。
御本尊の阿弥陀如来、足下の蓮台のまわりにさらに花があるのは、なかなか珍しいお姿なのだそう。
また、衣に絵が施され、よく見ると
蓮の花が。
この角度から仏さまの姿をしげしげと見ることがないので、聞いてびっくり。
専徳寺の阿弥陀さまは蓮が描かれた衣を着け、蓮台には蓮と牡丹?
今年も花を楽しんで。
1月13日(木)
呉市も広島県内でも新型コロナウィルスの新規感染者が過去最高だと。
そんな中、今日は午前中御自宅での17回忌の御法事に。
御主人の17回忌のご縁。
法話中ずっと肩を震わせ、よっぽど仲がよかったのかなぁと思っていたら、法事が終わると息子さんから「母が明日、〇〇(老人ホーム)に入所するんです。この家は誰もいなくなるので、今すぐではないけれど、近いうちに取り壊しになると思いますので、その時にはまた相談させてください」と。
それで、自分の隣に亡くなられた御両親の写真を並べ、ここでの最後の御法事をみんな揃ってお迎えになられたのか。
おりん
お佛だんかえたけど
おりんは どうしても
かえ難かったこのおりんは ご先祖さまも
母も 祖父母も ならされて
お別れにも ならした
おりんだ(『樹にきく 花にきく』宇野正一 柏樹社)
このお仏壇で迎えた最後の御法事。
この詩のように、このおりんの音色で、いろんな方のご縁に遇ってこられたのだなぁと思うと、何だか尊く。
コロナで法事の延期・中止、自宅から本堂への変更の連絡がチラホラと。
でも、今日は御自宅でお参りできて、何だか有り難く。
※1月20日(木)に予定されていた呉東組聞名講例会(法謙寺)は中止になりました。
1月9日(日)
まんぼう(まん延防止等重点措置)がいよいよ本日より31日まで。
御法事を延期したいというお電話をいただいたり、法事をもっと先に考えていたけれど、先が見えないから今日にでもお願いできますか?とお電話をいただいたり。
そんな中、今日の御法事で〈蓮〉の法話をしたら、大変喜んでくださって、「亡くなった母も喜んでると思います。花が好きだったから」と。
今日のご縁に導いてくださったお母さんも一緒にここでお聴聞してくださったんだぁと思うと、何ともありがたい。
「聞くとは」
今朝の朝日新聞朝刊、〈折々のことば〉より。
御正忌に向けて、いろいろと本を取り寄せたのだけれど、11日・12日と予定されていた小坪説教所の御正忌も中止の連絡があり、しばらく出番がなさそうな。。。
その中の1冊、本願寺出版社の『出遇えてよかったね』(宮崎幸枝)に、
「その脳の中にない話を聞いているのです! 私の側には、仏さまのお覚りの中身の持ち合わせは点数を付けたら零点。偏差値の高い大学出の賢い人も零点。ノーベル賞受賞者も零点。零点の人間からすれば、仏さまの百点満点のお覚りの中は不明。脳が解釈をつけて、まとめようとすると聞き間違うだけ。だからただ聞こえてくるお説教とお念仏の声を聞くだけ。それが身に滲みお育てに遇うのです。ただ念仏。お前の口にナマンダブツと出て救う・・・・・・と言われ、ありがとうございます、ナモアミダブツとお礼をするばかり。みんな零点同士。聴聞の点数は、こっちが零点のままで満点」
と。
そのまんまをそのまんま聞く。
親鸞聖人も「聴聞」の左訓に、〈ユルサレテキク シンジテキク〉と。
今日から本願寺では御正忌報恩講。
インターネット中継もあるのでそちらでどうぞ。
10月1日(金)
今日から10月。
一昔前なら“衣替え”。
“暑さ寒さも彼岸まで”、朝晩は秋の気配を感じるようになったけど、日中はまだまだ。。。
でも、今日は白岳地区での報恩講お参り中に、モズの声を聞いた。
コスモスも咲き、稲穂も。 続きを読む