広南小学校読み聞かせ(34)

12月1日(月)

いよいよ師走。

今朝は広南小学校読み聞かせ。

担当は3、4年生。初めて2学年合同。

 

4年生の教室に行き、「今日は3、4年生、合同で読み聞かせをしますから、3年生の教室に移ってください」と。

さすが4年生。さっさと椅子を持って、3年の教室に行き、後ろに並んで座る。

3年生も、上級生が一緒だからか、いつもよりピンと背筋を伸ばして。

 

今日の絵本は、

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『おおきなゾウとちいさなゾウ』  (たしろちさと作)

 

水の楽園、オカバンゴへと向かうゾウの群れ。

そのなかにお母さんと一緒にいた小さなゾウが、砂嵐では迷子になってしまった。

 

そこで知り合った一匹の大きなゾウ。

ぶっきらぼうな大きなゾウは、小さなゾウとオカバンゴへ向かうことに。

 

群れずに行動していた大きなゾウは、小さなゾウと知り合ったことで、自分に勇気があることを知り、ホンの少し仲よくもなれた。でも、・・・。

 

とってものどかな物語。

思いの外、静かに聞き入って。

 

感想は聞けなかったけど、どんなふうに感じたかな。

2014年12月1日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(33)

11月17日(月)

今朝は広南小学校読み聞かせ。

担当は3年生。

今回の読み聞かせは、学校から「ともだち」がテーマとして出されていたので、クラスの雰囲気を思い浮かべて選んだ本は、

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『ゴリオとヒメちゃん』。

イギリスのアンソニー・ブラウンの絵本。

とっても絵がきれいでユーモラスなので、引き込まれるかなと。

 

手話のできるかしこいゴリラのゴリオ。

でも、友達がいなくて寂しいと、ある日世話係に、

「ぼくが・・・

ほしいのは・・・

ともだち」

と伝える。

世話係は、一匹の子ネコ、ヒメちゃんを連れて来る。

 

ゴリオとヒメちゃんがとっても仲良しになったのだが、ある日、ゴリオがイライラしてテレビを壊してしまう。

世話係が走ってきて、

「だれが テレビを こわしたんだ?」

とか、

「こんなことじゃ、すぐに ヒメちゃんを つれてださなきゃ ならないな」と。

 

そのあと、何とも意外な展開が・・・。

 

予想どおり、みんな静かにゴリラの素敵な絵に見入って。

思いやるこころを大切に。

 

2014年11月17日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(32)

11月10日(月)

今朝は広南小学校読み聞かせ。

担当は6年生。

当初、2年生を担当することになっていたが、先週末に6年生へと急遽変更。

何にしようかと、手持ちの本から選んだのは、

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900年も昔、鳥羽僧正が描いたと伝えられる『鳥獣戯画』。

その『鳥獣戯画』甲巻に描かれた絵に、物語を添えたおはなし名画シリーズより。

 

読み終えて感想を聞くと、「最初、題名を聞いて難しい本かと思っていたら、面白かった」とか、いろんな感想を。

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ちょうど今、京都国立博物館にて『国宝 鳥獣戯画と高山寺展』開催中。

この絵巻から、自分なりのストーリーを作るのも面白そうかな。

 

2014年11月10日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(31)

10月20日(月)

今朝はどんより曇り空。

朝から広南小学校の読み聞かせ。

今日の担当は5年生。

今日読んだ本は、『「ハニービスケット」の作り方』。

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先日の報恩講法要で、聞かせていただいた本を、早速。

 

「ハニービスケットを作るには、何がいるの?」と、台所でおばあちゃんに尋ねるベン。

おばあちゃんが、孫のベンに必要な材料を次々と教えていく。

「ぼくのハニービスケットには、
 めうしが1頭と、
 ミツバチ1000びきと、
 メンドリが1羽・・・、

 それに、サトウキビのはたけと、
 こむぎのはたけと、
 木の皮も、すこしいるんだ」

「みどりの草ときれいな花たちのたすけもいるわよ」

とおばあちゃん。

「それからいい土と、あたたかいおひさまと、
 それに雨も」

 

食べものは、たくさんの命、たくさんのご縁がととのって存在している。

 

先日、5年生は自分たちの植えた稲を刈り取った。

そんな話を聞いていたので、ちょうどよい話かなと。

 

「いただきます」「ごちそうさまでした」

このことばの意味がすぅっとこころに。

 

2014年10月20日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(30)

10月6日(月)

心配された台風は、朝にはおさまって。

 

今年は月曜日が慌ただしくなったため、小学校の読み聞かせは休ませていただくことにしていたが、人手が足らないからと声をかけられ、何とか朝の30分、万障繰り合わせて復帰することに。

今日の担当は6年生。

 

読んだ本は、オーストラリアの『ぶたばあちゃん』。

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『ぶたばあちゃん』と題名を紹介すると、クスっと笑いが起こったが、この本のテーマはいつも一緒に過ごしていた“ぶたばあちゃん”と“まごむすめ”の迎えた最期の時間。

重いテーマの中に、ぶたばあちゃんとまごむすめのあたたかい物語。

 

こうした最期を誰もが望むのかも知れないけれど、なかなかこんな別れは・・・・。

 

でも、ぶたばあちゃんが最後の「ごちそう」と散歩に出かけ、まごむすめと一緒にいつも見ている光景を、「ごらん!」「ごらん!」と、

こころゆくまで、ながめ、耳をかたむけ、においをかぎ、すべてを味わうことができたのです。

 

いつ最期を迎えても良いように、普段から目の前にあること、些細なことでもきれいだな、ありがたいなと感じられると良いだろうな。

 

6年生にはどんなふうに映ったか分からないけど、まごむすめのようなやさしい心で。

 

 

 

2014年10月6日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(29)

4月14日(月)

雨も上がり、青空のひろがる朝。

ツバメが飛び交い、コジュケイの声が聞こえてくる。

 

今朝は今年度初めての広南小学校読み聞かせに。

担当は6年生。

 

今日読んだ本は、

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マックス・ルケードの『たいせつなきみ』

ウイミックスと呼ばれる木の小人たちは、毎日同じことばかりをしていた。
ほかの小人に、金の星のシールか、灰色のだめじるしシールをはること。
なめらかな木でできた、絵の具もきれいにぬられた、かわいい小人たちは、いつでも星がもらえた。
才能のある小人たちもそうだ。
でも、あんまりいろんなことができない小人や、絵の具がはげている小人たちには、みにくい灰色のだめじるしシールがはられてしまった。
パンチネロは、そんな小人のひとりだった。
彫刻家エリは、パンチネロに、彼がどんなに大切な存在か ―ほかのウイミックスたちが彼をどんなにけなそうとも― を悟らせようとする。 (まえがきより)

「ダメ」というレッテルを貼られ、何にも自信のないパンチネロは、いつしか自分をダメな存在として・・・。

そんなパンチネロに、パンチネロを作った彫刻家エリは、他からどう思われているかが大切なのではなく、自分がどうあるべきかを伝えていく。

そして、あなたを大切に思っている私がいるということを。

 

新6年生、初めて出会う本だったようで、いろんなことを感じさせてくれる何ともいえない絵を通して、途中から食い入るように。

そして、読み終わったら、手をあげて感想も述べてくれた。

 

みんな自分らしくかがやいて。

2014年4月14日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(28)

3月17日(月)

今年度最後の広南小学校読み聞かせ。

担当は5年生。

 

今日読んだのは、

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『せかいでいちばんつよい国』

イギリスのデビッド・マッキー作。

子どもが小さかった頃に『ぞうのエルマー』というカラフルな象の絵本をよく読んだが、この作品もその作者。

 

ある国の大統領が、

「せかいじゅうの 人びとを しあわせにするためだ。われわれが せかいじゅうをせいふくすれば、みんなが われわれと おなじように くらせるのだからな。」

と、戦争をしては世界中を制服していった。

 

残ったのは、気にも留めていなかった小さな国だけ。

一つだけ残しておくのも気持ちが悪いということで、大統領は兵を率いてその国へ。

 

そこには兵隊がいない。武力もない。

そこを訪れた兵隊たちは大歓迎を受け、その小さな国の遊びや料理、歌を好み、仕事も手伝ったり。

大統領は「けしからん!」と、怠けてしまった兵隊を国へ返し、新たに兵隊をその国へ。

 

それでも、同じことの繰り返し。

 

そこで大統領は兵隊を少しだけ残して、自国へと帰っていく。

国へ帰ると、みんなが小さな国のいろんなことを真似ている。

 

こどもに歌を歌ってとせがまれた大統領は、思いついた歌を次々と歌うのだが、それはすべて小さな国の歌だった・・・。

 

『強い日本』・・・、どこかで聞いた言葉。

本当に強い国って何だろうと、問いかける物語。

 

春から6年生。

どんなふうに届いたかな。

2014年3月17日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(27)

3月10日(月)

青空はひろがるのだが、冷える朝。

今朝は広南小学校の読み聞かせ。

担当は4年生。

 

「『3匹の子ぶた』という話、知ってる?」

と尋ねると、

「食べられる話でしょ?」

と。

「食べられる?」

と、隣の子。

 

そう。

『3匹の子ぶた』は、食べられる話だったそう。

 

一般に知られる『3匹の子ぶた』は、ディズニー短編アニメーション映画にもあるように、藁で作った家をオオカミに吹き飛ばされた子ぶたが、弟の作った木の家に逃げ込む。その木の家も吹き飛ばされ、子ぶたたちは一番下の弟のレンガの家に。

レンガの家を吹き飛ばすことのできなかったオオカミは、煙突から忍び込もうとするが、火にかけてあった鍋に落っこちて火傷をし、逃げ去っていくというお話。

 

でも、元々のグリム童話では、藁の家を吹き飛ばされた子ぶたも、木の家を吹き飛ばされた子ぶたも、オオカミに食べられてしまう。

レンガの家を吹き飛ばすことのできなかったオオカミは、煙突から忍び込もうとするが、用意してあった鍋に落ち、釜茹でされ、一番下の子ぶたに食べられてしまうのだそう。

 

何とも怖~い童話なのだが、今日読んだ本は、

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『3びきのかわいいオオカミ』

『3匹の子ぶた』に登場するブタとオオカミが入れ替わって展開する話。

 

レンガの家、コンクリートの家、鉄骨と鉄条網で作ったセキュリティ万全な家。

やさしいオオカミがどんな家を建てても、凶悪な大ブタに次々と壊されてしまう。

 

使う材料を間違えたと気づくオオカミ。でも、何で作ったらいいのだろう・・・。

それで、今度は花をいっぱい使った家を。

 

風が吹けば吹き飛びそうな家。

でも、それを吹き飛ばそうと思った大ブタは、息を吸い込むたびに花の良い香を。

花の良い香に満たされたブタのこころは変わってしまった。

 

心の変わったブタをオオカミたちは招き入れ、そしてみんななかよく。

 

「犯罪学者」という肩書きをもったギリシャの作家、ユージーン・トリビザスの作品。

ユーモアたっぷりな中に、いろいろなことを感じさせてくれる。

 

柔よく剛を制す。

力に力で臨んでも、所詮対立しか生まれない。

そんなことを思いながら。

2014年3月10日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(26)

3月3日(月)

今朝はここ数日の霞もなく、青空のひろがるお天気に。

つぶ山からはウグイスの声が聞こえてきた。

 

広南小学校読み聞かせ。

今日は1年生を担当。

 

「前に出てもいいですか?」と聞いてきたので、「いいですよ」と答えると、みんな前に椅子を持って移動。

今朝読んだのは、

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「わたしのおひなさま」

おばあちゃんが、孫のももちゃんのからだを、お母さんの作ったおひなさまでさすってくれた。

そのおひなさまを川に流すと、川の底からすーっと手が出て、そのおひなさまを持って行った。

ももちゃんは、「かえしてー」と川へ飛び込み、追いかけていく。

 

おひなさまを持って行ったのはカッパのお父さん。

娘のかなこが病気で寝ている。

その娘を助けてほしいと、おひなさまをさすり続け、川へと流すと・・・。

 

ひなまつりは、川に流して厄払いをする流しびながはじまりといわれる。

 

浄土真宗では「厄払い」はしないけれど、この絵本を読むと、親が子を願うこころ、おじいちゃん・おばあちゃんが孫を願うこころは、いつの時代も、どんな世界でも同じなんだなぁと感じさせられる。

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もう10年くらい前になるが、1羽のシジュウカラのヒナが、巣から落ちて境内をヨチヨチと。

飛ぶことも出来そうになく、ネコに食べられたら大変だと思って、そーっと近づき、手を伸ばしたら・・・。

 

どこからともなく、親鳥が飛んできて、伸ばした手に小さなからだで体当たり。

「ごめんなさい!」

ずっと子どものことを心配で見てるんだなと。

そんなことを思い出した。

 

この本を読んだことのある児童は数人いたが、みんな静かに聞いてくれた。

感想も手を挙げてくれて。

「カッパのかなこちゃんが元気になってよかったです」と。

 

みんな、みんな、願われてる。

2014年3月3日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(25)

2月24日(月)

ソチ・オリンピックも終わり、今朝は2月最後の広南小学校読み聞かせ。

担当は2年生。

今日、読んだ本は、

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『オオカミくんはピアニスト』

2007年にアニメーション映画化され、カンヌ国際映画祭をはじめ、いろんな映画祭に出品されているようなのに、何故か日本公開のなかった作品。

 

こころやさしいオオカミくんはピアニスト。

でも、ひとりぼっち。

 

そのオオカミくんのもとへ、

「オオカミくんへ

ぜひ ピアノをきかせてください。」

と手紙が届く。

 

オオカミくんは、遠いその送り主のもとへピアノを引っ張って訪ねていく。

 

演奏のお礼に、カモメたちは魚を。

リスたちは木の実。

でも、オオカミの食べないものばかり。

それでも、オオカミくんは、「ありがとう」といただいて帰る。

 

ヒツジたちは、自分たちの毛で作ったセーターをお礼に。

喜んだのも束の間。

一匹のヒツジが、「オオカミは おなかがすくと ぼくたちを たべちゃうよ!」と叫んだので、みんな逃げ去ってしまう。

 

それでも、オオカミくんはみんなのことを思い続けて。

 

この本の帯に、「勇気の出る絵本  心をつなぐピアノの音色 きっと 誰かが待っている」と書いてあるのだが・・・。

 

それはともかく、いろいろと考えさせられる絵本。

自分がオオカミくんを招いたら、何のお礼をしよう?

オオカミくんは、なぜひとりぼっちなんだろう?

 

カモメたちは魚、リスたちは木の実。自分たちのなかで最大級のお礼だったに違いない。

でも、オオカミくんには・・・。

ヒツジたちは自分たちの毛で編んだセーターを。

でも、「オオカミは、ぼくたちをたべちゃうよ!」の一言で台無しに。

 

みんな、オオカミくんのことを知らない・・・。

 

読み終わって感想を聞いてみた。

一生懸命考えて何とか答えようとしている姿が印象的だったが、少し難しかったかな。

 

相手を思いやるこころを大切に。

 

2014年2月24日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku