広南小学校読み聞かせ(186)

6月14日(月)

今日は朝から広南小学校の読み聞かせ。

担当は2年生。

読んだ絵本は、

『いちにちじごく』  (作 ふくべあきひろ  絵 かわしまななえ)

 

昨年からコロナの影響もあり、読み聞かせの時間が1ヶ月に1度になったので、絵本の選択には結構悩んでしまう。
そんな中、ちょうど今月はいじめ撲滅月間と言う取り組みをしているので、これかなぁと思いながら

『いちにち〇〇』と言うシリーズの1冊。

地獄の描写はとってもリアルなので、怖がりな子には大丈夫かなと思いながらも。。。

 

絵本を出すなり、「知ってる~!」と数名。

わるいことをするお子様に。
 悪いことする子はいますか?」

と尋ねると、

「は~い!」

と数名。。。

 

大叫喚地獄だいきょうかんじごく黒縄地獄こくじょうじごく針山地獄はりやまじごく屎泥処しでいしょ不喜処ふきしょ焦熱地獄しょうねつじごく旃荼処せんだしょ龍旋処りゅうせんじょ双逼悩処そうひつのうしょ阿鼻地獄あびじごく

次から次に出てくる地獄に、し~ん。

最後の「見てるぞ」というふすまの奥の絵が見えづらかったみたいで、あとからもう一度そのシーンを見せると、みんな立ち上がってやって来た。

 

地獄は一定すみかぞかし

 

 

2021年6月14日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(185)

5月17日(月)

緊急事態宣言下での初の読み聞かせ。
他の学校行事は中止や延期、形を変えての開催となる中、「読み聞かせ」だけは何とか。

夜中の大雨も上がり、今日の担当は5年生。

読んだ絵本は、

『とんでいく』 (風木一人 作・岡崎立 絵)

絵本の帯には、

「前からも後ろからも読める しかけのないしかけ絵本」

と書いてあるので、この帯は外して、

「今日は不思議な絵本を読むので、よーく見ていてください」と読み始める。

前から読むと、〈タカ編〉。でも読み終わって後ろから読み進めると、〈ガンの子編〉に。

同じ絵なのに、順番が変わって文章が違うと、黒いシルエットの鳥がタカにもガンの子にも見えてきて、全然違った物語になってしまう。

私たちの見ている世界もそうなのかも。。。
同じ映像でも、順番を変え、そこにことばが加わるだけで、違った物語。

笑いの起こるような絵本ではないけど、この不思議な絵本に何かを感じてくれたら。

 

 

 

2021年5月17日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(184)

4月19日(月)

ちょっぴりひんやりと、さわやかな朝。

今朝は広南小学校、今年度初めての読み聞かせ。
担当はいきなり新1年生。

どんな子どもたちがいるのか、担任の先生はどなたなのか。
子どもが卒業すると、小学校の情報がなかなか。。。

新1年生にとって初めての読み聞かせの時間なので、読み聞かせを楽しみにしてくれるような絵本を。
そう思って、いろいろと考えて迷って。

選んだ絵本は、

『いいから いいから』 (作・長谷川義史)

このシリーズは、次男が好きで揃えた絵本の第1作目。
読み聞かせでは初めて読む絵本。

教室に入ると、小っちゃい かわいらしい1年生。
きちんと行儀よく笑顔で向かい入れてくれた。

初めてなので簡単な自己紹介をして、帯に書かれた

おこってはいけない
だれかがおこるとだれか
にでんせんして だれかが
またおこる。それがまた
だれかにでんせんしてなーん
にもいいことない。
せかいをへいわにするほんきの
あいことば「いいから いいから」

を読んでから『いいから いいから』。

みんな静かに聞いてくれて、時折笑い声。
読み終わった後は、元気よく手を挙げて笑顔で感想を。

こちらもドキドキしながら臨んだ読み聞かせ。
これからも楽しみに。

2021年4月19日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(183)

3月15日(月)

今朝は穏やかな朝。
今年度最後の読み聞かせ。

朝、学校へ行くと、先日石泉文庫の見学に来てくれた3年生の男子たちが寄ってきて、「今日は何年生ですか?」と。
そのあといろいろ聞かれたあと、控え室の図書館に向かうと、卒業間近の6年生が今日に限って押し相撲を挑んできた。

今日の担当は5年生。

東日本大震災から10年。

新しく関連絵本も出ているようで、その中から2冊。

1冊目に読んだのは内田麟太郎さんの短い詩の絵本。

『ひばりに』 (内田麟太郎 詩・うえだまこと 絵)

まず、奥書を読んでから。

大震災にあった子どもをはげます詩。
そんな思い上がった詩は書けませんでした。
でもわたしの気持ちは伝えたくて、
詩を書けない詩を書きはじめました。

あなたのところへも、小さな風がとどきますように。
                 内田麟太郎

どんなふうにこの詩を聞いてくれたかな。

そして、2冊目は、

『笑顔が守った命 津波から150人の子どもを救った保育士たちの実話
        (あいはらひろゆき 作・ちゅうがんじたかむ 絵) 

こちらはちょっと長かったけど、保育所で子どもたちを救った保育士さんたちの笑顔の話。

もし今、もっと大きな地震、もっと大きな津波が来たら、いったいどうやってこの子たちを守ればいいのか。
怖くて、怖くて、涙が出そうになりました。
他の先生たちも、みんな一緒の気持ちだったと思います。
不安で胸が張り裂けそうだったと思います。
でもみんな笑っていました。
こういうときだからこそ、子どもたちを不安にさせないようにみんな笑っていました。
だから、私も笑いました。

こちらの絵本の方がダイレクトに子どもたちには伝わったみたい。
じっと聞き入って、笑顔で感想を述べてくれた。

次の日曜日はいよいよ卒業式。

笑顔で迎えられますように。

 

 

 

 

2021年3月15日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(182)

2月15日(月)

今朝は久しぶりの読み聞かせ。

先月、当番に当たっていた日、長男が風邪をひき、熱があったため、学校を欠席。そのため、次男も欠席扱いにならない特別欠席。そして私たちも読み聞かせを急遽休むことに。

あとで話を聞くと、その朝、読み聞かせをしてくださったお母さんから話を聞いた中学生の娘さんが、友だちを誘って学校に許可をもらい、朝の時間を抜け出して読み聞かせをしてくれたのだとか。

そんな話を聞くと、ずっと続けてきて良かったなぁと、子どもたちの成長に感動。これまで月曜日の中学校の代休に、読み聞かせボランティアを呼びかけると、必ず何人かしてくれていたけど、この1年はそれも出来なかった。

それでも、こうして帰ってくる場所があると、こんなうれしい話も。
そのためには帰る場所を暖めておかないと。

雨上がりの朝、今日の担当は6年生。

読んだ絵本は、『会いたくて 会いたくて』 (室井滋 作・長谷川義史 絵)

コロナで会いたくても会えない、そんな今を描いた女優 室井滋さんと長谷川義史さんによる最新作絵本。

老人ホームに入所しているおばあちゃん。
お母さんから「行っちゃダメ!」と止められたボクはこっそりと。

「大切なのは人を思う心。
 気持ちが強ければ、行けなくても
 会えなくても、いろんなものが
 キラキラと輝いて見えてくる。」

おばあちゃんの作ってくれた糸電話で。。。

 

来月もう1回残っているけど、我が子の前でするのは最後。

何冊?この子たちに絵本を読んだかなぁ。

保護者としては次回が最後。
次年度からはメンバーが足らないようだったら、地域ボランティアとしてI’ll be back.の予定。

 

 

 

2021年2月15日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

被爆樹木

2月11日(木)

先日、広島別院で被爆樹木のソテツに初めて気がついた。

帰っていろいろ被爆樹木のことを調べていたら、いいことをいっぱい見つけることが出来た。

その一つが、この絵本。

-被爆樹木の絵本-
きっと きこえるよ

広島市内の小学校で読み聞かせボランティアをしている主婦の方2人が手がけた絵本。

以前、自費出版で地元の図書館や学校、幼稚園などに寄付をすると言うような記事を見たのはかすかに記憶が。。。(中国新聞 平和メディアセンターHP

その絵本が手に入るホームページを見つけたので、すぐ発注。(きっと きこえるよ購入サイトHP

すると、あっという間に本日届いた。

立派な絵本。

しかも見開いてすぐに、見開きにいろんな色が散りばめられた紙。
すぐに平和公園の折り鶴から作られた再生紙だと気づく。

読み聞かせには、あっという間に終わってしまうかもと思うような感じだけど、伝わってくるものはしっかりと。

また、後半には被爆樹木のいろいろな紹介。
そこに、認識番号の見方が。

被爆樹木のプレートに書かれている番号。

広島別院のソテツは、N11b20-01

Nは、爆心地から見た所在地の方向。(爆心地から北側)
11は、爆心地から所在地までの距離。(1150m。1100m台と言うことで11)
bは、aが移植されていない。bは移植されている。(別院のソテツは移植されているのでb。)
01は、同じ所在地での通し番号。

と、そんな認識番号がついているらしい。

被爆樹木は、何と!爆心地に向かっているのだそう。

その声を聞く。

聞きたいな

と、思って。

被爆樹木、これから。

 

 

 

2021年2月11日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(181)

12月14日(月)

今朝は今年最後の広南小学校読み聞かせ。

新型コロナ感染者が県内で増えてきて、この読み聞かせもいつ中止になるやらと心配しながら、気をつけながら。

今日の担当は3年生。

読んだ絵本は、

『もみの木』 (せなけいこ 絵・石井睦美 文・アンデルセン 原作)

今年、コロナ禍の中、何とか観に行くことの出来た特別展『せなけいこ展』(ひろしま美術館)。

その特別展に合わせて、絵本作家デビューの前夜に出来た原画が、何と50年以上も経って昨年絵本化された。

アンデルセン原作のちょうど今の時期にふさわしい絵本なので、がんばっていつもよりも長いけど。。。

今、この瞬間の幸せを大切に。(帯・関根麻里)

今年はコロナで今を幸せと感じられないかも知れない。

コロナが終わったら、あれしよう、これしよう。何をしようかと、ついそればかり考えてしまう。

でも、考えてみたら、ステイホームが長く続き、いつもと違った生活をする中で、いろんなことを感じることが出来たような気はする。

それを幸せと思えないかも知れないけれど、これも大切な《ご縁》なのかな。

 

15分ほどかけて読み終わり、感想を聞かせてもらおうと思ったら、

「言いたいことがあったんだけど、長すぎて忘れちゃった」

申し訳ない。。。
でも、長い話をみんな静かに最後まで聞き入ってくれたので、何かしら感じてくれたかな。

今を大切に、今を楽しんで。

 

 

 

2020年12月14日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(180)

11月16日(月)

今朝は穏やか。
今年度は、月に一度となった広南小学校読み聞かせ。

担当は、初めての1年生。
今年度はコロナの影響もあって、ようやく3回目の読み聞かせ。

初めてなので、とりあえず自己紹介をして、学習発表会が今週末に近づいてきたので、

「学習発表会で1年生は何をするんだっけ?」
「スイミー!」
「スイミーの作者は?」
「・・・」
「レオ・レオニです。今日はそのレオ・レオニの絵本を最初に読みます。」
と。

『じぶんだけの いろ いろいろ さがした カメレオンの はなし(レオ・レオニ 作・谷川俊太郎 訳)

ほかの動物たちには、それぞれ色がある。
でも、カメレオンはまわりの色に合わせて変わるため、自分の色がないことに嘆いていた。
葉っぱの上にずっといれば、自分の色は緑になる!と思って葉っぱに乗ったけど、秋になると黄色に変わり、赤に変わり、風が吹いて落ちてしまった。。。
諦めかけてるところに、年上のかしこいカメレオンがこう言った。

「でも,ぼくら いっしょに いて みないか?
 いく さきざきで やっぱり いろは かわるだろう,
 だけど きみと ぼくは いつもおんなじ。」

 

そして、次に読んだのは、

『ともだちや』 (内田麟太郎 作・降矢なな 絵)

表紙を見せるなり、ちょっとざわッとなったので、「知ってる人!」と聞くと、全員が手を挙げた。
「教頭先生に読んでもらいました。」
「じゃぁ、もう一回聞いてください。」
と。

森一番のさびしんぼうきつねが、

「えー、ともだちやです。
 ともだちは いりませんか。
 さびしい ひとは いませんか。
 ともだち いちじかん ひゃくえん。
 ともだち にじかん にひゃくえん。」

「ともだちや」となって、ウズラやクマやオオカミと。。。

  

読み終わって、どっちが好きか聞くと、『じぶんのいろ』にはパラパラと手が挙がっただけで、圧倒的に『ともだちや』。

何人か感想を言ってくれ、それぞれ好きなシーンが違ってて面白い。

学習発表会は、コロナ対策で自分の子どもの出番しか見ることができないので、1年生のスイミーは見れないけれど、初めての発表会、がんばって!

 

 

2020年11月16日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(179)

10月19日(月)

今朝は今月一度の広南小学校読み聞かせ。

コロナ禍の中、どっちの本にしようかと迷ったけど、せっかく与えられた貴重な時間なので、欲張って2冊読むことに。

担当は4年生。

1冊目に読んだのは、

比較的読むところの少ない『がまんのケーキ』(かがくいひろし)

みんないろんなガマンをして生活してるはず。

そこで「ガマン」をちょっと考える絵本。

こいたろうくん かめぞうさんは けろこさんを まつことが できるのか!? はたして3にんの ゆうじょうは!?
かがくいひろしが贈る、人情・ユーモア てんこもり! 絵本。(帯より)

このコロナ禍で、〈我慢〉と〈辛抱〉は違うといろんなところで見かけたけれど、どちらも仏教用語から。

《我慢》は、現在の〈辛いことを耐え忍ぶ〉とは反対の〈私の慢心〉という言葉から生まれ、《辛抱》は〈心法(自分の心をコントロールする)〉という言葉から生まれたとか。

それはそれとして、ちょっと楽しくガマンを考えてくれたらなと思いながら。

そして、2冊目は、

『だいぶつさま おまつりですよ』(文 苅田澄子 絵 中川 学)

以前読んだ『だいぶつさまのうんどうかい』の続編。

いろんな仏さまがたくさん出てくる中、大仏さまは大きすぎてなかなかお祭りを楽しめない。でも、その大仏さまだからこそのお祭りが。

今年は祭どころではなくなったので、お祭気分を楽しんで。

 

読み終わって、どっちが好きか尋ねると、『がまんのケーキ』が一人だけ、そのほかの子たちはすべて『だいぶつさま おまつりですよ』に手を挙げてくれた。

 

終わった後、読み聞かせをしてくださった方から、娘がSDGsのバッジを欲しがっていて、「大洲君のお父さんが付けてたよ」と教えてくれたとか。
輪袈裟の左側には東日本大震災の時の〈願〉バッジ、右側には実践運動の流れでSDGsのピンバッジをいつもつけている。

些細な事でも、見てくれる人は見てくれるんだな。

帰宅してすぐに通り報恩講。
今日は読み聞かせがあったおかげで、一軒目から声の調子良く。

 

 

 

2020年10月19日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(178)

9月14日(月)

コロナ禍で今年の2月を最後に、ずっと無くなっていた広南小学校の読み聞かせがようやく再開。

朝から久しぶりの絵本読み聞かせ。
これまでと違うのはマスクをしたまま。

何の絵本にしようか迷ったけれど、先日からのアナグマつながりで、手持ちのスーザン・バーレイの絵本にしようと選んだ絵本は、

『わたしのおとうと、へん・・・かなあ』
 (スーザン・バーレイ 絵・マリ=エレーヌ・ドルバル 作)

このお話は、フランスの〈幼年期と染色体異常を考える21世紀の会〉の提唱で創られました。

うさぎのリリは、弟のドードが大好き。
でも、リリは心配。だってみんなとちがうんだもの…。

生まれつきの障碍をもった弟と姉のリリの物語。

 

最初、本を取り出すと、

何か長そう。。。

とつぶやきが。。。

でも、みんな静かに聞き入って、読み終わると。

え?もう終わった?

と。
長さを感じさせなかったかな?

障碍のことについては、今はそれほど理解出来てなくても、こういう絵本を通して、いろんなことに触れていくことも大事かなと思いながら。

 

このスーザン・バーレイさんのあなぐまシリーズには、アナグマがとってもやさしく誰からも愛されるキャラクターとして描かれている。

何故だろうと思って調べてみたら、バーレイさんの母国イギリスでは、アナグマは人気者みたい。
でも、アナグマに結核菌が見つかったことから、間引き計画が起こり、それをクイーンのギタリスト、ブライアン・メイ氏が中心となり、反対運動を繰り広げることに。

《参考》ブライアン・メイとアナグマ

先日アナグマが見つからなかったら、スーザン・バーレイさんの本を思い出すこともなかっただろうし、イギリスでそんな問題が起こっていたことも知ることはなかったかも知れない。

大坂なおみさんがテニスの全米オープン女子シングルスに出場し、2度目の優勝を遂げた。
7試合すべてに着用していた黒いマスクには、人種差別に抗議して、事件などで巻き込まれて亡くなった7名の黒人男性や女性の名前が記されていた。
その行動の理由を、
「みんなの考えるきっかけにしたかった。(略)皆が話をしているのがわかってうれしかった」
と答えたそう。

今日の絵本、考えるきっかけになればいいな。

 

2020年9月14日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku