盂蘭盆会(2) 小坪説教所

8月8日(木)

昨日に引き続き、小坪説教所の盂蘭盆会が朝席と昼席。

ニュース23』で、一昨日から女優の綾瀬はるかさんの「戦争を聞く」という特集があり、たまたまそれを見た。

一昨日は「生ましめんかな」という栗原貞子さんの詩が紹介され、その詩に登場する赤ちゃんが今もご健在だということで、その方を訪ねていく。

そして、そこに一人の助産師さんが登場。

その助産師さんは、7歳の時に原爆に遭った。
その数日後に、この赤ちゃんが生まれたことを伝え聞いて感動し、助産師になることを決心したのだと。

地獄絵のようなビルの地下室で、みんなが赤ちゃんの誕生を見守った。

地獄のようなありさまでも、そこには「人間」の姿があった。

 

今は人間の住む世界に住みながら、地獄・餓鬼・畜生のこころを持っているような歩みをしてはいないだろうかと・・・。

 

お盆

みんなが集まって、先に往かれた方を偲びながら、いろんなことを聞かせていただくご縁。

伝え聞くなかで、いろんなことに気づかせていただく。

 

今日も、境内に植えた福島ひまわり里子プロジェクトのひまわりもすくすくと。

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専徳寺の門前の電線には、今年長浜で巣立ったツバメたちがたくさん。

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暑い暑い毎日が続くが、みんなみんなそれぞれの命を生きている。

 

今夜は仏教壮年会の納涼会。

いつもより1時間早いスタート。

本堂で重誓偈のおつとめをし、少し話をしてから場所を集会所に移して。

 

あまりにも暑すぎて、今日の予定を忘れて呼び出された方もチラホラ・・・。

お互いからだに気をつけて。

2013年8月8日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku

盂蘭盆会(1) 小坪説教所

8月7日(水)

今日の昼席から明日の昼席まで、4席小坪説教所の盂蘭盆会。

盂蘭盆会、お盆、歓喜会、いろんな呼び方があるけど、お盆ってどんなこと?

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絵本を通して、世間的に伝わっている「お盆」をまずはお話。

そして、餓鬼草紙に描かれた『盂蘭盆経』のお話を。

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お盆にまつわることをということで、「帰省」という言葉を調べてみた。

この帰省には、故郷へ帰るという意味だけでなく、親の安否を気づかって故郷へ帰るという意味があることは、以前から知っていたのだが、調べなおして、これは朱慶余の漢詩にその出典があると知る。

そこでその出典を探せど探せど見当たらない。

ふと「帰」でなく、「歸」だと気づき、中国語のサイトでようやく見つかる。

《送張景宣下第東歸(歸揚州覲省)》朱慶餘

 歸省値花時,閑吟落第詩。

 高情憐道在,公論覺才遺。

 春雨連淮暗,私船過馬遲。

 離心可惆悵,為有入城期。

『全唐詩』の中にあるようだが、そこから先が分からない・・・。

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ただ、そんなことを調べていて、『帰省』というタイトルの中島みゆきの歌があることを知った。

夜席では、その歌を聞いていただく。

 

 帰 省

遠い国の客には笑われるけれど
押し合わなけりゃ街は 電車には乗れない
まるで人のすべてが敵というように
肩を張り肘を張り 押しのけ合ってゆく

けれど年に2回 8月と1月
人ははにかんで道を譲る 故郷(ふるさと)からの帰り
束の間 人を信じたら
もう半年がんばれる

 

機械たちを相手に言葉は要らない
決まりきった身ぶりで街は流れてゆく
人は多くなるほど 物に見えてくる
ころんだ人をよけて 交差点(スクランブル)を渡る

けれど年に2回 8月と1月
人は振り向いて足を止める 故郷からの帰り
束の間 人を信じたら
もう半年がんばれる

けれど年に2回 8月と1月
人は振り向いて足を止める 故郷からの帰り
束の間 人を信じたら
もう半年がんばれる

 

生前において強欲で嫉妬深く、物惜しく、常に貪りの心や行為をした人が死んで生まれ変わる世界を餓鬼の世界というそうだが、ふり返ってみれば、今がまさに餓鬼。

 

8月と1月、盆と正月、帰省先で人間としての心を。

 

親の安否を気づかって故郷へ帰るといいながら、親が子の安否を気づかって呼び戻す姿がそこにある。

そこで、「人間」としてのお育てをいただくのかな。

 
 

暑いなか、ようこそのお参りでした。

2013年8月7日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku

原爆の日

8月6日(火)

朝、境内に一輪の白百合が咲いた。

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昭和20年8月6日午前8時15分。

広島市に原爆が投下されたあの日から68年。

 

今年も8時15分に梵鐘を撞く。

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今年も長男が。

先日の日曜学校の平和学習に参加したので、去年とは少し違った思いで撞いただろうか。

 

その後、家族揃って本堂でおつとめ。

 

私も当時のことは伝え聞くだけだが、伝え聞くこともなくなったら、あの戦争も・・・。

 

お盆のことをいろいろと調べていて、『盆まねき』という本に出会った。

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 俊助おじさんは一九四五年に一度死んでしまいましたが、のこされた家族の心のなかでずっと生きつづけていたのです。でも、やがて、おじさんをおぼえている人がいなくなり、みんなからすっかりわすれられたとき、俊助おじさんは、こんどこそほんとうに、この世から消えてなくなってしまうでしょう。
 戦争で命を落としたおじさんを、もう一度死なせたくなかったわたしは、俊助おじさんという人がいたことを、そして、おじさんを愛する家族がいて、その人たちは戦争がおわってからもずっと、大切な人をうしなったすきまを胸にかかえて、善良に、ほがらかに、一生懸命生きていたのだということを書いておきたいと思いました。この物語はわたしの家族の物語ですが、あの大きな戦争のあとには、日本中に、いえ、世界中に、こんな家族がたくさんいただろうと思います。

今日は特別養護老人ホームにて、お盆を前にこの1年間に亡くなられた入居者の方々の追悼法要をおつとめさせていただいた。

ご遺族、ホームに入居されている方、職員と、いろんな方がそれぞれに故人を偲びながらのご縁に。

 
 

お盆。

 

浄土真宗の御法義からすれば、施餓鬼もなければ、精霊もない。

ただ、先に往かれた方々を偲び、ご縁にあう。

平生が難しければ、せめてお盆、お彼岸に。

 

呉市10,000人のラジオ体操

8月4日(日)

今朝、広南小学校の校庭で、呉市10,000人同時ラジオ体操開催。

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当初は7月28日(日)に予定されていたが、当日雨のため今日に延期。

夏休みの平日、東子ども会が広南小学校、その他の胡子・明神・沼田の子ども会が入江神社でラジオ体操を行っているが、今日は主催が違い、子どもだけでなく、地域のみなさんが集まって。

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広南小学校では115名の参加があったとか。

朝早くからお疲れさまでした。

2013年8月4日 | カテゴリー : 地域 | 投稿者 : sentoku

アンデルセン物語に

8月2日(金)

今日は午後から広島の本通りにあるアンデルセン本店に。

アンデルセン創業者の故 高木俊介氏の夫人、高木彬子さん(現アンデルセン相談役)と、このたび『アンデルセン物語』を書いた一志治夫さん、そして、その本が出来るきっかけとなった水戸岡鋭治さんによる、『アンデルセン物語』出版記念の鼎談が行われたので。

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実はこれ、長男が水戸岡鋭治さんの大ファン。

水戸岡鋭治さんと言えば、JR九州の列車で知られるデザイナー。
来年3月まで満席とニュースで伝えられる豪華列車「ななつ星」もこの方によるもの。

そんなこともあって、こんなイベントがあると知り、早速申し込み。

 

それで、小学校4年生の長男を連れて、2人でアンデルセンに。

4階の受付に行くと、出版記念とあって、紺のスーツにネクタイ姿の男性、着飾ったご婦人の姿。

そんななかに、一応襟付きではあるが、かなりラフな格好の親子・・・。

 

そんな姿は周りにあるわけもなく、何とも場違いなところに・・・と思っていたけど、今日の鼎談を聞いていると、こんな私たちで良かったんだと。

 

親が子と一緒に訪れ、その子がまたその子どもと一緒に訪れる。

それがこのお店の求める姿だそう。

 

長男は0歳の頃からこのアンデルセンに。

確かにここは小さなお子さん連れの家族の姿をよく見かける。

子連れでも、安心して過ごせる心地よいお店。

 

水戸岡さんの列車もそう。
3世代で乗れる列車というのが、コンセプトにあるそう。

 

寺もそうありたいもの。

おじいさん、おばあさん、お父さん、お母さん、そして子どもたち。

みんなが一緒に集まって、心地よく感じ、来て良かった、また来てみたいと思うような姿が理想的。

そんなことを思いながら・・・。

 

念仏の声を世界に 子や孫に

 

2013年8月2日 | カテゴリー : 地域 | 投稿者 : sentoku

呉東組法中会

7月31日(水)

連日、暑い暑い日が続く。

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それでも、鐘楼前の木でクマゼミがけたたましい声で鳴いている。

大きな大きな響く声。

それでも、こんな声でのお経は・・・。

何事も、ほどほどがよろしいかな。

 

今夜は阿賀の称名寺にて、住職方が集まっての呉東組法中会。

いろいろと教区、組の確認。

そして、昨日行われた「ご縁の会」の報告。

 

昨日は春と秋に開かれているご縁の会とは、少しおもむきの違う初めての試み。

お仕事帰りに参加できるようにと、20時から1時間ほど開かれた。

 

その報告書等を作っていたため、昨日はブログをおやすみ。

 

何ごとも、何がご縁となるか分からない。

 

昨日は朝から息子たちと五日市の造幣局の見学。

これもひょんなことから5月の末に地方自治法60周年記念の1,000円銀貨(広島県)が抽選で入手出来ることを知る。

それも、締め切り日当日に。

 

これも何かの縁と、はがきを出したら、何と当たって、額面1,000円の銀貨を6,000円で!?

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そんなこともあって造幣局のホームページを見ていたら、たまたま夏休みに3日間、申込なしで見学できる、「夏休み!特別工場見学」というのがあるのを知る。

 

造幣局の見学なんて、小学校の時以来かな・・・と思い起こすが、何も憶えていない。

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熱く熱く熱せられた金属が延ばされて、そして、だんだんと硬貨になっていく様子を、汗だくになりながら見学。

お金を作るのも大変な作業だな。

 

この見学も、ホントにいろんなことが重なって生まれた大切なご縁。

親も子も、夏休みのはじめに良い社会勉強となった。

 

何ごとも何ごとも、大切なご縁。

なもあみだぶつ

2013年7月31日 | カテゴリー : 呉東組 | 投稿者 : sentoku

広商店街 土曜夜市

7月27日(土)

アブラゼミやクマゼミが、こんなに暑いのに。

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蟪蛄春秋を識らず、この虫あに朱陽の節を知らんや。

 蟪蛄(けいこ)とはセミ。
 朱陽(しゅよう)の節(せつ)とは夏のこと。

 

セミは夏の季節だけを過ごすので、春と秋と(冬と)を知らない。
そうすると、この暑いのが夏という季節であるということさえも分からないのではないか?

これは、中国の曇鸞大師の『往生論註』に出て来ることば。

 

「生きてる」っていうことが分かるのも、「死んでく」いのちってことを知るからこそ。

 

「猛暑」、「酷暑」、連日天気予報で耳にするが、子どもたちにとって、「夏日」「真夏日」「熱帯夜」なんてことばは昔話。

こんな暑い暑い夏しか知らないのだから。

 

今夜は広商店街の土曜夜市に。

次男の通う幼稚園の作品が展示されているので。

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そこには“ひまわり”がいっぱい。

 

ちなみに、境内に芽を出した福島ひまわりの里子たちも、すくすくと。

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知らないことをいかに知らせるか。

親の夏休みの宿題。

2013年7月27日 | カテゴリー : 地域 | 投稿者 : sentoku

我聞会 7月例会

7月23日(火)

久しぶりに朝から一人で映画館へ。

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福屋本店にある八丁座で『じんじん』を鑑賞。

先日、たまたま『徹子の部屋』に大地康雄さんが出ていたのを見て。

 

北海道の剣淵という町での話。

この剣淵には絵本の館というのがあって、絵本の読み聞かせを通して親と子、人と人とのつながりを大切にしているのだそう。

みんな、“My 絵本”を持っているとか。

そこで繰り広げられる心温まるストーリー。

 

冒頭のシーンで、

「パンダはパンダってだけで人が集まるんだよなぁ。」

と、主人公の銀三郎がつぶやく。

 

この映画の隣では、スタジオジブリの『風立ちぬ』を上映。
そちらには人が入り、グッズ類もたくさん。

ただ、パンダがいなくったって、旭山動物園にはたくさん人が集まってる。

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この絵本の絵を担当しているあべ弘士さんは、その旭山動物園で飼育係をされていた方。

先日、『どうぶつさいばん』を読み聞かせで読ませていただいた。 

 

私もこの年になって絵本の読み聞かせを通して、いろんなことを学ばせていただく。

この映画を通して、剣淵の絵本の話、いろんなところに伝わると良いな。

 

今夜は、住蓮寺にて我聞会。

輪読は『蓮如上人御一代記聞書』(148)(149)。

蓮如上人の御苦労を偲びながら、贅沢に走ること、今の裕福な姿が当たり前と思うことを誡めた御文。

 

法話は、「迷い」をテーマに聞かせていただいた。

そのあと、いろいろとお参り先での失敗談を聞かせていただく。

みんな、理想と現実の中で、いろいろと。

2013年7月23日 | カテゴリー : 呉東組 | 投稿者 : sentoku

伝承

7月22日(月)

午後から贈答用のハムを求めて安浦へ。

 

聞いたことはあったが、先日ギフトセットをいただいて、初めてその店のハムを美味しくいただいた。

それで、子どもたちも連れて、一緒にお店を訪問。

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駐車場から田んぼのほとりを通ってお店に。

ご主人からいろいろとお話を聞かせていただきながら、上に吊してあったずいぶん年季の入ったハムに目がとまる。

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すると、ご主人が惜しげもなくそれを下ろして、「切りたてが一番おいしいから」と、切りたての生ハムを試食させてくださる。

 

それを1枚頬ばった5歳の次男がひとこと、

「おいしいじゃん!」

手をかけ、ドイツ仕込みの味をここで伝えたいというご主人のハム。

好き嫌いのはっきりしている次男の口から「おいしい」と。

 

手間暇かけた美味しい伝統の味がずっと伝わると良いな。

 

帰りに田んぼのほとりを歩くたび、ピョンピョンと何やら田んぼの中に。

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よく見ると、小さなトノサマガエルがいっぱい。

そのあとを、今度はニョロニョロ。

ヘビが追いかける。

 

こんなに生き生きとした田んぼがあるってことは、良い環境が伝わっているのかな。

 

こちらも手間暇かけたお米作り。

 

今日は土用の丑の日。

朝から下の魚屋さんからうなぎを焼く香ばしいにおいが漂ってくる。

でも、日本のウナギは絶滅に瀕しているとか。

 

何事も伝えるもの、承けるものがいるうちに。

 

布袋葵とキリギリス

7月21日(日)

今日は参議院選挙の日。

今朝、玄関前のビオトープのホテアオイに花が咲いた。

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ホテイアオイ、漢字では「布袋葵」。

布袋って、七福神にも入っている袋(堪忍袋)を持って、デップリしたお腹を出して、ガハハと笑っているイメージの布袋さん。これが、中国では弥勒菩薩として祀られている。

弥勒菩薩といったら、太秦広隆寺の国宝第1号、弥勒菩薩半跏思惟像を思い浮かべるのだが、どうも布袋さんのイメージ・・・。

 

また、ホテイアオイを調べてみると、よその国では「青い悪魔」と呼ばれているのだそう。

 

昨日、本堂の石灯籠に何か気配を感じ、近寄ってみたら、

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そこにはキリギリスが。

それを見ながら、イソップの『アリとキリギリス』って最後はどんな結末だったかな?と思って調べてみると、・・・。

 

結末は大きく分けて2通りあるのだそう。

1つは、冬になり、夏場一生懸命働いていたアリに見捨てられ、餓死してしまった。

もう1つは、冬になり、困っているとき、夏場笑ってみていたアリから情けを受け、食べものを分けてもらって心を入れ替えたという話。

 

これにもいろいろと見方があるみたいだが、へ~っと、そこからいろんなことを思ってしまう。

 

政治の世界も、見方によっていろいろ違うのだろうが、お寺にとっては仏さまの教え、お念仏が伝わる世界が一番。

「世のなか安穏なれ 仏法ひろまれ」

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福島の里子、ひまわりはすくすく育ってる。