石泉文庫虫干し法座 4日目

7月19日(金)

石泉文庫虫干し法座、4日目。

朝席で御満座。

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今日も引き続き、石泉僧叡和上の信心のお話。

御講師のお寺、西教寺のご門徒さんも一緒にお聴聞。

 

譬如日光覆雲霧 雲霧之下明無闇

阿弥陀さまより届いた願い(光)。

光が届いたからこそ、真っ暗闇だった自分の姿が見えてくる。

 

夕べ聞かせていただいた妙好人 浅原才市さんの、

罪造り 罪つくる人は 仏なり
罪つくらざる人は 地獄なり
知識の教えを聞かぬから

自分の姿を知ったから、この教えを聞かせていただく。

有り難いご縁をいただいた。

 

法座が終わると、石泉文庫へ本をお返しに。

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石泉文庫までの車の通らない細い道。
みんなで運び、文庫では2階へ手渡しで上げていく。

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すべてがずっと伝わってきた昔ながらの手作業。

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こんなに暑いなか、ご協力ありがとうございました。

また、ようこそのお参りでした。 

 

南無阿弥陀仏

石泉文庫虫干し法座 3日目

7月18日(木)

石泉文庫虫干し法座、3日目。

今日も朝席が終わると、昨日の残りの半分を虫干し。

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朝のご讃題

「現世のすぐべき様は、念仏の申されん様にすぐべし。〔中略〕衣食住の三は念仏の助業也。これすなはち自身安穏にして念仏往生をとげんがためには、何事もみな念仏の助業也。」  (法然聖人『和語灯録』)

この念仏と助業の関係を、僧叡和上は安心の上では念仏ひとつ、助業は行儀(念仏者の生きざま)の上で語られると説いたところ、それが大瀛門下と助正論争に発展した。

 

法然聖人の念仏も親鸞聖人の念仏も一緒。
そして、仏教の中の浄土真宗。

これが僧叡和上の大きなスタンス。

 

如来よりいただいた「お念仏」。

大切なものだからと、お仏壇にそっとしまっておいたら何のことやら。

大切なものだからこそ、いつも心に、そして口に。

身のまわりのすべてがお念仏のご縁。

 

虫干しの様子を見せて欲しいと、午後からチョコチョコ尋ねてこられた。

俳句をしている方、歴史の好きな方。

これも、お念仏のご縁となれば。

 

3時から再び虫干しした本の片付け。

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2日間、良いお天気で無事干せた。

 

夜席では、僧叡和上の信心のお話を聞かせていただく。

久しぶりに僧叡和上の話を聞かせていただき、まだまだ勉強させていただかなければ!と。

 

今日の午後、昨日干し終わった僧叡和上関係の本をパラパラと見ていると、いくつか合わさった本の中に、『読錍領辞』なるものを見つけた。

その結びには、

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「光明叡尊者
      侍者下」

と。

「光明叡尊者」とは、光明寺僧叡?

大瀛和上が三業惑乱の際に著された『横超直道金剛錍』。
ここに僧叡和上が序文を書かれているのは知っていたが、これはその草稿本を読んで僧叡和上が添削をしたものか?
そんな本が出てきた。

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まだ、パラパラとしか見れていないが、

仏の三心  尊意今少し御考ありたく候。

なんて一節が出て来る。

尊者

「光明寺僧叡」と名告ったのは、寛政12年のみ。

40歳にして、誰から見ても「尊者」だったんだろうなぁ・・・と。

これが僧叡和上のことであればの話。

 

明日の朝席で御満座。

それが終わると、文庫へみんなでお返しする。

また、汗をかきかき、お念仏。

お誘いあわせてお参りを。

 

石泉文庫虫干し法座 2日目

7月17日(水)

石泉文庫虫干し法座2日目。

朝席が終わると、みんなで石泉文庫から本を運ぶ。

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今年も広南小学校の6年生のみなさんがお手伝い。

 

そして、本堂で「パン!」と本を叩いては、ロープにひっかけて干していく。

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たくさんの蔵書。

全部を一度に干しきれないので、今年の分は蔵書の半分。

そして、来年は残り半分。

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本堂いっぱいに干される姿は、例年のことながら有り難い。

 

干す作業の後、石泉文庫についてお話をさせていただく。

難しい本がずらりと並ぶなか、時折こんなのを見つける。

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「きんちゃく」

僧叡和上の『玄義分聴記』の裏表紙。

 

『学僧逸伝』という本に、僧叡和上がサルを飼っていて、和上の留守中、メガネをかけて朱で何やら書いていたものが残っていると紹介されていたのだが・・・。

 

朝の虫干しと法事が一段落ついて、外に水やりに出ると、

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先日植えたひまわりの里子たち。

りっぱなフタバをのぞかせた。

 

午後3時から干した本の後片付け。

一切経は紐でしばり、木箱に入っていた蔵書は目録と照合。

 

そして夜席。

昨日に続いて、僧叡和上から慧海-福間浄観-多田蓮識-信楽峻麿-御講師へとつながるお念仏の話を聞かせていただいた。

「大地に足がついていない」(多田蓮識)

私の歩みがお念仏。

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虫干しのことで、もっと楽な方法、たとえば燻蒸とか今ならいろいろあるではないかと、以前指摘を受けたことがある。

ごもっともなことではあるが、それでは何も伝わらない。

ずっと受け継がれてきたものを、せっせと汗を流して作業する。

大変な作業であるが、みんな輝いている。

お念仏が輝いている。

 

明日も朝席が終わると、虫干し作業。

お誘いあわせてお参りを。

石泉文庫虫干し法座 1日目

7月16日(火)

何となく違う朝・・・。

昨日まで聞こえなかったセミの声が一斉に。

何の相談があるわけもないだろうに、不思議なこと。

 

午後から総代・仏教壮年会の方々が集まって、虫干しの準備。

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本堂の端から端へロープをピンと張る。

これが緩いと本の重さでダラリと下がってしまう。

 

夜席から石泉文庫虫干し法座。

このたびの御講師は、呉の西教寺 岩崎智寧師。

前住職の岩崎正衛師も、以前この虫干し法座のお取り次ぎをしていただいたことがあるそうで、有り難い初めてのご縁。

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ロープの張られた不思議な光景のなか、自己紹介を交えながら、自ら歩んでこられた道をお聞かせいただく。

信心とは生きる姿勢(死ぬ覚悟)

このたびのご縁を通して、石泉僧叡和上の念仏を大切にする姿勢を改めて。

 

明日は広南小学校6年生が、地域学習で虫干しをお手伝い。

この虫干しから、どんなことを感じてくれるだろう。

 

明日もお誘いあわせてお参りを。

向日葵

7月13日(土)

今日、ひまわりの種を境内の片隅に植えた。

 

先週、ニュースで『福島ひまわり里親プロジェクト』のことを知った。

それを知ったところで、今年はもう無理かなと思いながら、ホームページを見てみると、まだ種撒きしても大丈夫ということなので、とりあえず1セット申し込んでみた。

 

それが今日届いた。

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この購入したひまわりの種を育て、採れた種を福島へ送り返すというプロジェクト。

地域に雇用や観光を生み出すこと。

全国と福島の間にきずなを生み出すこと。

福島を忘れないでいてもらうこと。

この3つのことを目指しているそう。

 

一人の力ではそんなに役に立てないことも、この輪のなかに入れば、大きな力になるかな。

そのための小さな一歩。

自分でしたこともないことを人に勧めるわけにもいかず、今年はとりあえず。

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今日、呉東組日曜学校連盟の平和学習で、初めて長男が平和公園を訪れた。

帰ってきて、口数が少なかったので、ちょっと心配したが、そのうち少しずつ。

この夏は、このひまわりを通して、福島のこと、原発のことを少し話が出来たら・・・。

 

「ひまわり」といえばゴッホ。

来週22日からいよいよ『ゴッホ展』が広島県立美術館で。

ちょうど昨日前売り券を購入したが、いつ見に行けるかな。

呉東組仏教壮年会連盟 総会・研修会

7月12日(金)

今夜は呉東組仏教壮年会連盟の平成25年度総会と第1回研修会が仁方の浄徳寺にて。

Img063今日は総会と研修会。
毎年7月に総会と研修会。そして、10月に第2回目の研修会。年に2回、仏教壮年会のこうした集まりが。

壮年会会員と法中、合わせて100名ほどが本堂に。
しかも、男性ばかり。

お寺でこれだけの数の男性ばかりというのも、何とも迫力を感じる。

 

前半の総会は、昨年度の事業報告と決算報告、今年度の行事予定と予算を審議。

後半の研修会、御講師は浄徳寺の前住職 新田教淳師。

 

講題は『なぜ今、浄土真宗なのか?』。

 

もう御年80歳になられるそうで、自らの人生をふり返りながら、何が大切かということを聞かせていただいた。

 

子どもの頃に戦争を体験し、精神主義から物質主義へと移り変わっていった。

ただ、世間ごとはコロコロと変わっていく。

変わらない真実に出遇うことの大切さ。

それが「聴聞」であると。

 

9時をまわり、車に乗って家路につくと、王子製紙の前で赤色灯の物々しいランプ。

ずらっと並んだ制服姿の警察官に誘導されて止められる。

 

飲酒運転の検問中。

お酒は飲んではいないが、2時間正座してお聴聞すると、何とも心地よいほろ酔い気分。

ドキッとしてしまう・・・。

 

明日は呉東組日曜学校連盟の40周年記念行事。

50数名が朝からバスで広島別院参拝と平和公園に行っての平和学習。

明日は法務のため参加できないが、長男が参加。
担当の方、ご苦労さまです。

2013年7月12日 | カテゴリー : 呉東組 | 投稿者 : sentoku

呉東組聞名講 7月例会

7月10日(水)

午後、青空のひろがるなか、緩やかな階段を昇って、阿賀の称名寺で呉東組聞名講の例会。

正信偈をおつとめし、称名寺御住職による御消息拝読と、住蓮寺御住職による法話。

 

その後、呉東組法中が出席しての御示談に。

今日は2つの質問が。

一つは往相回向と還相回向。
特に還相回向をどのように味わったらよいのか?

もう一つは、「本願名号正定業」とある、この正定業とは?

 

どちらも大切な浄土真宗の御法義であるが、限られた時間で、出来るだけやさしくと思うのだが、なかなか・・・。

 

そんなとき、以前読んだ足利義山和上と前田慧雲和上の会話を思い出す。

学問も議論も結局何のやくにもたちませんのうや。往生の一大事に至っては、あんたもわしもいろはも知らぬただのじいにならねばいけません。

弥陀の願いをそのまんま。

そこに往相も還相も正定業も、何でもかんでもそのなかに包まれて。

 

帰ってみると、荷物が届いていた。

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あまりにも暑くなってきたので、玄関先にビオトープのセット。

益子焼の鉢に、シラサギカヤツリ、ホテイアオイ、そして姫スイレン。

 

水と緑、私にとっては理屈抜きできれいだな。

どこが、どうしてって、いらない。

そのまんまをいただくだけ。

 

今日の御示談をふと思い出しながら。


2013年7月10日 | カテゴリー : 呉東組 | 投稿者 : sentoku

分陀利華

7月9日(火)

梅雨明けし、暑い暑い夏へと突入。

今朝、境内の白い蓮、“姫白蓮”がきれいに咲いた。

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小柄ながらも、とても清楚な蓮。

 

正信偈を読むとき、1ヶ所だけ、

是人名分陀利華 - 弥陀仏本願念仏

と続けて読むところがある。

この分陀利華(ふんだりけ)とは、インドのことば、“プンダーリカ”の音写。

意味は白蓮華、白いハスの花を指すのだと。

 
 

親鸞聖人が『教行信証』に『維摩経』のことばを引いて、

 

〈淤泥華(おでいけ)〉とは、『経』(維摩経)にのたまはく、〈高原の陸地には蓮華を生ぜず。卑湿の淤泥にいまし蓮華を生ず〉と。

 

蓮の花は高原のすがすがしいところに咲くのではなく、ドロッと、ヌメッとした泥のなかから咲くのだとお書きになっている。

 

こんな暑い暑い最中だからこそ、この清々しい蓮をより美しいと感じるのかな。

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ただ、あんまり暑いので、さすがに葉っぱの傘さして。

熱中症にはご用心。

明日は阿賀の称名寺にて聞名講。

仏教壮年会 7月例会

7月8日(月)

今日、中国地方に梅雨明けの発表。

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青空がひろがり、ノウゼンカズラも満開。

 

今夜は仏教壮年会の例会。

正信偈をおつとめした後、今日テーマに話をしたのは、「安芸門徒」。

 

来週、石泉文庫虫干し法座がいよいよ始まる。

仏教壮年会の皆さんにも、いろいろとお手伝いいただくので、その前に僧叡和上にまつわる安芸門徒の話。

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先日、僧叡和上が親鸞聖人の『教行信証』を講義したものを綴った『教行信証随聞記』をもとに、会所(会場)マップを作成。

最初は仁方の浄徳寺。そして、今治の常高寺。

長浜の専徳寺・住蓮寺・石泉社と続くが、その後は主に江田島を中心に行われているのが分かる。

このあたりは、今でも「常朝事(じょうあさじ)」が続いているところ。

365日、毎日毎日法話をするご住職も大変だろうが、それを毎日聞きに来るご門徒も。

常朝事の起源は定かでないが、調べていて出て来る名前は石泉社の門弟ばかり。

塾の規則の第一が、朝夕のお勤めは怠ってはならない。

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とある。

 

そんなところから、安芸門徒にまつわる話。

特に「いのち」を大切にしてきたことは、これからも大事にしたいもの。

 

20年ほど前、報恩講参りの最後は、その地区のあるお宅へみなさんが集まって、お勤めし、法話をし、おときがあった。

あるときのおときに仕出し屋のお弁当が出された。
精進料理を頼んでいたそうだが、蓋を開けると中にはエビや魚が。

そのとき、お世話をしていただいていた方の、「動(どう)のものが入ってる!精進料理で頼んでおいたのに冴えんことよ・・・」との声。

精進料理は、肉や魚を食材に使わないというのではない。
私たちはいのちをいただいている。

「動のもの」。

それに対して野菜などは「静のもの」かな?

どちらにしても、いのちをいただいている。

ただ、ご命日にはせめて動のものを控えさせていただこう。
そんな味わいであろうか。

 

精進だけでなく、可部の山繭の話、移民の話、薬屋が多い話など、安芸門徒とつながる話は尽きない。

山繭は、可部山繭つむぎ同好会を結成し、その伝統を残そうとしているようだが、その他のことはなかなか。

 

来週の虫干し。
それを通して、長浜に伝わる伝統。
残せたら良いな。

2013年7月8日 | カテゴリー : 行事 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ (14)

7月8日(月)

今朝は広南小学校、1学期最後の読み聞かせ。

4年生を担当。

読んだ本は

どうぶつさいばん ライオンのしごと』

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作者は、獣医をやめ、野生動物の保護・治療をされている 竹田津 実。
絵は、旭山動物園に20年以上勤務していた あべ 弘士。

絵本としては珍しく動きのない絵本。

タンザニアの草原で、母を失ったヌーの子が母を殺したライオンを訴えた裁判の話。

次々とそれぞれの証人が登場する。

そして、ハイラックス裁判長が、

 

「判決をいいます。」

みんなだまって、さいばん長をみました。

「ライオンがヌーに対しておこなったころしについては無罪です。ただし・・・」

とつづけました。

「親をなくしたヌーのきもちは、みんなわかってあげましょう。おわります。」

 

ライオンがヌーを殺して食べるのは、単に弱肉強食、弱いものが食われるということだけではないのだそう。

病気になり、様子のおかしいヌーを食べることが、ヌーの種族を守り、生態系を守ることにもなっている。ライオンは、自然のなかでもう一つの役割を担っている。

「いいさいばんだった」と。

 

ライオンがヌーを殺したことが良いか悪いか、一概にそれを口にすることは出来ないが、「親を亡くしたヌーの気持ちは、みんな分かってあげましょう。」

これが一番大切なことかな。

 

 大 漁

朝焼け小焼けだ

大漁だ

大羽鰯の大漁だ

浜は祭りのようだけど

海の底では何万の

鰯のとむらいするだろう

 

漁をすることが良いか悪いかでなく、なかまを失った鰯の気持ち。

 

昭和28年、長浜で「蚊や蠅のいないまちづくり」に取り組んで、県や国から表彰を受けた。

その表彰式に先立って、蠅の葬式が専徳寺で営まれた。

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蚊やハエにもいのちがあり、家族や仲間がいる。 

なかまを失ったハエの気持ち。

 

2013年7月8日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku