専徳寺のぶろぐです。
お寺のこと、地域のことを綴ります。
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〒737-0136 広島県呉市広長浜3-13-21
11月29日(火)
今日で長浜東地区の報恩講が終了。
今日は11月末とは思えないほど暖かい一日。
以前は報恩講参りを留守のお宅でもすることがあった。
玄関の鍵が開いており、お仏壇には電気が灯され、準備もしてある。
あるとき、留守宅に上がり、お参りをしていると、後ろの戸が開く音がした。
家の方が戻られたのだと思い、読経を続け、『御文章』を読むためにからだの向きを後ろに変えた。
すると、後ろに座っていたのは、家の方ではなく、ネコがチョコンと座って、じっと見ている。
せっかくだから、ネコに向かって「聖人一流の御勧化のおもむきは 信心をもって本とせられ候」と、『御文章』を拝読。
ネコはじっと身動きもせずに聞いている。
そして、お参りが終わり、ネコにお辞儀をすると、ネコはスーッと部屋を出る。
私も続いて玄関へ向かうと、今度は玄関先に座ってお見送り。
今はどこの家庭も防犯のため、施錠され、留守宅へお参りすることはほとんどなくなったが、以前は留守宅でもそんなほのぼのしたご縁があった。
報恩講参りもあと2週間ほど。
喉を痛めないように注意して。
11月27日(日)
今日は長浜小学校の学習発表会。
長浜小学校としての最後の学習発表会。
一つ一つが最後・最後。
大切な時間を感じる。
ただ、法務の予定があり、見ることの出来たのは、長男の出演した1,2年生の「ブレーメンの音楽隊」と、
残念ながら、ここまでしか見ることは出来なかったが、お天気にも恵まれ、父兄をはじめ、地域の方もたくさんご来場。
はじめの校長先生の挨拶のなかで、今回の発表会のテーマを発表。
「こころをひとつに」
現在おこなわれているバレーのワールドカップ。
その選手達のユニホームに、「こころはひとつ」の文字。
そして「こころをひとつに」という思いで戦う選手の姿を見て、そこから今回のテーマをいただいたそう。
こころはひとつ。
ひとりひとりがバラバラだと、1+1=2とならず、むしろマイナスになってしまうこともある。
でも、こころをひとつにみんなが望むと、1+1が2以上の大きな力になることも。
この言葉は、東日本大震災以来、特にスポーツの世界で使われているように感じる。
どんなに離れていても心は一つ。一人じゃない。みんながいる!みんなで乗り切ろう!You’ll never walk alone
震災直後の3月15日。
イタリアのインテル所属の長友佑都選手が、試合後にこのメッセージを書いた日の丸を大きく掲げた。
長浜小学校の名前は無くなっても、広南小学校として新たな出発が待っている。
こころをひとつに。
今、専徳寺の境内では、イチョウの葉が散り始めた。
このイチョウの大木。
話によると、今よりももっと背の高いイチョウの木だったのだそう。
ちょうど一週間前の落語会が終わった後から散り始めた。
イチョウ。
漢字で書くと、「公孫樹」。
公とはおじいさんを意味するのだそう。
おじいさんがイチョウの種を植えても、その実を食べるのは孫の代。
長い時間をかけて、実がつくようになる。
そう思うと、何とも時間がゆったりと流れていること。
この木は、この長浜の出来事を一番よく知っているかも知れない。
長浜小学校のはじまりも、今日の長浜小学校最後の学習発表会のことも。
ちなみに専徳寺のイチョウは雄。
待てど暮らせど、ギンナンは降ってこない。
11月22日(火)
報恩講、昨日は沼田地区の北側を。
朝晩は冷え込んできたけれど、日の当たる場所はポカポカと穏やかな2日間。
お参り先で、落語の話をされる。
「初めて生で落語を見させていただきました。」
と、笑顔で。
本堂でたくさんの笑い声。
みんなで笑うと会場に一体感が生まれる。
一番後ろの席から、久しぶりにそんなことを感じさせていただいた。
蓮如上人は、みんなでおつとめできるようにと、親鸞聖人の書かれた『教行信証(顕浄土真実教行証文類)』の正信念仏偈と、三帖和讃を合わせられた。
以前、テレビの蓮如上人の特集で、一人で歌うのと大勢で歌うのに違いがあるかという実験をした。
すると、一人で歌うよりも大勢で歌う方がひとりひとりの声が大きくなるという結果が出た。
みんなで唱えると大きな声で唱えられる。
一体感がそこに生まれる。
お寺はそんな場所。
ひとりでないよ、みんな一緒。
11月20日(日)
昨日までの雨もやんで、青空の下、落語会を迎える。
初めての落語会を少しでも盛り上げようと、掲示板にミニのぼりを並べる。
今どき、こんなミニのぼりの製作キットが売られている。
もちろん、デザインは自分でしなくてはいけないが、結構きれいな出来映えに。
お昼過ぎに到着予定の笑福亭仁智さんから電話で、昨日の雨の影響で呉駅から新広駅方面の列車の本数が減らされ、次の列車に乗るとの連絡。
こんなに良いお天気でも、こればかりは分からない。
予定より30分ほど遅れて、新広駅に到着。
専徳寺に到着されると、会場となる本堂の点検に。
12時半頃には仏教壮年会の会員のみなさんも集まって、座布団を敷いて会場作り。
だんだんと会場に人が入り、用意された椅子席は埋まり、120名ほどがこのご縁に。
そして、お囃子の音楽が鳴り、いよいよ落語。
このたびは、笑福亭仁智さんのお弟子さん、笑福亭智六さんが『動物園』の落語を。
そして、笑福亭仁智さんが川柳の創作落語を披露。
中休みをはさみ、今度は笑福亭智六さんが手拍子にあわせて南京玉すだれ。
アさて アさて さては南京玉すだれ
チョイと伸ばせば 阿弥陀如来か釈迦牟尼か
後光が見えれば おなぐさみ
阿弥陀如来が お目にとまれば
元へと返す 元へと返す
そしてメインは、笑福亭仁智さんの創作落語『親鸞聖人』。
親鸞聖人の生涯を、笑いを交えながら、楽しく聞かせていただいた。
本堂で、小学生からおじいちゃん、おばあちゃんまで、いろんな世代の方が集まり、このご縁をいただいた。
挨拶のなかでも触れたが、この落語会が正式に仏教壮年会の行事として決まったのが、3月11日夜の役員会。
まだまだ、あれだけの被害が出ていると知らず、夜津波到達予想が呉にも出ていたので、緊張感のあるなかで決まったご縁。
そのあと「願」のバッジを作り、「ともにがんばろう」のメッセージを添えた。
ただ、頑張るには元気がないと頑張れない。
元気を出すには、笑うこと。
今日は大きな笑い声が本堂に起こった。
落語も終わり、笑福亭仁智さんに一筆いただいた。
月よりも 花よりも なお美しい 人の笑い顔
たくさんの笑い顔でみなさん帰路へ。
このご縁を大切に。