秋明菊

9月7日(火)

春に女郎花おみなえしの側に鉢植えから地植えした秋明菊しゅうめいぎくが咲き始めた。

切り戻しした桔梗がまた少し咲き出したけど、ずっと咲いていた女郎花は少し色がくすんできた。

そこへ白い秋明菊。

菊と名前は付いていても、菊の仲間ではなく、キンポウゲ科、アネモネの仲間。

中国原産の植物で、古い時代に持ち込まれた帰化植物だそう。

 

中国では「秋冥菊しゅうめいぎく」。

日本の「明」とは反対の「冥」。

日本では、「冥途(冥土)」と結びつき、良い意味ではないからと、「秋明菊」と名づけられたそうだけど、「冥」には、〈暗い〉という意味の他に〈奥深い〉という意味があるそう。

本来は、秋に咲く奥深く幻想的な菊、そんな意味だったのかなぁ。

 

〈冥途〉とは、地獄・餓鬼・畜生の三悪道の世界。

設我得仏 国有地獄餓鬼畜生者 不取正覚

阿弥陀さまの四十八の願いの一番最初に出てくるのが、お浄土に地獄・餓鬼・畜生の三悪道のない世界を。

設我得仏 国中人天 寿終之後 復更三悪道者 不取正覚

そして、その次に、お浄土に生まれたものは、その後三悪道に生まれることはないことを誓われた。

 

〈冥〉でなく、〈明〉の世界に。

お彼岸が近づいてきた頃に咲く花に、そんな勝手な思いを。

 

このコロナがなければ、例年9月8日に仏教壮年会・仏教婦人会共催で、『ビデオと講演の夕べ』を開いていたけれど、今年も昨年に続いて中止。

そこで、このたびは『お彼岸 秋』(本願寺出版社)をお届けするよう、袋詰めが完了したので、近々会員の皆さまのお手元に。