御正忌報恩講

1月16日(土)

今日1月16日は、宗祖親鸞聖人の御命日。
雨がパラパラと降り、少し暖かさを感じる朝。

御正忌報恩講

例年1月14日夜席から16日朝席まで専徳寺では住職自勤でつとめていたけれど、今年はコロナ禍で、変則的に午前9時から時間を短縮して1席のみのご縁を。

30分ほどの法話なので、当初は他の話を準備していたのだけれど、つい先日ネット通販でたまたま「入荷しました」との連絡が届いて、ついポチっとしたことから。

今年の干支、牛にちなんで赤べこが入手困難な状態なのは知っていた。
しかも、新年の天皇ご一家の写真に赤べこが写っていたことも話題になっていたことも。
そんな時に「入荷しました」。

そうだ。限られた時間で伝えるにはちょうどいいかもと。

ただ、求めたのは本来の〈赤べこ〉とはちょっと違う〈眠べこ〉。
眠そうな目をした愛らしい赤べこ。

そして、同じく福島白河のアマビエだるま。

赤べこは、福島県会津地方の民芸品で、魔除け・厄除けとしても伝わっている。
また、今年は東日本大震災から10年を迎えることもあり、いろんなことに思いを馳せながら。

かなしきかなや道俗の
 良時吉日えらばしめ
 天神地祇をあがめつつ
 ト占祭祀つとめとす
    (親鸞聖人・正像末和讃)

ひと昔前なら魔除け厄除けなんて浄土真宗の立場では《もってのほか》だと、触れることもなかったかも知れない。
でも、今は多様性・ダイバーシティ・認め合う、そんなことが世間では。
何でもかんでも《もってのほか》と拒否してしまうのでなく、なぜ魔除けや厄除けを人は求めていくのかということを、ともに考えてみるのも大切なことかと。

親鸞聖人は「いし・かわら・つぶてのごとくなるわれらなり」(歎異抄)と、蔑むことなく自らのこととしてよくお説きになる。
この「かなしきかなや」も、「こんなことしてなさけない」と蔑んでいるのではなく、そう願わずにはおれないわれらの心を悲歎し、迷っているわれらを救わずにはおれない阿弥陀さまの願いに今遇うことの尊さを説かれたのではないのかなと味わいながら。

赤べこ・アマビエ、そこにすがる人の想いを否定するつもりはない。
願わずにはおれない心がそこにあるのだから。
ただ、その願いを持てば持つほど迷いの連続とも。。。

私も親鸞聖人のみ教えに遇うことがなければおそらくそこに。

ああ、弘誓の強縁、多生にも値ひがたく、真実の浄信、億劫にも獲がたし。
たまたま行信を獲ば、遠く宿縁を慶べ。もしまたこのたび疑網に覆蔽せられば、かへってまた曠劫を経歴せん。誠なるかな、摂取不捨の真言、超世希有の正法聞思して遅慮することなかれ。(『教行信証』総序)

どうぞお念仏のご縁を大切に。


今年も京乃六條おやきもちを取り寄せて、特製シールを貼り、お下がりに。
小豆餡の入ったおやきもち、少し温めてお召し上がりを。

専徳ねっとのぶろぐを始めて今日でちょうど10年。
これからもお寺のこと、地域のことをいろいろと。

ようこそのお参りでした。

2021年1月16日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku

盂蘭盆会

8月15日(土)

例年行われる14日夜の西脇神社の夏祭、15日夜の戦没者追悼法要、盆踊り、長浜の夏の行事はすべて中止。

専徳寺の盂蘭盆会も新型コロナウィルス感染防止のため、法座は中止。
法座は中止としたけれど、縮小しておつとめのみをすることに。

おつとめのみにしたからと言っても、「来てよかった」と思っていただけるようにと、法話の代わりに寺報『念佛日和』特別号をお配り。

そこには、「浄土を想う」と題して、ウィンドチャイムと花手水を紹介。

ウインドチャイムは、本堂の上り口にかけてみた。

本堂の廊下は風の通りが良いので、素敵な音色が響く。
その音が浄土を想う音色であったらなと。

もう一つ用意したのは、花手水。

今年の1月に大谷本廟に参拝した際、「花噴水」を初めて見た。
その後、寺院・神社の手水鉢に花を浮かべる「花手水」なるものが流行っているのを知った。

これを目にした時に、ふと思いついたのが、大晦日に手水鉢に花を浮かべ、水の中からライトアップすること。

そんなアイデアを持っていたのだけれど、今年はこんな事態になったので、お盆にお浄土を想うご縁としてみようと。

 

やってみたいけれど、花がどれくらい必要なのか分からない。
先日お花屋さんに花手水の話をし、昨日水の上に浮かべる花を選んで仕入れていただいた。

今朝6時30分頃、日が昇る前にしてしまいたいので、手水鉢の水を入れ替え、花を浮かべてみた。

とてもかわいらしいのだけれど、スペースが空きすぎかな。。。

そこで、先日坊守が試しに浮かべていた菊とアジサイがまだ大丈夫そうなので、それを浮かべる。

これはこれでありかも。

でも、もう少し隙間を埋めたいので、

坊守の提案で木苺の葉を隙間に。

庭に水をまき、親鸞聖人像に境内に咲いたユリを供えて完成。

朝日が差し込み、とてもいい感じに。

どれくらい来られるか、全然予想もできないけれど、取り敢えず準備をしてお待ちするのみ。

朝9時

可能な限り席を離して正信偈のおつとめ。

ウィンドチャイムの音が響く中、お参りしてくださった。

おつとめの後、少しだけ『念佛日和』の紹介をし、お孫さんのおられる方には先日届いたばかりの若手僧侶の会“春秋会”制作の絵本『おおきくなってね』をプレゼント。
「孫はいないけれど、自分が読みたい」とおっしゃられる方にもプレゼント。

 

終わるとすぐに焼山に盆参りと納骨に行く予定になっていたので、皆さんの反応をゆっくり見ることはできなかったけれど、手水鉢のそばで花手水の写真を撮り、「これを見れただけでも今日来た甲斐があった」と仰っておられる方もいたとか。

オンライン法要をされる御寺院も多いようだが、あまりこの辺りでは需要がない。ならば、オンラインでは味わえないご縁を作ることを考えて。

今夜は花手水に防水のLEDライトを入れてライトアップ。

夕方LEDのライトを沈めようと思ったところ、このライトは浮く。
え~!?と思ったけど、本堂の縁側にあった瓦のかけらにライトに縛って埋める。

最初は2つで充分かなと思っていたけど、入れてみると4つは入れないと。。。

とりあえず、ライトを沈め、境内には春に購入したLEDの投光器を2基設置。

私の頭には、今年はコロナの事もあるので、境内は医療従事者の方に感謝を込めての青、花手水は白と思っていたのだけれど、

 
 
 
 
 
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浄土真宗本願寺派 嶺宿山 専徳寺(@sentokunet)がシェアした投稿

 
ライトのリモコンを息子に渡すと、いろんな色にセッティング。

カラフルにしてくれるのだけれど、それはそれでとってもいい感じに。

夜9時までのライティング。

終了間際に総代さんがご夫婦、時間差で2組ご来山。

阿弥陀様だけにスポットを当てた姿は新鮮だったよう。

今年は戦後75年。
そして、前住職の7年目の命日。

清風院釋曠昭

今日のテーマ、

清風宝樹をふくときは
いつつの音声いだしつつ
宮商和して自然なり
清浄勲を礼すべし

を少しでも感じていただけたかと。

何もできない時だけど、私にとってはいいご縁。

次にする時は、ぜひ他の人にもぜひ味わっていただきたいな。

 

 

 

 

2020年8月15日 | カテゴリー : 法座, 行事 | 投稿者 : sentoku

盂蘭盆会 準備

8月14日(金)

暑い暑い毎日。

今年は新型コロナウィルスの影響で、長浜の夏祭 西脇神社の夏祭、戦没者追悼式、盆踊りと、長浜のお盆の行事は軒並み中止。

専徳寺の盂蘭盆会も法座は中止し、明日午前9時よりおつとめだけ。

その貼り出しをして長浜の方にはお知らせしているけれど、これまでのように「お誘いあわせてお参りください」とは言えなくなった。
(この貼り出しは、先日仏教壮年会の新役員の方が申し出てくださって、各所に貼っていただいた。)

ただ、お参りしてくださる方には、それでも「いいご縁でした」というご縁としたいので、そのための準備。

お盆のことをいろいろ調べてみる。

本願寺ではお盆に「亀甲灯籠」がお内陣に掛けられると言うのは知っていたが、お盆に京都にいることがないので、実際に見たことがない。
たまたま千葉の無量寺様がホームページで亀甲灯籠のペーパークラフトを紹介してくださっているのを見つけ、これだ!と飛びついた。
少々時間はかかったけど、何とか一対出来上がった。

それと、お参りして下さった方に、法話の代わりに寺報『念佛日和』特別号を配ることに。

内容は、明日のサプライズ2点を中心に。

どのくらい参られるか、全く予想はつかないけれど、明朝最後の仕上げ。

いいご縁でありますよう。

 

 

2020年8月14日 | カテゴリー : 法座, 行事 | 投稿者 : sentoku

春季彼岸会

3月20日(金)

今年の春季彼岸会
法座は中止にしたけれど、彼岸の中日に当たる今日、朝10時からおつとめだけさせていただいた。

予想以上のお参り。
お孫さんを連れてお参りくださった方の姿もあり、せっかくなのでごあいさつがてらお彼岸の話を少しだけして終了。

今日は青空がひろがり、春の花が咲き、境内にはシジュウカラやメジロ、コゲラなど次々と飛んでくる。

時には窓を開けて深呼吸。

ようこそのお参りでした。

 

 

 

2020年3月20日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku

御正忌報恩講 3日目

1月16日(木)

今日が御正忌御正当。

親鸞聖人のご命日(旧暦11月28日)。

今日の朝席で御正忌報恩講も御満座。

最後は四幅目のお話より。

この冬はおだやかな天気が続いていたけど、御正忌は御正忌らしく冷え込んだ。

「お番」の番は雪のころ
雪はなくても暗のころ

金子みすゞさんの「報恩講」の冒頭のように。

続いてようこそのお参りでした。

 

このたびの資料の表紙に使用した絵は、専徳寺の御絵伝の写真をアプリで加工したもの。

「Prisma 写真編集者」という無料iアプリを使って、〈モザイク〉という加工をするだけで、まるでステンドグラスのように。

 

2020年1月16日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku

御正忌報恩講 2日目

1月15日(水)

昨日の雨で濡れた車のフロントガラスが凍ってしまうほど、今朝は冷え込んだ。

昨日に続いて、御正忌報恩講。

朝席は吉水入室と六角夢想より。

朝席が終わると、夜席にお参りに来られた方へのおみやげ作り。
昨年同様、丸西宗教織物 京乃六條おやきもちにオリジナルシールを貼って。

昼席は、法然聖人のもとでのお話より。

昼席が終わると、資料が足らなくなりそうと、ナカトジータで再び。

夜席は、第三幅。
越後への流罪、そして関東へ。

夜席は中休みをいただいて、生姜湯の接待。
そして、おみやげのおやきもち。

『御伝鈔』拝読。

後席で、板敷山のお話。

山も山 道も昔に変わらねど
 変わり果てたる 我が心かな

山伏弁円は、親鸞聖人との出遇いで見る世界が変わった。

今日は朝からあれやこれやとすることなすこと、御開山聖人の御遺徳を偲ばせていただきながら。

明日の朝席で御満座。
暖かくしてお参りを。

ようこそのお参りでした。

 

2020年1月15日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku

御正忌報恩講 1日目

1月14日(火)

昨日の成人の日はいいお天気。
今日は曇って寒い朝。

今日の夜席より御正忌報恩講。
御正忌は例年どおり住職自勤。

令和最初の御正忌は、小坪説教所の報恩講・御正忌と同じく『御絵伝』を。

今夜は初夜礼讃おつとめのあと、出家得道。

前の大僧正 慈円慈鎮和尚に得度を願い出る松若丸。

慈円和尚といえば、百人一首の

おほけなく 浮き世の民におほふかな
 わがたつ杣に 墨染めの袖

困っている人たちを何とかしてあげたい。
9歳の聖人も、そんな和尚のような思いで出家を決心されたのだろうなぁと今宵も偲ばせていただきながら。

雨の降る寒い中、ようこそのお参りでした。

2020年1月14日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku

小坪説教所 御正忌報恩講(2)

1月10日(金)

今日も青空の広がるいいお天気。

今朝の席で小坪説教所御正忌報恩講も御満座。

お筆跡
しんらんさまは
ひそかにおもんみれば
ひそかにあんずれば
つつしみてあらわさば
しんらんにおきては と

しかと しかと
かみしめて
合掌しては
わたしに くだされる

  宇野正一『樹にきく 花にきく』(柏樹社)より

このたびは、令和初めての御正忌ということで、親鸞聖人の御生涯を御絵伝を通して。

ようこそのお参りでした。

長浜の海、今日もおだやか。

 

2020年1月10日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku

小坪説教所 御正忌報恩講(1)

1月9日(木)

今日は穏やか。

本願寺では今日から御正忌報恩講(1/9~16)。

こちらは、今日の昼席から明日の朝席まで小坪説教所の御正忌報恩講。
14日夜席から16日朝席まで当山専徳寺御正忌報恩講。

先月の報恩講に引き続いて、御絵伝の第三幅より。
いつもは御同行の導師で正信偈のおつとめ。
今日はいつも導師をされてた方がおられないということで、導師をつとめてからのお取り次ぎ。

正信偈
きみょうむりょうじゅにょらい
なむふかしぎこう
毎朝毎夕拝読しながら
しんらんさまのおこえが
すどおりします
ごめんなさい

  宇野正一『樹にきく 花にきく』(柏樹社)より

素通りしてるのにも気づかないでいる私という話より、今一度立ち止まって御正忌報恩講を。

明日の朝席はいよいよ御往生の場面。

ようこそのお参りでした。

 

 

 

 

 

2020年1月9日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku

小坪説教所 報恩講 1日目

12月12日(木)

今日は朝からトビが飛び立ち、何だか心も晴れやか。

午後から小坪説教所の報恩講。

年明けの当山専徳寺の御正忌報恩講は、令和最初の御正忌ということで、初心に帰ろうと、『御絵伝』『御伝鈔』より親鸞聖人の御生涯を偲ばせていただこうと。
ただ、その直前の小坪説教所の御正忌は、3席と限られているので、ちょっと無理かなということで、このたびの報恩講と次の御正忌の2回に分けてのご縁をつとめることに。

まずは、そのための資料作り。

専徳寺の御絵伝の写真を使って作った資料を、フルカラーコピーで印刷。
ネットでたまたま見つけた「ナカトジータ」。
ナカトジータに紙を重ねてセットして、上下に設置した中閉じ用のホッチキスでガチャッと。
あとはそのまま半分に折るだけ。
あっという間に中閉じの資料が出来、見映えもよく、なかなかこれは使えそう。

お昼の席では、資料を見ながら、親鸞聖人の出家得度の場面。

明日ありと思ふ心のあざ桜
 夜半に嵐の吹かぬものかは

と得度を願い、九歳の松若丸(親鸞聖人)はお詠みになった。

そのお相手は慈円慈鎮和尚。

おほけなく 浮き世の民に おほふかな
 我が立つ杣に 墨染めの袖

苦しんでいる人びとをただ救ってあげたいとの思いを詠ったお方。

聖人もまたそのように思いながらの御出家だったのかなと味わいながら。

夜席。
今日、今年の漢字一文字が「令」に選ばれたとニュースで。
学校から帰って来た小学5年の次男がそれを見て一言。

〈「令」? 「和」はどこに行ったんだ〉とつぶやく。

ホントだ。そんな一年だったのかも。
と、そんな話から、引き続いて御絵伝の六角夢想を中心に。

今日は満月。

みんなを照らし、みんなに届いてる。
私を照らし、私に届いてる。

ようこそのお参りでした。

 

 

 

 

 

2019年12月12日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku