おばけ

8月10日(土)

暑い・・・。

今日は特に暑く、40度を超えたところもあるとか。

こんな暑い日は、おばけ

 

東広島市美術館で開催中の第28回 現代絵本作家原画展『真夏のおばけカーニバル』へ。

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このたび出品された『おばけのてんぷら』(せなけいこ作)は、息子たちが大好きで、何度も何度も読んだ絵本。

その原画が見れるということで。

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5名の作家の作品が紹介されていたが、さすがに原画はすばらしい。

午後3時をまわった頃に行ったので、ほとんど貸し切り状態。

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こんな楽しいおばけを見ながら、“おばけが怖い”なんて・・・と。

 

以前、門徒さんから、幽霊か“おばけ”か知らないが、いろいろと見た話を聞いたことがある。

否定する根拠はないので、「へ~」っと聞かせていただくだけなのだが、それを怖いと思うのは、自分のこころの問題かなと。

心残り、未練、後ろめたさ、そこにいろんな理由を求めるのかも知れないが、何にも不安、迷いがなかったら、「怖い」というのは無くなるかな。

 

恐がり屋の息子にも、もし何か見ても、普段通り「こんにちは」と挨拶でもしておいたらって。

とはいえ、そんな私も真夜中の真っ暗な本堂に行くのは、いろんな意味で躊躇する。

 

それでも、それで涼しくなるのなら・・・。

 

2013年8月10日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ (14)

7月8日(月)

今朝は広南小学校、1学期最後の読み聞かせ。

4年生を担当。

読んだ本は

どうぶつさいばん ライオンのしごと』

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作者は、獣医をやめ、野生動物の保護・治療をされている 竹田津 実。
絵は、旭山動物園に20年以上勤務していた あべ 弘士。

絵本としては珍しく動きのない絵本。

タンザニアの草原で、母を失ったヌーの子が母を殺したライオンを訴えた裁判の話。

次々とそれぞれの証人が登場する。

そして、ハイラックス裁判長が、

 

「判決をいいます。」

みんなだまって、さいばん長をみました。

「ライオンがヌーに対しておこなったころしについては無罪です。ただし・・・」

とつづけました。

「親をなくしたヌーのきもちは、みんなわかってあげましょう。おわります。」

 

ライオンがヌーを殺して食べるのは、単に弱肉強食、弱いものが食われるということだけではないのだそう。

病気になり、様子のおかしいヌーを食べることが、ヌーの種族を守り、生態系を守ることにもなっている。ライオンは、自然のなかでもう一つの役割を担っている。

「いいさいばんだった」と。

 

ライオンがヌーを殺したことが良いか悪いか、一概にそれを口にすることは出来ないが、「親を亡くしたヌーの気持ちは、みんな分かってあげましょう。」

これが一番大切なことかな。

 

 大 漁

朝焼け小焼けだ

大漁だ

大羽鰯の大漁だ

浜は祭りのようだけど

海の底では何万の

鰯のとむらいするだろう

 

漁をすることが良いか悪いかでなく、なかまを失った鰯の気持ち。

 

昭和28年、長浜で「蚊や蠅のいないまちづくり」に取り組んで、県や国から表彰を受けた。

その表彰式に先立って、蠅の葬式が専徳寺で営まれた。

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蚊やハエにもいのちがあり、家族や仲間がいる。 

なかまを失ったハエの気持ち。

 

2013年7月8日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ (13)

7月1日(月)

今日から7月!

早いもので、2013年も後半に。

 

今朝、境内の大賀ハスが咲いた。

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ただ、9時をまわり、日を浴びてしまうとしぼんでしまうので、きれいに見えるのはホンの少しの間。

 

広南小学校の読み聞かせ、今朝は5年生。

ずっと低学年担当だったので、5年生には少し長く、少しこころに残る絵本を。

『きいろいゾウ』

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映画にもなった小説『きいろいゾウ』のなかに登場する絵本だそう。

 

灰色で地べたを歩くゾウではなく、自由に空を飛ぶことの出来る月の光の粉をあびたきいろいゾウ。

あるとき、病気で寝たきりの女の子と出会い、世界を一緒に旅するなかで、ケニアのゾウの群れを見ながら、

「ねえ、あなたのなかまがいるわよ。」
「よせやい、あんなはいいろの、地面をあるくだけのゾウなんて、ぼくのなかまじゃないよ」
「でもね、あなたひとりぽっちで、さみしくないの?」
 
「さみしい? ぼくが・・・?」

なかまといることのすばらしさ、ゾウはゾウらしくあることのすばらしさ。

 

昨日は法務と会合で、少々へたって行ったので、読み続けられるか心配であったが、何とか最後まで。

 

こころに何か響くといいな。

2013年7月1日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ (12)

6月24日(月)

夜中に雨が降ったようで、つぶ山に霧。

今朝は広南小学校の読み聞かせ。

今日からプールの授業が始まるようだが、気温・水温が少し低いかな。

 

読み聞かせは、3年生。

『としょかんライオン』という、少し読むには長い?と思ったが、この本を選んでみた。

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2,3人、これまでに読んだことがあると答えてくれたが、ほとんどが初めて。
「え~!図書館にライオン?」と、タイトルだけで興味津々。

 

―決まりを守ることも大切だけれど、もっと大切なことがある―

 

決まりは想定されたなかで作られたもの。

想定外のことが起こったとき、どう行動するか。

やさしいライオンを通して、いろいろと考えさせられる話。

 

3年生にも何か伝わったかな。

 

2013年6月24日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校 読み聞かせ (11)

6月10日(月)

今朝は広南小学校の読み聞かせ。

今年度初めて1年生を担当。

小坪の児童がほとんどで、行く早々質問ぜめ。

 

読んだ本は、

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『じごくのラーメンや』(作 苅田澄子・絵 西村繁男)。

閻魔さま特製の辛い辛い地獄の血の池ラーメンを完食すれば、天国(浄土)へ行ける。
辛くて辛くて食べられないラーメンに、浄土へ往きたいと連日長蛇の列。

そんなおり、仏さまがラーメン屋へ。
完食したら何でも言うことを聞くと約束を取り付け、ラーメンを食べることに。

さすがに仏さまも辛くて食べられなかったのを、小さなお地蔵さんが「おいしい」と完食。

 

仏さまとの約束は・・・。

 

初めての本だったようで、みんなじっと見入って、面白かったと。

「地獄へ行ってみたいですか?」と終わった後に質問すると、さすがにみんな「いやです!」と。

 

「地獄はいや!」

今の素直な気持ちを大切に。

2013年6月10日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校 読み聞かせ (10)

6月3日(月)

雨が上がり、さわやかな朝。

今日は広南小学校の読み聞かせ。
4年生を担当。

 

今日読んだ本は、花岡大学 作 『百羽のツル』。

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作者の花岡大学は、奈良の浄土真宗本願寺派寺院の住職でもあった。

仏教を通して“こころ”を伝えた。

 

この本は、以前道徳の時間に読んだことがあるそうだが、その内容は、

百羽のツルの心の「つながり」の「あたたかさ」。(作者あとがきより)

 

長い旅をしてやってくるツルの話を読みながら、今せっせと子育てしているツバメも、遠くはオーストラリアから、道中いろんなことがあったのだろうなぁと・・・。

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学校近くの電柱の上では、ハシボソガラスが子育て中。

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みんな、みんな、それぞれのいのちを生きている。

2013年6月3日 | カテゴリー : 絵本, 長浜 | 投稿者 : sentoku

広南小学校 読み聞かせ (9)

5月27日(月)

今日は薄曇り。

中国地方は例年よりも早く、梅雨入りだそう。

 

今朝は久しぶりに広南小学校の読み聞かせ。

今年度初めての参加は、3年生。

 

元気な3年生にはインパクトのある絵本がよいかなと思い、選んだ絵本は『ストライプ たいへん!しまもようになっちゃった』。

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案の定、絵本を取り出した途端、4名の男の子が椅子を持って目の前にやって来た。

 

リマ豆が大好きな女の子、カミラ・クリーム。
クラスのみんなはリマ豆が嫌いなため、それを隠してみんなと同じでいたいと考えた。

すると、大変な“しまもよう病”に。

いろんな人がやってきては、看てくれるのだけれど治らない。

 

イチゴのようにかわいらしい、ふっくらとしたおばあさんがやってきて、リマ豆を食べさせて治してくれた。

「わたしにはわかっていましたよ。ほんとうのあなたが、この場所のどこかにいるってね」

自分らしく“ほんとうのあなた”であることの大切さを説いた絵本。

みんなちがって みんないい

を違った形で伝えた絵本かな。

 

読み終えて、「こんな風になってみたい人!」と尋ねると、一人だけ手を挙げる。

 

みんな、最初から最後まで食い入るように。

 

来週は4年生。

2013年5月27日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

雪とパイナップル

1月7日(月)

今日、本が届いた。

今年初めの本『雪とパイナップル』。

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届いてすぐに読みはじめ、あっという間に読み終わる。

著者は、医師 鎌田 實 氏。
チェルノブイリ原発事故が影響で亡くなった少年の出来事を「大人が読む絵本」に。

人間ってすごい。
最愛の者を失った悲しみだって、人間は乗り越えることができる。
溢れる悲しみのなかで、人間は感謝することができる。
人間は国境を越えて、民族が違っていても、宗教が違っていても、文化が違っていても、歴史が違っていても、人間は理解しあえる。

絶望のなかに、新しい、小さな希望が見えた。

実はこの本との出あいは坂田明氏のCD。

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坂田明氏の『ひまわり』(2006年)というCDの存在を知り、先日購入。
何ともこころに沁みる『ひまわり』。

このCDは、鎌田實氏と一緒にチェルノブイリを旅した坂田氏の作品で、鎌田氏の「がんばらないレーベル」から出て、収益金は日本チェルノブイリ連帯基金を通じて、チェルノブイリの子どもたちへの医療支援、そして、東日本大震災の被災者支援に使われるのだそう。

 

東日本大震災を通して、ふたたびチェルノブイリのことがクローズアップ。

ひとりの子どもの涙は、人類すべての悲しみよりも重い。 

子どもたちが希望を持ち、願いを持てるそんな世界を・・・。
そんなことを感じる作品。

2013年1月7日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校 読み聞かせ (8)

10月1日(月)

今日から10月。

今朝、久しぶりに広南小学校の読み聞かせに。

2学期は報恩講等の行事と重なるため、参加させていただくのは難しいかなと思いながらも、読み聞かせを通して、こちらもいろんなことを学ばせていただくので、日程とからだと相談しながら。

今日は5年生を担当。

今日読んだのは、『だいじょうぶだよ、ゾウさん』。

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ベルギーのローレンス・ブルギニヨン作、ヴァレリー・ダール絵。
日本語訳は、柳田邦男。

その柳田邦男氏が書かれた帯。

想像してみてください。だいじな愛するひとがあの世にいってしまうことを。だれでも、すぐには受けいれられないでしょう。しかし、月日がすぎていくなかで、ひとはいつしか、つらく悲しい別れでも、それを受けいれられるように心が成長するのです。幼いネズミくんは年老いたゾウさんに、「いっちゃいやだ」といいます。しかし、弱ってきたゾウさんを一生懸命ケアするうちに、心が成長して、ゾウさんがゾウの国に渡るつり橋を修理してあげます。そして、「こわがらないで」といって見送るのです。ゾウさんは「だいじょうぶ」といって、渡っていきました。

この物語は、著者が幼いころから死について話してくれた祖母との別れの体験をもとに書いたそうです。いまの時代、家族の病気や死について、子どもは会話のなかにいれてもらえないため、一生のなかでとてもだいじな死について学び、心を成長させる機会を失っています。この絵本は大人にも子どもにもだいじなことを語りかけていると思います。

それにすべてが現れる。

それと、別れたくないという自分中心の思いだったネズミくんが、ゾウさんにとって何が良いことなのかという思いやりのこころを持つことが出来たということに、いろいろと思うところがあるのではないだろうか。

5年生。みんな、静かに聞き入ってくれた。

 

帰りに5年生の教室前の廊下に、こんな素敵な絵を見つけた。

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廊下の壁に、目の前にひろがる瀬戸内海。

そして、その向こうに同じ光景。

思わず写真を撮らせていただいた。

 

帰って衣に着替え、白岳地区の報恩講。

2012年10月1日 | カテゴリー : 絵本, 長浜 | 投稿者 : sentoku

広南小学校 読み聞かせ (7)

7月9日(月)

今日は広南小学校の読み聞かせ。

今日の担当は4年生。

今日読んだ本は、ドン・フリーマンの『野はらの音楽家 マヌエロ』

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誰もこの本は読んだことがないそう。

 

音楽が大好きなひとりぼっちのカマキリ“マヌエロ”。

コオロギやキリギリスのように羽をこすっても音が出ない。
ガマでフルートを作っても音が出ない。
花でトランペットを作っても、イチジクの小枝と蜘蛛の糸を使ってハープを作っても。

「やっぱり、ぼくには、むりなんだ・・・・・・・」

と、あきらめかけたとき、

「どんな気もちか、よくわかるわ。わたしも、音楽をかなでることが、できないから」

と、頭の上にぶらさがっていた小さなクモ“デビー・ウェブスター”。

ふたりは力を合わせてチェロを作った。

クルミの殻と先がくるっと丸まっている棒、そしてアオツグミの羽で作った弓。

そしてデビー・ウェブスターの糸でできた弦。

 

マヌエロは、なんとも美しい音色を奏でた。

その音楽に合わせて、相手にしてくれなかった虫たちが集まってきて、素晴らしい大合奏が。

 

読み終わった後、カマキリの鳴き声、クモの鳴き声って聞いたことがある?と尋ねたら、みんな首を横に振った。

一人でできなかったことが、友だちと一緒になら出来ることもある。
そんな話を聞いてもらった。

大津市でいじめを苦にしての自殺の問題がいろいろと聞こえてくる。
「いのち」、「こころ」。
いろいろと考えて、4年生には「ともだち」をテーマに選んでみた。

 

1学期最後の読み聞かせ。
当初1学期のみ参加ということでお願いしていたが、2学期からも行ける時は参加してみようかなと。

2012年7月9日 | カテゴリー : 絵本, 長浜 | 投稿者 : sentoku