広南小学校読み聞かせ(158)

2月4日(月)

昨日の雨が上がり、今朝は穏やか。

今朝は広南小学校読み聞かせ。

担当は4年生。

読んだ絵本は、

『おにたのぼうし』 (あまんきみこ 文・いわさきちひろ 絵)

毎年、この時季になると、鬼にまつわる絵本を読む。

「昨日は何の日でしたか?」

「節分!」

「豆まきした人!」

「は~い!」

半数ぐらい手を挙げる。

「この本を知ってる人!」

と尋ねると、次男ただ一人。

あまんきみこさんの絵本は、本願寺出版社から『海の小学校』(いとうえみ 絵)と『花まつりにいきたい』(羽尻利門 絵)の2冊が出版されている。
でも、Wikipediaにはまだ。。。

まめまきの おとを ききながら、おにたは おもいました。
(にんげんって おかしいな。おには わるいって、
きめているんだから。おににも、いろいろ あるのにな。
にんげんも、いろいろ いるみたいに。)
そして、ふるい むぎわらぼうしを かぶりました。

気のいい おにたは、病気のお母さんを看病している女の子の家に。
そこで何も食べていない女の子に、おにたは あかごはんとうぐいす豆の煮物を持ってきてくれた。

「わたしも まめまき、したいなあ。」
「なんだって?」
おにたは とびあがりました。
「だって、おにが くれば、きっと
おかあさんの びょうきが
わるくなるわ。」
おにたは てを だらんと
さげて ふるふるっと
かなしそうに みぶるいして
いいました。
「おにだって、いろいろ
あるのに、おにだって・・・・・・・」

とってもせつない節分の話。

そんな鬼の気持ちも知らずに、やれ「鬼は外」だ、やれ「福は内」だといっている日本人の何と多いことか。

来年は、豆まく時にちょっと「おにた」のことも思い出してくれたらな。

2019年2月4日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(157)

1月28日(月)

今朝は広南小学校読み聞かせ。

今日の担当は5年生。

読んだ絵本は、

『ウリオ』 (室井滋 文・長谷川義史 絵)

今年見た初夢。
1月8日の仏教壮年会の新年互礼会で熱燗を久しぶりにいただいて、その夜見た初夢に出て来たのは、一頭のイノシシ。
こちらの方にだんだん近寄ってくるので、どうしよう。。。と思っていたところで目が覚めた。

縁起が良いとか悪いとかはさておき、初夢に干支のイノシシが出て来たのは何?と思っている時に出会った絵本がこの『ウリオ』。

女優の室井滋さん原作で、以前読み聞かせでも読んだ『しげちゃん』と同様長谷川義史さんの絵。

「室井滋さんって知ってる人!」
「水木しげるなら知ってるけど。。。」

とはじまり、

小さくて可愛いイノシシの赤ちゃん、ウリ坊。
愛情たっぷりに育てられ、あっという間に大きくなって、ウリオに大変身。
でも、ウリオになった途端、家族みんなに冷たくされて、とうとう家出を・・・・・・・。

室井滋さんのあとがきを最後に紹介。

「ウリオ」は、長野の友人の家で暮らすイノシシの生い立ちを元にして書きました。
 大人のウリちゃんは超迫力の猛獣ですが、その心は子どもの頃のウリちゃんのまんまです。
 私は、イノシシや熊が人里に降りてきて大騒ぎという新聞記事やニュースを見るたび、かならずウリちゃんのことを思い出すのです。
 動物の気持ちと人間の気持ち・・・・・・。
 大切な命がどうすれば守られるか、この機会に、ぜひ皆さんで話し合っていただけたらなあと思います。  室井滋

動物の気持ちと人間の気持ち、動物の命と人間の命。

ちょっと考えるきっかけになれば。

午後から石泉文庫の防火訓練。

2019年1月28日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(156)

1月21日(月)

今朝は今年初めての読み聞かせ。

しかも担当は、とっても久しぶりで、2度目の1年生。

1年生と6年生は、読む本をいろいろ考えてしまう。。。

迷った挙句に選んだ絵本は、

『こすずめとゆき』 (深山さくら 文・黒井 健 絵)

教室で、絵本を取り出した途端、一人の女子から、

「きれい!」

の言葉。

『ごんぎつね』や『手袋を買いに』の黒井健の絵本で、この表紙に惹かれ、寒い時に読みたいと選んだ一冊。

地味な色合いではあるけれど、そのことばにこちらがほっこり。

さむい さむい ふゆの よる。
かあさんの はねに くるまれて ねむっていた すずめの ぼうやが、
ふと めを さましました。
「あれ、なんだろう?」
ぼうやの めに うつったのは、
そらから ふわふわ まいおちてくる しろい ものでしたが・・・・・・。

しずかに、ゆっくり。

2019年1月21日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

読書活動ボランティア交流会

1月17日(木)

今日は防災とボランティアの日。

24年前の今日、1995年(平成7)年1月17日に起こった阪神・淡路大震災。
学生を中心としたボランティア活動が活発化し、「日本のボランティア元年」といわれ、翌年からこの日を「防災とボランティアの日」と制定。

その日にちなんでか、たまたまこの日になったのかは定かでないが、呉市読書活動ボランティア交流会が呉市役所で開かれた。

呉市内の小・中学校で子どもの読書推進のための活動をしている保護者ボランティアまたは地域ボランティアの方が、各校から2名参加して開催。

よその学校の情報はほとんど入ってこないので、広南小学校から私と坊守二人で参加。

会議室には、60名ほどいる中、女性ばかりで男は一人。。。

それでも、坪内小学校、天応小・中学校の読書ボランティアの方の発表や小林いづみ先生の話はとても興味深く。

天応では、昨年7月の豪雨災害で大変な被害を受けた。
その後、傷ついた子どもたちに、読み聞かせをされた話。

不安な時、少しの間でもそのことを忘れさせる存在となったそう。

絵本の読み聞かせは、十人十色。
だからいいのかな。
想像の翼をひろげて!
と、朝ドラ『花子とアン』で言ってたなと思い出しながら。

来週いよいよ今年初めての読み聞かせ。





2019年1月17日 | カテゴリー : 地域, 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(155)

12月17日(月)

昨日の雨が上がり、青空が広がる。
でも、青空の下、パラパラと雨の降る冷たい朝。

今朝は広南小学校、今年最後の読み聞かせ。

担当は4年生。

今年最後に何を読もうかと、何冊か候補を読んでみて、ちょっと長いけど、これしかない!と選んだのが、

『みずとはなんじゃ?』 (かこさとし 作・鈴木まもる 絵)

作者のかこさとしさんは、今年5月2日に92歳でお亡くなりになった。
その1ヶ月後、NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』で、「最後の記録 絵本作家かこさとし」を放送。

てっきり追悼番組だと思って観たら、いきなり冒頭に、

これは“追悼番組ではありません。
最後まで絵本作家として生き抜いた
一人のプロフェッショナルの記録です。

と。

放送は、今年の3月11日から1ヶ月の密着取材の様子。

命を終えるギリギリまで「ただ、こどもたちのために」、その思いで絵本作り。

その放送の中で、最後に絵を鈴木まもるさんに委ね、制作していた絵本が『みずとはなんじゃ?』。

小さなこどもにも分かるよう、やさしいことばで。

そして、最後に、

ちきゅうの いきものの ひとりとして、
うみや かわを よごさないようにしましょう。
みずの もっている すぐれた せいしつを しった わたしたちは、
せっかくの みずの ちからを まもり、いきもの みんなが
いきてゆけるよう つとめましょう。

と。

今年は、豪雨災害のあとの断水で、「水」の大切さを改めて知った。

地球を大切にできていないツケがまわってきたようなこのたびの災害。

先日、あのきれいな沖縄の辺野古の海にもとうとう。

自分たちのため、自国のため、〇〇ファースト、、、、

「いきもの みんなが いきてゆけるよう つとめましょう」

かこさんのメッセージが、少しでも伝わるといいなと思いながら。

2018年12月17日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(154)

12月10日(月)

今朝も冷え込んだ。

今朝は広南小学校読み聞かせ。

担当は2年生。

寒い日にはあったかくなる絵本を。
読んだ絵本は、

『ぼくのばしょなのに』 (刀根里衣 作)

イタリアを拠点にしている刀根里衣さん。
主人公のペンギンの名前の由来を表紙の裏に、

主人公のペンギンの名前はイタリア語でCucuと書きます。「カッコウ」または「カッコウ時計」を指す語で、からくり時計から出てくる鳥は「ククー」と鳴きます。また、子どもをあやすとき、顔を隠して、またのぞかせる「いないいない、ばあ」にあたるフレーズとしても使われるそうです。読み聞かせのさい、ククーをお子さんの名前にかえて、読んでみてください。

それをまず読んで、「ククーを自分の名前に置き換えて読んでみてください」と。

ペンギンのククーは、パパとママのおなかの下が大のお気に入り。
しかし、ある日のこと、自分だけのものと思っていたとっておきの場所が、
生まれてきたたまごにうばわれてしまいます。
「それならば!」と、毛布にくるまってたまごに変身することを思いつくククー。
はたして、その大切な場所を取り戻すことができるでしょうか。

パパとママがククーのためにクイズを出す。

その答えはただひとつ。

その答えが出るたびに、子どもたちから笑い声が。

そして、読み終わると、手を挙げていろんな感想を。

 

通り報恩講もあと少し。

2018年12月10日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(153)

12月3日(月)

今年は暖かい師走の入り。

今日は雨。

今朝は広南小学校の読み聞かせ。

担当は6年生。

読んだ絵本は、

『リスとアリとゾウ』 (デイジー・ムラースコヴァー 作・関沢明子 訳)

 

リスとアリとゾウが一緒に暮らしていた。

アリとゾウ、体の大きさが全く違うので、やることなすこと、いつも反対のことばかり。

それを、リスはいつも黙って、その間を取り持つ。

それなのに、何故一緒にいるの?

それは、「すき」だから。

 

そんなある日、リスが猟師に捕まってしまった。

それを見つけることができたのは、アリのおかげ。
助け出すことができたのは、ゾウのおかげ。

みんなそれぞれ違うけど、その違いが世界を作ってる。

その違いに気づいてくれたらいいな。

 

今夜から仏教壮年会・仏教婦人会共催法座。

お誘いあわせてお参りを。

 

2018年12月3日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(152)

11月26日(月)

穏やかな朝。

今朝は広南小学校の読み聞かせ。

担当は、5年生。

先日、学習発表会で「ウサギとカメ」の英語劇を演じた5年生に、

読んだ絵本は、

『三びきのコブタのほんとうの話』
 (ジョン・シェスカ 文・レイン・スミス 絵・いくしまさちこ 訳)

中表紙には、「A.ウルフ談 ジョン・シェスカ 聞き手」と。

「A.ウルフ」とは、アレクサンダー・T・ウルフ。
『3匹のコブタ』に出てくるオオカミのこと。

そのオオカミが、『3匹のコブタ』として知られる話はでっち上げで、自らが本当のことを語るというストーリー。

 

オオカミが悪者になってしまうのは、ウサギとか、ヒツジとか、ブタとか、かわいらしい動物を食べてしまうから。

もしも、チーズバーガーがかわいかったら、それを食べる人間だって、きっと悪いやつだってことになると。 

 

コブタの立場で見たお話と、オオカミの立場から見たお話。

視点を変えると、違ったストーリーに。

 

悪者は、やることなすこと、ぜんぶ悪く見えてしまう。

相手の立場でものを見る。

時にはそんなことも。 

 

 

 

 

2018年11月26日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(151)

11月12日(月)

昨日の法要から一夜明けて、雨?

ずっと日曜日の週間天気予報ばかりを気にしていて、その後の天気を見ていなかった。

でも、昨日の法要が終わった後、空にはうろこ雲。

 

今朝は広南小学校の読み聞かせ。

担当は3年生。

読んだ絵本は、

『どんぐりのき』 (亀岡亜希子 作)

こちらの絵本の表紙もうろこ雲。

 

若いどんぐりの木が初めて実をつけた。

「リスさん、ぜひ ぼくの どんぐりを
たべてみてください。きっと おいしいはずだから。」

わくわくしながら、どんぐりはリスの感想を待った。

「うわぁ、ぺっぺっ、まずくて たべられないよ!」

リスの食べたどんぐりはまだ青かったため。
でも、それを知らないどんぐりは、その後、実をつけなくなってしまった。

それから数年経って、一匹のリスが、このどんぐりの木を気に入り、そこに住もうとした。

どんぐりの木は、リスが大嫌い。

どんぐりはリスを追い出そうとするが、リスはお構いなし。

ある時、2匹のお客のリスがやってきて、

「このき、どんぐりが ならないんだってさ。」
「そうそう。なっても まずいらしいよ。」

とリスに告げる。

すると、リスは、

「しつれいね! このきが どんぐりを つけないはず ないじゃない。
 ぜったい おいしい どんぐりなんだから みてらっしゃい!」

と。

どんぐりは心を痛め、夏が近づくにつれて元気がなくなった。

どんぐりは重い口を開いて、どんぐりをつけないことをリスに告げる。

リスは、笑って、

「どんぐりを つけようが つけまいが、わたしは あんたが すきなのよ。」

と。

その秋、どんぐりはたくさんのおいしい実をつけた。

「リスさんに たべてもらいたくてさ。」

 

終わった後、たくさんの子が手を挙げ、しっかりと感想を。

他人の一言で傷つき、他人の一言で幸せになる。

やさしいことばを。

 

今日からいよいよ長浜の通り報恩講。

2018年11月12日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(150)

11月5日(月)

長浜の祭も終わり、日本シリーズも。。。

どなたさまもお疲れさまでした。

 

昨日は広南中学校の日曜参観。

法事が入っていたので、そちらへは行けず。

今日、中学はその代休。

先月の代休に中学校に呼びかけて小学校の読み聞かせボランティアの募集をしたので、このたびは募集しなかったのに、ある生徒から「代休なのに、読み聞かせないんですか?」と尋ねられたそう。

そこで、急遽3名の中学生が広南小学校の読み聞かせに参加。

 

今日の担当は6年生。

この時期の6年生の担当は、いろいろと考えてしまう。
あと残りわずかの小学校生活。
そんな子どもたちに何を読もうかと。。。

そこで、今日選んだのは、

『ビロードのうさぎ』 (マージェリー・W・ビアンコ 原作・酒井駒子 絵・抄訳)


みなさんの生まれた年は、2000何年ですか?


2006年!


2007年!


今日は、みなさんの生まれた頃、2007年の絵本、第1位。
酒井駒子さんの最高傑作!を読みます。


感動系ですか?


(感動系???)
感動系です。

 

と、そんな感じで今日はスタート。

クリスマスプレゼントにもらったビロードのうさぎ。

ぼうやは大喜びして遊んでいたけど、すぐに他のプレゼントに目がいって、うさぎは部屋の片隅に。

ある日、お手伝いのナナが、いつもぼうやと一緒に寝る犬のおもちゃがないことに気づいて、うさぎを代わりに抱かせた。

そこから、うさぎとぼうやの幸せな日々が。

でも。。。

 
ちょっと読むには長い絵本だけど、みんな聞き入って。

ほんものというのはね、ながいあいだに
子どもの ほんとうの ともだちになった
おもちゃが なるものなのだ。
ただ あそぶだけではなく、こころから たいせつに
だいじにおもわれた おもちゃは ほんとうのものになる。
たとえ そのころには ふるくなって
ボロボロになっていたとしてもね。

読み終わると、これまでにない大きな拍手。

感想を聞いた後、


何かずっと大切にしているおもちゃとか、ありますか?

。。。。。。。Nintendo? 


だね。。。

2018年11月5日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku