専徳寺の本堂の外陣正面、「栴檀林(せんだんりん)せんだんりん」の額の両脇と、内陣の親鸞聖人・蓮如上人の御厨子の上に、他の真宗寺院ではあまり見られない彫刻がはめられています。

よく見ると、象がいたり、虎がいたり・・・。あれは、一体何を現しているのでしょう?
そんな質問をよく耳にします。


あの彫刻は二十四孝(にじゅうしこう)にじゅうしこうといって、中国の孝行者の話を表現したものです。
二十四孝とは、中国の(げん)げんの時代に、郭居敬という人が選んだ24人の孝行者をいいます。

その24人とは、帝(しゅん)しゅん ・ 漢の文帝 ・ 曾参(そうしん)そうしん 閔損(びんそん)びんそん ・ 仲由(子路) ・ 董永(とうえい)とうえい 廓子(えんし)えんし ・ 江革 ・ 陸績(りくせき)りくせき ・ 唐夫人 ・ 呉猛 ・ 郭巨 ・ 老莱子(ろうらいし)ろうらいし 楊香(ようこう)ようこう ・ 朱寿昌 ・ 王褒(おうほう)おうほう 丁蘭(ていらん)ていらん ・ 孟宗 ・ 姜詩(きょうし)きょうし ・ 王祥 ・ 捨黔婁(ゆけんろう)ゆけんろう ・ 黄香 ・ 蔡順(さいじゅん)さいじゅん ・ 黄庭堅です。

専徳寺の本堂には、その内の8人の孝行の様子が、表現されています。
外陣
南側
虎をつかんで親を救う話 ―楊香― 身を売って父を弔う話 ―董永― 姑に乳を飲ませて怠らない話 ―唐夫人―
外陣
中央
広如上人筆 「栴檀林」
外陣
北側
孝行が天を感動させる話 ―帝舜― 職を辞して母を訪ねる話 ―朱寿昌― 地をほって金を出す話 ―郭巨―
内陣 竹に泣きついて竹の子を生ずる話 ―孟宗― みかんを懐に隠して親におくる話 ―陸績―