専徳寺のぶろぐです。
お寺のこと、地域のことを綴ります。
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〒737-0136 広島県呉市広長浜3-13-21
11月18日(月)
今夜から今年最後の法座、仏教壮年会法座。
寒くなってきたので、今シーズン初めてストーブを。
このタイプのストーブ4台と4つの天井扇風機を緩やかに回して暖を取る。
このたびの御講師は呉東組副組長でもあり、いろいろお世話になっている阿賀の寶徳寺 平原弘史師。
それ真実の教を顕さば、すなはち『大無量寿経』これなり。
と、親鸞聖人は『大無量寿経』が“真実”だと顕された。
ただ、さとりの世界の“真実”はひとつであっても、迷いの世界の“真実”はというと・・・。
そんな話を聞かせていただきながら、最近流行の(?)「誤表示」ということばを思い浮かべる。
それが「誤」なのか「偽」なのか、それは別として、果たしてホンモノ(真実)って?
一流ホテルのレストランで「○○産○○エビの○○」だといって、きれいな器に盛られて出て来ると、よほどのことがない限り、「プリプリしてて、さすが・・・」なんて何の疑いもなく食べてしまう。
「世間虚仮、唯仏是真」
改めてこのことばを。
明日は冷え込むそう。暖かくしてお参りを。
ようこそのお参りでした。
11月18日(月)
今朝は広南小学校の読み聞かせ。
3年生を担当。
今日読んだ本は、宮沢賢治の『竜のはなし』。
短い文章で、決して内容は楽しいものではないのだが、とても深い物語。
ゆっくりと低い声で読むことに。
みんな、じっと静かに聞いていた。
浄土真宗本願寺派僧侶でもあった童話作家花岡大学氏を調べていて見つけた絵本。
あとがきに『「賢治童話」の「やさしい心」』と題して、花岡氏が記している。
どちらかといえば相手が幼児だからといって絵本がなにかファンタジーの世界だけによりかかろうとするような傾向のつよいことに、いささか不満を持っていたわたしは、もちろん教育が喪失している「あるべき精神」をちゃんとふまえて、今深く考えなければならない問題をいっぱいにみなぎらせながらしかも絵本のこれからのあるべき方向を示しているこの作品をみて、久しぶりに昂奮し感激した。
と。その「あるべき精神」とは、「やさしさ」。
だがその「やさしさ」とは、日常的な語感による「なよなよした優美なやさしさ」ではなく、「強靱なやさしさ」といってよく、つまり「自」を「他」に投入していさぎよく「死」に、いささかも、「はね返ってくるもの」を求めないといった、すさまじい精神のことである。
と。
表紙を開くと、
このはなしはおとぎばなしではありません。賢治
と、はじまる。
もう悪いことはしない、すべてのものを悩まさないと誓った竜。
人に皮をはがされても、虫にからだを食べられても、まことの道を求めてじっとなすがまま。
そして死んでしまい、後にお釈迦さまとして生まれ、みんなにいちばんの幸せを与えたという竜の話。
読み終わって「どうでしたか?」と尋ねたら、「・・・」。
「こんな生き方出来る?」と尋ねたら、「無理に決まってる!そんなことしたら死んでしまうし。」
「他者のために」という生き方は、自分中心の生き方をする人間にとって、とっても難しい。
他の命をいただきながら、自分は今を生きているのだから。
この竜のような生き方は出来なくても、この竜から今の自分を知ることは少しくらい出来たかな。
11月17日(日)
朝から福山法真寺へ。
法真寺の第19世住職 密蔵法師が、祖母 大洲ノブの弟に当たる。
このたびは、その孫に当たる第21世住職の継職奉告法要と本堂修復慶讃法要。
稚児行列が先に行われ、お寺のまわりをぐるっとまわって本堂に。
朝早くから支度して集まったたくさんのご門徒さん。
沿道には我が子の稚児衣装姿をビデオに収める親御さん。
法要では組内法中、親戚・友人法中により、賑々しく。
記念法話は前住職の弟、浄光寺住職 小林章三師。
ジョン・ミューアのことば、
一輪のスミレのために、地球がまわり、太陽が照り、雨が降り、風が吹く。
より、ご和讃の、
十劫微塵世界の
念仏の衆生をみそなはし
摂取して捨てざれば
阿弥陀となづけたてまつる
のこころを聞かせていただく。
先日15日、NHKでもうすぐ公開のスタジオジブリ作品『かぐや姫の物語』主題歌、「いのちの記憶」を歌う大竹市の本願寺派僧侶でもある二階堂和美さんの特集が放送された。
その「命の記憶」の歌詞に、
今のすべてが
過去のすべて
必ず会える
懐かしい場所で
と。
今日遇えたご縁も、また過去のすべて。
過去のご縁がなかったら、今日のご縁はいただいていない。
そして、また会える世界がきっと・・・。
たくさんの方々の姿を見ながら、そんなことを。
法要が終わり、午後から少しパラパラと。
準備をされてきた方々の御苦労を思うと、午前中青空がひろがって良かった。
明日の夜席より今年最後の法座“仏教壮年会法座”。
お誘いあわせてお参りを。
11月16日(土)
今日は広南小学校の学習発表会。
今年学年始めにいただいた年間予定表では17日に予定されていた。
すでに予定が入っていたため、丸々見ることができないなぁと思っていたのに、思いがけない日程変更があって、最初から最後まで観ることができた。
昨年はちょうど山の上の専徳寺墓地にお参りしている時、龍神太皷の音が聞こえてきたなぁと思い出しながら…
1、2年生の『おたまじゃくしの101ちゃん』。
3、4年生の『ほんとうの宝物は』。
PTAコーラス『ビビディ・バビディ・ブー』『オー・シャンデリゼ』
5、6年生の長浜龍神太皷と、
小坪神楽。
9年生(中学3年生)の合唱『いつまでも』。
5年生の英語劇『MOMOTARO』。
6年生の合奏・合唱『風を切って』『あまちゃん』『ふるさと』。
最後は全校生徒で『ありがとう』ソング。
最後まで盛りだくさん。
バラエティに富んだなかに、「いのち」「つながり」「ふるさと」「ありがとう」がいっぱい散りばめられて。
日本一のありがとう
ただひとつ、唯一無二のありがとうかな。
午後から法事を2件つとめて、単身福山に。
ホテルの手違いもあって、福山城と新幹線が窓の外に見える部屋。
子どもたちが一緒なら、喜ぶんだけど…。
明日は親戚の御寺院で住職継職法要。
天気予報では雨。
たとえ雨でも、ありがたい、良いご縁となりますように。
11月10日(日)
今日は広島県知事と呉市長のダブル選挙。
朝から雨が降ったりやんだり。
今日まで開催された熊野の筆の里工房『棟方志功と熊野筆』展に昨日訪れた。
青森県出身の棟方志功。
浄土真宗との出遇いは、戦争時の疎開先、富山県だったそう。
以前、四国出身の方で、戦争時海軍工廠に勤めるため、津久茂に住んでいたという方から話を聞いたことがある。
引っ越してきて、隣近所にあいさつをしてまわると、どの家庭に行っても、いただいたものをすぐにお仏壇にお供えする姿に驚きましたと。
真宗王国といわれる富山で浄土真宗に出遇った棟方志功も、お念仏のなかに生かされている方々の姿に出遇ったのかなぁと思いながら、昨日購入して帰った図録をじっくりと。
まえまえ、わたくしも板画をはじめたころは、版という字を使っていたんだが、板画の心がわかってからはやっぱり、板画というものは板の生まれた性質を大事に扱わなければならない、木の魂というものをじかに生みださなければダメだと思いましてね。
ほかの人たちの版画とは別な性質から生まれていかなければいけない。板の声を聞くというのが、板という字を使うことにしたわけなんです。
(「棟方志功と熊野筆」図録所載 志功の言葉より)