小坪説教所 盂蘭盆会 2日目

8月8日(金)

このたびより朝席が以前の7時30分から9時に変更。

ずいぶんゆっくりと小坪説教所の盂蘭盆会御満座へ。

 

今朝もかなしみをテーマに、絵本の読み聞かせより。

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大好きな友達、ことりくんを失ったくまくん。
きれいな小箱にことりくんを納め、いつも持ち歩いていると、森の動物たちが何を入れているのか尋ねてくる。

それで箱を見せると、みんな困った顔をして、

「くまくん、ことりはもうかえってこないんだ。つらいだろうけど、わすれなくちゃ」

と。

くまくんは、自分の家に閉じこもってしまった。

 

ある晴れた日、草のにおいに誘われて外に出たくまくん。

おかしな形をした箱を持ったやまねこと出会う。

その中身を見せて欲しいとお願いすると、やまねこはくまくんの持っている箱を見せて欲しいと。

くまくんが箱を開けて見せると、

「きみは このことりと、ほんとうになかがよかったんだね。ことりがしんで、ずいぶんさびしい思いをしてるんだろうね」

くまは、おどろきました。こんなことをいわれたのは、はじめてです。

 

やまねこの箱にはバイオリンが入っていた。

そのバイオリンで、くまくんとことりくんのために演奏してくれた。

その曲を聴きながら、くまくんはことりくんとの思い出を次々と思い出した。

 

それで、くまくんはことりくんとの思い出の場所にお墓を作って・・・。

 

また、実はやまねこもそんな悲しみを・・・。

 

モノトーンで、決して楽しい絵本ではないけれど、かなしみが与えてくれた大切なこと。

金子みすゞの『さびしいとき』を思い出しながら。

 

さびしいとき

私がさびしいときに、よその人は知らないの

私がさびしいときに、お友だちは笑うの

私がさびしいときに、おかあさんはやさしいの

私がさびしいときに、佛さまはさびしいの

     (『金子みすゞ全集』JULA出版局より)

 

お盆をご縁に、仏さまの大悲に抱かれてお念仏。

続いてようこそのお参りでした。

2014年8月8日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku