9月22日(木)
暑さ寒さも彼岸まで
台風一過。
今日は久しぶりの青空の下、小坪地区報恩講。
つい先日までの暑さもなくなり、汗もそれほどかくことなくお参りさせていただいた。
今日のお参り先で、白い彼岸花を仏華にお供えしているお宅があった。
仏華には、基本的に毒のある花、悪臭を放つ花、とげのある花は使わないとされる。
でも、この彼岸花には毒があるそう。
もともとは、稲と一緒に大陸より伝来し、田んぼのあぜ道などにモグラやネズミが穴を掘らないように植えられたといわれている。
また、お墓のまわりにも同じような理由で植えられた。
それで、お墓のまわりにお彼岸になると咲くことから、「死人花(しびとはな)」「地獄花(じごくばな)」「幽霊花(ゆうれいばな)」などと、あまり好まれない呼び名で呼ばれることも。
でも、この花の毒は、長時間水にさらせば無害になるそうで、戦時中などの非常時には食用にもなったのだそう。
この彼岸花。
これは江戸時代頃からの呼び名だそうで、別名を「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」という。
曼珠沙華とは、古代インドのことば「サンスクリット語」のmanjusaka(マンジュシャカ)の音写が由来だそうで、『法華経』というお経のなかに、釈尊が多くの菩薩のために教えを説かれたとき、天から
曼陀羅華・摩訶曼陀羅華・曼珠沙華・摩訶曼珠沙華
の四華をふらせて供養したと出てくる。
ここでいう曼珠沙華とは、天上に咲く花で、白くて柔らかく、これを見るものに悪を離れさせるはたらきをもっている花だそう。
どうやら、私たちの知っている曼珠沙華とは違うようだ。
曼陀羅華(まんだらけ)も、チョウセンアサガオの別名で、この花も有毒なのだそう。
でも、葉が薬に用いられるらしい。
曼陀羅華や曼珠沙華の名前が今の花につけられた意味は定かでないが、大切にされた花だからこそ、お経に出てくる名前がつけられたのであろう。
毒花ではあるが、天から降って仏さまを供養した曼珠沙華。
ちょうど彼岸の頃に咲く花。
彼岸。
自らの行く末をこころにいただく大切なご縁。
明日から『秋季彼岸会』。
お誘いあわせて、お参りを。