正蔵坊住職継職法要

10月22日(土)

今日は朝から島根県大田市へ。

専徳寺の法務員菅原氏のご実家正蔵坊で、第24世住職継職法要があり、出勤させていただいた。

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天気予報では雨。
雨のドライブを覚悟して行ったが、浜田道の広島・島根の県境のトンネルを抜けると青空が。
世界遺産“石見銀山”を横目に早めの到着。

一日、汗ばむくらいのお天気のなか、法要が執り行われた。

 

12時45分より、前住職導師のもと、日中法要。
色衣・五条袈裟の正装で『讃仏偈』のおつとめ。

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本願寺からの達書伝達式に続いて、講話。

御講師は青木新門氏。
講題は『いのちのバトンタッチ』。

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青木新門氏は、第81回アカデミー賞外国語映画賞に輝いた『おくりびと』の元々の原作者。

自らの体験を綴った青木氏の『納棺夫日記』を読んだ本木雅弘氏が惚れ込んで、映画化を熱望した。
映画化にあたり、一度は青木氏の許可を得たが、出来上がったシナリオを読んで、青木氏は愕然。

青木氏は浄土真宗の熱心な土地柄、富山県の出身。
その富山の土徳があったからこそ、仕事を通して浄土真宗に出遇った。

でも、映画の舞台は山形県。

何も山形県が悪いというわけではない。
ただ、土徳という大事な点が欠落していた。

それから、ヒューマニズムで終わってしまい、原作のなか、一番重要な宗教的要素が欠落してしまっている。

その結果、青木氏はこれは『納棺夫日記』としてでなく、違った形の作品として欲しいと原作を降りられたのだそう。

そんな経緯をいろいろとユーモアを交えて聞かせていただいた。

 

そして、講演の後、3時から今度は新住職を導師として逮夜法要が。

全員が色衣・七条袈裟の礼装で、『無量寿経作法』。

 

第24世新住職が法灯を受け継いだ。

みずからをともしびとせよ 法をともしびとせよ。
(自灯明・法灯明)

その法のともしびが消えていく寺もある。

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特に山間部は、過疎化が進み、廃寺となるところもあるとは聞いていたが、途中屋根の崩れたお寺を見てショックを受ける。

今日の講題『いのちのバトンタッチ』。
バトンが次に受け継がれることの尊さを改めて感じた。

 

法要が終わり、その後の祝宴に出ず、我が家へ直行。

実は、長男碧流(あいる)の8歳の誕生日。

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何とか、夕飯に間に合った。

そして、夕飯後はお母さん特製のバースデーケーキに舌鼓。

「お母さん、ありがとうっていったか?」と聞くと、「まだ」という。

催促して、「ありがとう」の一言。

「おめでとう」と「ありがとう」。

「いのちのバトンタッチ」は、ここからはじまる。

 

明日も一日750回大遠忌法要を勤め、稚児行列もあるそう。
明日も今日のように良いお天気で。